48 / 57
:目標を探してみましょう
48:
しおりを挟む
「おー逃げずに来たかー! てっきり逃げ出したかと思ったぜ!! 」
「……うるさい奴だな」
ゴブリン討伐のクエストから3日経ってギルド酒場に来ると入り口で腕を組んで壁に凭れ掛かるラルクがいた。
一々かっこつけてるけど気持ち悪いなこいつ。
ギルド酒場には噂を聞きつけて高レベルのファイターに喧嘩を売ったハンターの決闘を見ようといつもより多くの人が集まっていた。
「おい、あれが噂のハンターか? 」
「なんかあんまり強くなさそうだぞ」
「本当にやる気か? いくら何でも無茶だろ」
「未成年をゴブリンの前に置き去りにしたとかなんとか言ってたよな」
「てか、むしろ置き去りにしたのあいつだったりして」
「確かに! Lv.53もあるファイターがゴブリン相手に未成年を置き去りにするわけないよな」
はははっと周りからは勝手な野次が飛んでいる。
それくらいハンターの職業的地位は低いのがわかる。
「あれ~? やっぱりメグルさんだ~! 」
「えっ!? まじか! 」
「メグルさーん!! 」
「ちょっと、静かにしなよ」
入り口の方から聞き覚えのある声が聞こえると思ったらペル達パーティーが揃っていた。
騒めく周りを無視してペル達が私に近寄ってくる。
「高レベルのファイターにハンターが喧嘩売ったって噂で聞きましたけど、まさかメグルさんだったとは……」
「でも、未成年を見捨てたハンターっていうのがメグルさんなら噂は嘘ですね! 」
「……そんな感じの噂になってるんだ。実際、見捨てたのはあいつだけど。……皆はまだこの街に滞在していたんだね」
「濡れ衣ですか!? メグルさんなら絶対そんな事しません!! 」
「はい。まだあと2、3か月くらいは滞在する予定です。まだまだ次の街へ行くには俺たちでは経験不足ですから」
「メグルさんからも言ってくださいよー! ルーイの奴まだまだダメだって聞かないんです! 」
「マイクはいつもそうだろう! 無茶ばっかりして! 」
前に会った時とか全然変わってないな。
突っ走ろうとするマイクに堅実なルーイが言い返して喧嘩になる。
けど、今も上手くいってるって事はこれが通常運転なんだろう。
「なあ、喧嘩売っといて無視? てか1人じゃ無理だから仲間呼んだとか? 」
……あぁ。
なるべく視界に入れたくなくてすっかり忘れてた。
折角癒されてたのにぶち壊すような挑発かけてきやがって。
さっきまでにこにこしてたペルもめっちゃ睨んでるし。
「はぁ…。さっさと終わらせよう」
「何カッコつけちゃってんの? 後悔すんなよ~」
段々とこいつとやりとりするのも面倒になってきた。
さっさとギルドの闘技場に移動することにしよう。
いつもは訓練にも使われているギルド闘技場。
ゲームとは違ってこの世界では決闘は滅多な事では行われない。
なんせ命を賭けるやりとりだから、それに相応しい理由があるのが普通だ。
まあ、あんな挑発で簡単に決闘を受ける辺り、コイツは決闘の重大さなんて分かっていないと思うけど。
「で、ルールはー? 」
「制限時間5分で相手を倒すまでがルールだ。途中で参ったといっても関係ない」
5分間で相手のHPをより減らした方の勝ち。このルールはゲームの時と同じだ。
時間が残っていてもHPが0になると負け=死ということになる。そうなると容赦なく教会送りだな。
例え相手が途中で降参しても試合の中止はしない。
決闘と言われているが所謂PvPってやつでゲームの時は何度か力試しでやったことがある。
……もちろん、現実で人間を相手にするのは初めてだ。
