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矛盾に満ちた独立宣言、私は痩せてない、虚飾症と過飾症。
しおりを挟む14年前の6月に書いたもの。
スポーツ紙のコラムについての感想記事だ。
●拒食症~矛盾に満ちた独立宣言
部屋の片付けをしてたら、数年前のスポーツ紙の切り抜きが見つかり、拒食症についてのものだった。
「思春期外来は今」と題された連載の一部で、医療ジャーナリストの月崎時央という人がまとめている。
そのうち「拒食症①」という回には、斉藤万比古という精神科医のこんな言葉が。
「親からの自立を目前にして、良い子を続けられなくなった少女の矛盾に満ちた独立宣言です。実は拒食症の少女は、これ以上自立できないという声なき悲鳴を上げているのです」
これをうけ、記事はこう続く。
・・・現実には経済的な自立も自炊もできない思春期の子が「食べ物をもらうために、もう親の支配は受けたくない」と言ったとき、それは「本当に自立できるまで、支配と交換ではなく無条件に食べさせて」という意味なのだ。
だが、親がこの少女の戸惑いに気付かず、相変わらず自慢の良い子として順調な面しか見ていないと知ったとき、少女は「食べない」という表現方法で抵抗することがある。・・・
そして、なぜ「矛盾に満ちた独立宣言」なのか、といえば、その結果、衰弱してむしろ親に依存するしかなくなるからだ、と説明。
さらに、斉藤医師のこうした言葉を紹介して、記事は締めくくられる。
「その依存こそが実は少女の皮肉な希望だったのです。特に、母親に好かれるいい子を無理して演じてきた子が危ない。愛してほしいなら、食べさせてほしいなら、親の言う通りのいい子になれという親の態度は、子どもの自立を妨げる結果となりやすく非常に危険です」
先日放送された「私の何がイケないの?」で、鈴木明子のケースがとりあげられていたが、これと似た指摘がされていた。
それだけが原因ではないはず、とはいえ、やはり、親との関係性は大きいのだろう、と感じる。
●「私はそんなにやせてません」
スポーツ紙の連載コラム「思春期外来は今」(月崎時央)。
「拒食症②」には、心療内科に来院した患者として、中3の女の子が登場する。
「少しはやせているかもしれないけど、私はそんなにやせてません」
と言う彼女は、158センチ29キロ。
それでも「ダイエットはやめない」と言い張り「とにかくダイエットがいけないんです」と嘆く母親との対立図式が紹介されるわけだけど。
帆秋善生という精神科医が「摂食障害は思春期に発生することが多い」として、そのメカニズムを解説する。
・・・この時期は月経の始まり、体形の変化、美ぼうへの関心の高まり、異性への関心、さらに進学や就職もあり、自立という難しい課題と直面します。
やせてきれいになり、劣等感を克服しようと考えたり、逆に大人の女性になることを拒否する場合もあります。・・・
また、スポーツ紙の読者層を意識して、娘を持つ父親に、こんなアドバイスも。
・・・日ごろから娘にかわいい、すてきだねといった肯定的な言葉をさりげなくかけることです。
女の子にとって最初に出会う身近な異性である父親が、成長する娘の姿を温かく見守り援助する態度を示すことは、自立への自信を育て、心の病気の予防にも役立ちます。・・・
日本の場合、男性が女性をほめることをためらう傾向が強いから、父親が娘を「さりげなく」ほめるのも、案外難しいかもしれない。
逆に、第二次性徴を迎えた娘を冗談で茶化すこともあるだろうし、それが摂食障害の引き金になることも珍しくないと聞く。
(この連載コラムからの引用記事、あと1回くらい書けそうです)
●虚飾症と過飾症
スポーツ紙のコラム「思春期外来は今」(月崎時央)の第4~5回は、サブタイトルが「摂食障害」で、過食症状にも言及。
その終盤において、前出の精神科医・帆秋善生がこんな発言をしている。
・・・摂食障害には、食べ物を拒否する拒食症状とむちゃ食いをする過食症状がありますが、僕はこれは心の「虚飾症」であり「過飾症」であると思います。
やせることで偽りの自信を得ようとしたり、過食により心の空腹感を満たすことで人格が歪み、理性的な行動ができなくなってしまうのです。・・・
「拒食」=「虚飾」だとする見方には出会ったことがあるが「過食」を「過飾」に言い換えるのは、初めて見たかも。
まぁ、人はみな、自分を飾りながら生きてるわけで、だからこそ「ありのまま」というフレーズがウケたりもするのだろう。
ただ、その一方で、痩せ姫には、自分に嘘をつきたくない気持ちも強く感じられる。
そこから生じる、思うにまかせないどころか、引き裂かれたような感覚がよけいにつらいのかな、とも。
あと「理性的な行動」云々については、理性的であろうとしすぎるあまり、かえって混乱をきたしやすい、という側面も大きいような気がする。
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