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膨れ上がる恐怖
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茉莉が戻ってきても美尋は、トイレで吐いていたのではという、疑惑を払拭することができず、しかも、本人にきく勇気などない。
そういえば……
駅でお弁当を捨てちゃうくらいだもんね。
それと同じことかもしれないけど。
でも、もし吐いていたとして、最初からそうするつもりで、あたしを誘ったのかな。
そんなの、ちょっとイヤだ。
茉莉さん、何考えてるんだろ。
わからないことだらけで、なんか、疲れちゃうよ。
疑惑を打ち消したい気持ちも働いたが、打ち消すことはできず、どす黒いもので胸がふさがれていくようで、食欲も完全になくなった。
しかし、そんな美尋の姿に、今度は茉莉が苛立ちを覚え始める。
「美尋さん、もうお腹いっぱいですか」
「え? うん、まぁ……
これで、ごちそうさまって感じかな」
どうして?
デザートをあとで食べるって、さっきは言っていたのに。
トイレで吐いたことで、一瞬すっきりとはしたものの、その罪悪感と、これでは浮腫みもとれないのではという不安、そこに、美尋があまり食べないことへの不満が加わって、茉莉は頭がごちゃごちゃしてきた。
しかも……
あれ?
どうしてだろ、また何か食べたくなってきた。
ダメだよ、そんなの、もう食べちゃダメ。
このままでは大変なことになると感じた茉莉は、
「私も、すっかり満足しました。
今日はおつきあいしていただいて、ありがとうございます。
おかげで楽しくお食事できました」
気持ちとは裏腹な言葉で、自分の食欲も強引に抑え込み、悪夢のような時間をなんとか終わらせることができたが……
美尋との食事が思い通りにいかなかったせいか、店を出てからも、ひとりになってからも、何かに押し潰されそうな、そんな恐怖が消えてくれない。
ふと、愕然とした。
その何かが自分の外からではなく、自分の内なるところから膨れ上がってきたもののように思えて。
そうだ、おかしいのは私。
悪いのは全部、私なんだわ。
※「讃美歌②葛藤の章」完
「讃美歌③逢瀬の章」へと続きます
そういえば……
駅でお弁当を捨てちゃうくらいだもんね。
それと同じことかもしれないけど。
でも、もし吐いていたとして、最初からそうするつもりで、あたしを誘ったのかな。
そんなの、ちょっとイヤだ。
茉莉さん、何考えてるんだろ。
わからないことだらけで、なんか、疲れちゃうよ。
疑惑を打ち消したい気持ちも働いたが、打ち消すことはできず、どす黒いもので胸がふさがれていくようで、食欲も完全になくなった。
しかし、そんな美尋の姿に、今度は茉莉が苛立ちを覚え始める。
「美尋さん、もうお腹いっぱいですか」
「え? うん、まぁ……
これで、ごちそうさまって感じかな」
どうして?
デザートをあとで食べるって、さっきは言っていたのに。
トイレで吐いたことで、一瞬すっきりとはしたものの、その罪悪感と、これでは浮腫みもとれないのではという不安、そこに、美尋があまり食べないことへの不満が加わって、茉莉は頭がごちゃごちゃしてきた。
しかも……
あれ?
どうしてだろ、また何か食べたくなってきた。
ダメだよ、そんなの、もう食べちゃダメ。
このままでは大変なことになると感じた茉莉は、
「私も、すっかり満足しました。
今日はおつきあいしていただいて、ありがとうございます。
おかげで楽しくお食事できました」
気持ちとは裏腹な言葉で、自分の食欲も強引に抑え込み、悪夢のような時間をなんとか終わらせることができたが……
美尋との食事が思い通りにいかなかったせいか、店を出てからも、ひとりになってからも、何かに押し潰されそうな、そんな恐怖が消えてくれない。
ふと、愕然とした。
その何かが自分の外からではなく、自分の内なるところから膨れ上がってきたもののように思えて。
そうだ、おかしいのは私。
悪いのは全部、私なんだわ。
※「讃美歌②葛藤の章」完
「讃美歌③逢瀬の章」へと続きます
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