モンスターですら初めて戦闘した時には何とも言えない気分の悪さを感じた。
それが人となると私も覚悟を決めないといけない。
……こいつだけは痛い目みないと分からないだろう。
「へえー。じゃあ、あんたが泣いて叫んでも俺にやられ続けるってことね」
「……そうだな」
ケラケラと笑うラルクに嫌悪感しか抱けない。
自分以外はただのモブで、自分は特別な存在とでも思っているんだろう。
「始めちゃっていいの? 」
「ああ」
「じゃ、行くぜぇー!! 」
双方の同意が取れた瞬間に闘技場内にあったタイマーのカウントがスタートする。
やつは背負っていた大剣を取り出した。
たぶん、武器屋で買ったばかりなんだろう。
刀身は闘技場内の光を反射していた。
「武器屋で調達したAtk+47の鋼の両手剣だぜー! その辺の奴には簡単に買えないだろうな!! 」
そう言いながら自慢げに観客に見せつけるように片手で剣を高々と掲げる。
鋼の大剣はこの街で買える一番高い両手剣だが、世界で見るとそれほどいい剣ではない。
しかしこの街にいる冒険者たちにはなかなか手が出せない値段と性能のせいか周りからはざわめきが起こった。
一通り見せびらかして満足したのか、こちらに向き直り剣を構えてみせる。
「ははっ!ビビっちまったかー? それじゃ、いっちょやってやるかー〔キイィィンーッ〕っ!? 」
「…え?」
「……おい、今何が起こったんだ? 」
構えた剣を早撃ちスキルで弾き飛ばした。
思ったよりも衝撃を受けたようでラルクが前に踏み出した足も1歩後退している。
「いや、あのハンターが弓を構えたら、剣がはじき飛んで…」
「馬鹿! そんな訳ないだろ! 弓の威力であの両手剣が吹き飛ぶかよ!! 」
あくまで補助職、攻撃力が低くて後ろからちまちま矢を撃って状態異常のバフをかける。
そんなイメージを持たれている弓職が力自慢のファイターの剣を目にも止まらない速さで弾き飛ばしたのが周りも信じられなかったんだろう。
「あ、あっちゃー、俺としたことが失敗! 剣を握り損ねたよ! うしっ次は〔ガッキィィィーン〕!!?? 」
訳も分からないまま、減らず口を叩いて再度剣を構えなおす。
追い打ちをかけるようにもう一度剣を弾き飛ばしてやった。
今度は早撃ちではなかったから弓を引く瞬間は確認できただろう?
「おいおい、2度も握り損ねたのか? とんだ間抜けだな」
「っくそ!! お前なんかに剣を使う必要なんてねーよ! っうぐ、あぁぁッ!! 」
はっ、と笑い捨てるとかなりお怒りになったらしい奴は拳を構えてこちらに走ってきた。
気にせずラルクに向かって容赦なく右太ももに矢を放つ。
狂いなく当たった矢はラルクの太ももを貫通。
急な痛みに走り続けることができずにそのまま地面に転がった。
「痛えぇぇっ! おい、まじかよ!! くそっ! お前らも見てないで助けろよぉ!! 」
いままでこんなにダメージを受けたことはなかったんだろう。
両手で太ももを抑えながら初めて感じるだろう強烈な痛みと自分の太ももを貫通した矢から流れる血に混乱している。
決闘という事を忘れたのだろうか、客席から見ていた観客に向かって助けろと言った姿は先ほどまでの威勢がなく弱弱しい。
そんな姿に周りで見ていた他の冒険者たちも戸惑っている様子だった。
周りから見たら分かりづらいだろうが、私はいま相当頭にきている。
あの白銀狼との戦闘で自分から流れる血と痛みを感じた時に一気にこの世界が現実と認識した。
それから周りにいる人達が私と同じ人間ということも。
自分は特別だと見下して、その人達を軽く扱うこいつが例え偽善と言われてもどうしようもなく許せなかった。
