上 下
1 / 1

2月14日

しおりを挟む
今日は、魔法で作ったチョコを大切な人に渡す日なんだと友達から教わった。初耳だと言ったら友達は一週間前に教えたと言ってきた。一週間前なら忘れるはずないけど一つ心当たりがある。忘却の魔法にかかる魔法の実を食べたのかもしれない。そんなのを作ったような気がする。魔法の実は食べれば魔法を使えるようになり、酸っぱかったり、甘かったり、ときにしょっぱかったりする不思議なフルーツのことだ。これに出会ってから僕の人生は激変した。毎日毎日、今でも飽きることなく魔法の実を作っては味見して研究をしている。そう考えると僕はチョコじゃなくて魔法を作っているってことになるのか。自分で言うのもあれだけどなかなか面白い。ということで、今日はその友達にチョコをたくさん食べれる魔法の実を作ってあげることにした。まずはチョコを出す魔法の種を作って、土に植えたら水をやる。この作業を時間高速化魔法で自分と身の回りの時間の速度を一気にあげる。これで1時間後には実は完成。ただ、完成した実を食べて魔法を使ってみたら液体のチョコがとめどなく溢れてきて、止めようとしてもなかなか止まらなくて大変だった。もう少しで水魔法の大津波タイダルウェイブみたいになるところだった。もう一回仕切り直して今度は固形のチョコが出るようにして、量も調節できるようにした。時間はかかったけど美味しくできたし、まだお昼どきだったから友達にも渡せるはずだったけど間に合わなかった。その友達は、どうやら僕の魔法でできていたみたいだ。だから、もう効果が切れたのかいなくなってた。どうやら僕は友達を作ったことも魔法で忘れていたらしい。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...