拒食、大食い、過活動、生きているのが不思議な細さ。痩せ姫の「神話」を考証する

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「死にたい」を「痩せたい」に変換する、独特の習性

2017年11月に書いた記事。


●習性の自覚

習性の自覚というのは、昨夜「英雄たちの選択」で磯田道史が言っていたことなのだけど。
それをツイッターでつぶやいたあと、ある人の指摘で、人間は他の動物の習性には関心が高いが、自分たちの習性にはそうでもない、ということに気づかされた。
さらにいえば、人それぞれに習性は存在し、多数派を占める習性もあれば、その逆もある。
人は群れる生き物だから、似た習性の人がまとまりやすく、似た習性が少ない人は肩身が狭い、というのも現実だ。
そして、痩せ姫はまさに、世間からすれば、独特の習性を持つ少数派のように映るだろう。
その習性を独特な印象のまま、理解してもらうのがよいのか、独特に見えてじつはあなたのそれとも似ているのだと伝えるのがよいのか、というのも、難しいテーマだな。

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そして、その前日、まさにそんな「独特の習性」のひとつについて、こんなことを書いていた。


●「死にたい」と「痩せたい」のあいだ

10日くらい前にツイッターで見つけ、ＲＴもさせてもらったツイート。

・・・痩せ姫になることが生きる活力になるのではないかと思っています。痩せ＝死だなんて言わないで。逆に、なんとかして生きようとしてるんです。踏ん張ってるんです。ずっと「死にたい」ばっかり行ってた私が、「痩せたい」って言えるようになったこと。新たな道を教えてくれた痩せ姫達に感謝。私は生きてます。・・・

痩せを追うことで、死から逃れる。
そんなスタンスの痩せ姫（予備軍含む）も少なくないのだろう。
また、ある相互フォロワーさんはこんなツイートを。

・・・今回の事件で Twitterで「死にたい」の呟きや自傷が規制され通報、相談窓口の案内がなされるように改定され 死ぬ気で必死に生きている方達の息抜きの場所が消えてしまう (この関連の言葉に隠語が作られるまでの事だけでしょうけど) 弱音を吐けないなら私は痩せたいの隠語に全てを乗せる・・・

生きづらさをめぐる葛藤のなかで、痩せることにはいろいろな意味や効果がある。
痩せについての専門的な学問（特に精神との関係を探る研究）って、これからもっと盛んになるかもしれない。

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今回の事件、というのが何だったかは忘れたが「死にたい」の隠語に「痩せたい」を使う、というのは有効な発想だと思う。
実際「痩せたい」は「死にたい」より、理解されやすい習性。
問題は、痩せ姫の場合、そこに「死に近い場所」で生きる心地よさみたいなものが作用していたりすることで、それはさすがに理解されにくいのだけど。
それでもなお、痩せを追うことで死から逃れ、生きる理由を見つけるまでの時間稼ぎができるなら、必ずしもネガティブなやり方ではない。