鑑定でラルクのHPを確認すると残り5分の2程度。
意外とダメージ受けてるな。
まぁ、ウライルの防具もメンテナンスしていないみたいだし、そんなに距離もなかったからこんなもんか。
時間もあと2分弱残っている。
「たかがNPCとか言ってたよな? 」
私の問いかけに対して恐怖を感じて怯えているのか、ピクリとも動こうとしない。
下手に騒いだり動くとやられるとでも思っているんだろう。
自分の安否のことに対してはかなり利口な奴だ。
「例えNPCでも生きてるんだ。お前と同じように痛みは感じるし、傷つくこともある。……今後また同じことをしてみろ? もう生きる気もしないくらいの思いをさせてやるからな」
弓を構えたまま、目の前に立ってラルクを見下ろす。
自分で思ったよりも低い声が出て、自分ではないような感じがする。
先程まで騒がしかった観客たちですらシーンと静まり返っていた。
ラルクは怯えすぎて声も出ないのか私を見上げてガクガクと全身が震えたまま、必死に首を縦に振っている。
ふっと意識して柔らかい笑みを浮かべると場の空気が少し和み、ラルクも一瞬ホッとしたのが分かった。
「じゃあ、一度死んで詫びろ」
「ひぃっ! 」
「うわっ! 」「お、おい、」
瞬間、構えていた矢を放った。
見ていた周りからも悲鳴があがる。
放った矢はラルクの顔の横で地面に突き刺さり、余韻で震えていた。
周りもこれ以上ないくらい静まり返っている。
ラルクはすでに気絶しており、股間あたりが湿っている。
……汚い。漏らしてるし。
「……うるさい奴だな」
ゴブリン討伐のクエストから3日経ってギルド酒場に来ると入り口で腕を組んで壁に凭れ掛かるラルクがいた。
一々かっこつけてるけど気持ち悪いなこいつ。
ギルド酒場には噂を聞きつけて高レベルのファイターに喧嘩を売ったハンターの決闘を見ようといつもより多くの人が集まっていた。
「おい、あれが噂のハンターか? 」
「なんかあんまり強くなさそうだぞ」
「本当にやる気か? いくら何でも無茶だろ」
「未成年をゴブリンの前に置き去りにしたとかなんとか言ってたよな」
「てか、むしろ置き去りにしたのあいつだったりして」
「確かに! Lv.53もあるファイターがゴブリン相手に未成年を置き去りにするわけないよな」
はははっと周りからは勝手な野次が飛んでいる。
それくらいハンターの職業的地位は低いのがわかる。
「あれ~? やっぱりメグルさんだ~! 」
「えっ!? まじか! 」
「メグルさーん!! 」
「ちょっと、静かにしなよ」
入り口の方から聞き覚えのある声が聞こえると思ったらペル達パーティーが揃っていた。
騒めく周りを無視してペル達が私に近寄ってくる。
「高レベルのファイターにハンターが喧嘩売ったって噂で聞きましたけど、まさかメグルさんだったとは……」
「でも、未成年を見捨てたハンターっていうのがメグルさんなら噂は嘘ですね! 」
「……そんな感じの噂になってるんだ。実際、見捨てたのはあいつだけど。……皆はまだこの街に滞在していたんだね」
「濡れ衣ですか!? メグルさんなら絶対そんな事しません!! 」
「はい。まだあと2、3か月くらいは滞在する予定です。まだまだ次の街へ行くには俺たちでは経験不足ですから」
「メグルさんからも言ってくださいよー! ルーイの奴まだまだダメだって聞かないんです! 」
「マイクはいつもそうだろう! 無茶ばっかりして! 」
前に会った時とか全然変わってないな。
突っ走ろうとするマイクに堅実なルーイが言い返して喧嘩になる。
けど、今も上手くいってるって事はこれが通常運転なんだろう。
「なあ、喧嘩売っといて無視? てか1人じゃ無理だから仲間呼んだとか? 」
……あぁ。
なるべく視界に入れたくなくてすっかり忘れてた。
折角癒されてたのにぶち壊すような挑発かけてきやがって。
さっきまでにこにこしてたペルもめっちゃ睨んでるし。
「はぁ…。さっさと終わらせよう」
「何カッコつけちゃってんの? 後悔すんなよ~」
段々とこいつとやりとりするのも面倒になってきた。
さっさとギルドの闘技場に移動することにしよう。
いつもは訓練にも使われているギルド闘技場。
ゲームとは違ってこの世界では決闘は滅多な事では行われない。
なんせ命を賭けるやりとりだから、それに相応しい理由があるのが普通だ。
まあ、あんな挑発で簡単に決闘を受ける辺り、コイツは決闘の重大さなんて分かっていないと思うけど。
「で、ルールはー? 」
「制限時間5分で相手を倒すまでがルールだ。途中で参ったといっても関係ない」
5分間で相手のHPをより減らした方の勝ち。このルールはゲームの時と同じだ。
時間が残っていてもHPが0になると負け=死ということになる。そうなると容赦なく教会送りだな。
例え相手が途中で降参しても試合の中止はしない。
決闘と言われているが所謂PvPってやつでゲームの時は何度か力試しでやったことがある。
……もちろん、現実で人間を相手にするのは初めてだ。
モンスターですら初めて戦闘した時には何とも言えない気分の悪さを感じた。
それが人となると私も覚悟を決めないといけない。
……こいつだけは痛い目みないと分からないだろう。
「へえー。じゃあ、あんたが泣いて叫んでも俺にやられ続けるってことね」
「……そうだな」
ケラケラと笑うラルクに嫌悪感しか抱けない。
自分以外はただのモブで、自分は特別な存在とでも思っているんだろう。
「始めちゃっていいの? 」
「ああ」
「じゃ、行くぜぇー!! 」
双方の同意が取れた瞬間に闘技場内にあったタイマーのカウントがスタートする。
やつは背負っていた大剣を取り出した。
たぶん、武器屋で買ったばかりなんだろう。
刀身は闘技場内の光を反射していた。
「武器屋で調達したAtk+47の鋼の両手剣だぜー! その辺の奴には簡単に買えないだろうな!! 」
そう言いながら自慢げに観客に見せつけるように片手で剣を高々と掲げる。
鋼の大剣はこの街で買える一番高い両手剣だが、世界で見るとそれほどいい剣ではない。
しかしこの街にいる冒険者たちにはなかなか手が出せない値段と性能のせいか周りからはざわめきが起こった。
一通り見せびらかして満足したのか、こちらに向き直り剣を構えてみせる。
「ははっ!ビビっちまったかー? それじゃ、いっちょやってやるかー〔キイィィンーッ〕っ!? 」
「…え?」
「……おい、今何が起こったんだ? 」
構えた剣を早撃ちスキルで弾き飛ばした。
思ったよりも衝撃を受けたようでラルクが前に踏み出した足も1歩後退している。
「いや、あのハンターが弓を構えたら、剣がはじき飛んで…」
「馬鹿! そんな訳ないだろ! 弓の威力であの両手剣が吹き飛ぶかよ!! 」
あくまで補助職、攻撃力が低くて後ろからちまちま矢を撃って状態異常のバフをかける。
そんなイメージを持たれている弓職が力自慢のファイターの剣を目にも止まらない速さで弾き飛ばしたのが周りも信じられなかったんだろう。
「あ、あっちゃー、俺としたことが失敗! 剣を握り損ねたよ! うしっ次は〔ガッキィィィーン〕!!?? 」
訳も分からないまま、減らず口を叩いて再度剣を構えなおす。
追い打ちをかけるようにもう一度剣を弾き飛ばしてやった。
今度は早撃ちではなかったから弓を引く瞬間は確認できただろう?
「おいおい、2度も握り損ねたのか? とんだ間抜けだな」
「っくそ!! お前なんかに剣を使う必要なんてねーよ! っうぐ、あぁぁッ!! 」
はっ、と笑い捨てるとかなりお怒りになったらしい奴は拳を構えてこちらに走ってきた。
気にせずラルクに向かって容赦なく右太ももに矢を放つ。
狂いなく当たった矢はラルクの太ももを貫通。
急な痛みに走り続けることができずにそのまま地面に転がった。
「痛えぇぇっ! おい、まじかよ!! くそっ! お前らも見てないで助けろよぉ!! 」
いままでこんなにダメージを受けたことはなかったんだろう。
両手で太ももを抑えながら初めて感じるだろう強烈な痛みと自分の太ももを貫通した矢から流れる血に混乱している。
決闘という事を忘れたのだろうか、客席から見ていた観客に向かって助けろと言った姿は先ほどまでの威勢がなく弱弱しい。
そんな姿に周りで見ていた他の冒険者たちも戸惑っている様子だった。
周りから見たら分かりづらいだろうが、私はいま相当頭にきている。
あの白銀狼との戦闘で自分から流れる血と痛みを感じた時に一気にこの世界が現実と認識した。
それから周りにいる人達が私と同じ人間ということも。
自分は特別だと見下して、その人達を軽く扱うこいつが例え偽善と言われてもどうしようもなく許せなかった。
鑑定でラルクのHPを確認すると残り5分の2程度。
意外とダメージ受けてるな。
まぁ、ウライルの防具もメンテナンスしていないみたいだし、そんなに距離もなかったからこんなもんか。
時間もあと2分弱残っている。
「たかがNPCとか言ってたよな? 」
私の問いかけに対して恐怖を感じて怯えているのか、ピクリとも動こうとしない。
下手に騒いだり動くとやられるとでも思っているんだろう。
自分の安否のことに対してはかなり利口な奴だ。
「例えNPCでも生きてるんだ。お前と同じように痛みは感じるし、傷つくこともある。……今後また同じことをしてみろ? もう生きる気もしないくらいの思いをさせてやるからな」
弓を構えたまま、目の前に立ってラルクを見下ろす。
自分で思ったよりも低い声が出て、自分ではないような感じがする。
先程まで騒がしかった観客たちですらシーンと静まり返っていた。
ラルクは怯えすぎて声も出ないのか私を見上げてガクガクと全身が震えたまま、必死に首を縦に振っている。
ふっと意識して柔らかい笑みを浮かべると場の空気が少し和み、ラルクも一瞬ホッとしたのが分かった。
「じゃあ、一度死んで詫びろ」
「ひぃっ! 」
「うわっ! 」「お、おい、」
瞬間、構えていた矢を放った。
見ていた周りからも悲鳴があがる。
放った矢はラルクの顔の横で地面に突き刺さり、余韻で震えていた。
周りもこれ以上ないくらい静まり返っている。
ラルクはすでに気絶しており、股間あたりが湿っている。
……汚い。漏らしてるし。
9
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
喪女だった私が異世界転生した途端に地味枠を脱却して逆転恋愛
タマ マコト
ファンタジー
喪女として誰にも選ばれない人生を終えた佐倉真凛は、異世界の伯爵家三女リーナとして転生する。
しかしそこでも彼女は、美しい姉妹に埋もれた「地味枠」の令嬢だった。
前世の経験から派手さを捨て、魔法地雷や罠といったトラップ魔法を選んだリーナは、目立たず確実に力を磨いていく。
魔法学園で騎士カイにその才能を見抜かれたことで、彼女の止まっていた人生は静かに動き出す。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「クビにされた俺、幸運スキルでスローライフ満喫中」
チャチャ
ファンタジー
突然、蒼牙の刃から追放された冒険者・ハルト。
だが、彼にはS級スキル【幸運】があった――。
魔物がレアアイテムを落とすのも、偶然宝箱が見つかるのも、すべて彼のスキルのおかげ。
だが、仲間は誰一人そのことに気づかず、無能呼ばわりしていた。
追放されたハルトは、肩の荷が下りたとばかりに、自分のためだけの旅を始める。
訪れる村で出会う人々。偶然拾う伝説級の装備。
そして助けた少女は、実は王国の姫!?
「もう面倒ごとはごめんだ」
そう思っていたハルトだったが、幸運のスキルが運命を引き寄せていく――。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる