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1章ラギルダンジョン編
記憶
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結構ルアは泣いていたが、今は涙が引いている。目は真っ赤だけど。
「それにしても最後の方の魔法すごいね!?氷魔法使ってたでしょ?あれって水と風の複合魔法で使えるのに!どうしてタイチ使えたの?」
「あぁ、あれは空気中の水蒸気を凍らせた。それをベクトルを操って敵にぶつけた。」
「へぇ~。難しそうだね。結構繊細に魔力扱わないとできないでしょ?そんなこと。」
まぁ、そうだろうな。あれをするのにめっちゃ集中した。過去最高に集中していたと思う。
「魔力操作の修行をやってたおかげだな。」
「頑張ったね!」
めっちゃ可愛い。それを言われたら何回でも再現できそうだわ。めっちゃ頑張れるわ。
「それなら最後のあれはどうしたの?」
「あれはもっと簡単。ゲートを使った。」
簡単すぎる説明だけど、ルアにはしっかりと伝わっていた。実際に見てたからすぐ理解できたんだろう。
「へぇ~。よく思いついたね?そんなゲートの使い方。」
「あれは、ルアの魔法を真似してみた。」
そう。あれを思いついたのはルアの反属性を、見てきたからだ。そこからインスピレーションをもらった。
「うぅ。嬉しいし、あれで勝てたから文句はないけど、私のアイデンティティが~!」
そうは言うが、状態異常系の魔法ははね返せないし、威力も2倍にはならない。それに魔力もかなり使う。ルアの反魔法に比べたら3歩ぐらい劣る。
それを説明してもずっと「どうしよう~」って涙目だった。今度一緒に反魔法の別の使い方を考えてあげよう。
しかし、ここで本来の目的を思い出す。
「出口どこだ?」
そうこのラギルダンジョンからの脱出である。そのためにドラゴンとも戦ったのだ。
周りを見渡すと戦う時にはなかったあるものを見つけた。それは、
「魔法陣…」
そう、いつかの魔物を倒す時にルアが使ってた魔法陣だった。しかも2つ。ひとつは赤色。もうひとつは青色だった。
「どっちだろう…?」
ルアがどっちの魔法陣が正解か見極めようとしている。
「青は多分どこかにワープする。赤は分からん。」
「えっ?なんでわかるの?!」
「空間が歪んでるんだ。その青の魔法陣。」
そう。ルアの場所に行く時に空間が歪んでいたのと同じように、あの魔法陣の空間も歪んでいた。だから、こっちが転移する系のやつだとわかった。
「そうなんだ。どっちにする?タイチが決めてよ」
赤…色は、なんの魔法が発動するのか全く予想がつかない。もしかすると、地獄の業火とか出てくるかもな。だけど…
「赤だ。」
ここまで来てさすがに罠はないと思う。絶対にないとは言いきれないけど。なんとなくない気がする。
「…それじゃあ行くよ…。」
緊張しているのか、重たい言い方だな。
「ちょっと待ってくれ。その前にやることがある。」
「やること?何するの?」
俺は自分の胸に手を当ててある魔法を使う。
「時間戻し」
その瞬間に俺の傷がまるで戦う前のように無くなったのだ。
「な…な…なにそれ!?」
「え?」
何か問題でもあったのだろうか?
「なんで傷がなくなってるの??回復魔法使ってなかったよね?」
「これは、俺の傷を負った部分のみ時間を巻き戻した。戦う前のな。だから、傷は治ったんじゃなくて無くなったんだ。 」
「なるほど~!でも、なんで戦ってる時にそれをしなかったの?」
「この力は万能じゃない。治すのに結構時間がかかるし、魔力もかなり使う。この魔法を使っても魔力は戻らないからな。」
だから、この魔法を戦闘中に使うのは致命傷を負った時のみと決めている。それ以外は基本使わない。
「それよりルアの傷は大丈夫なのか?」
結構ルアにも傷があったと思うんだけど…
「私は回復魔法使えるから、もう治したよ!」
やっぱりいいよな。基本属性が、使えるのと使えないのとでは1と100ぐらいの差があるな。
「さて、そろそろやるか」
「うん!」
そう言って俺とルアは、同時に赤色の魔法陣を踏んだ。
「ウッ!」「うグッ!」
頭の中になにか流れてくる…!
だが、それは直ぐに終わった。
「はぁはぁ…。何だったんだ?」
10人の人間が…戦ってる記憶…?が流れてきた。その中の1人が小さな竜を連れてる。少しだけ今倒した竜に似てるな。
その中の1人、青髪の右が黒、左が青の目のオッドアイの男が俺に語り掛ける。
「見ているものが全て敵、味方とは限らない。気をつけろ」
これだけ言って終わった。クソっ。意味がわからん。
それでルアの方に聞こうと思ったら…
「ルア……?」
ルアはずっと立ち尽くして泣いていた。
「ど…どうした!?」
えっ…?あの魔法陣にどんな効果があるんだ!?ルアには俺と違うものを見たのか??
「うっ……ち、違うの……。私あの人知ってる……。あれ、勇者の…仲間…。私が覚えてない……記憶……。」
はぁ!?つまりあの10人は初代勇者とその仲間ってことか!?しかもルアのなくした記憶の一部なのかもしれないってことか。
とりあえずルアを落ち着かせるのが先だよな…。寄り添って慰めてやる。
「うぅ…。ありがとう…。」
「気にするな。それより色々教えてくれないか?思い出したことを。」
「うん…。」
やっぱりあれは勇者とその仲間の記憶らしい。その中の2人を思い出したんだと。
青髪の人、俺にも語りかけてきた人はユニーク、空間魔法を使っている。俺と似てるな。属性が。
もう1人は赤髪の女。そいつもユニークで、記憶魔法を使う。多分…というか間違いなくルアの記憶に関わってるな。この魔法陣作ったのもコイツだな。
それとルアも俺たちが倒したドラゴンは、記憶の中にいた小さな竜だと思うらしい。
「…魔石とるの?」
「いや、今回はしない。このドラゴンに敬意を示してこのまま供養する。」
「…うん。ありがとう。」
ルアも同じことを思っていたんだろうな。
ドラゴンに近づいて手を合わせて、目を閉じる。ルアもよくわかってなさそうだけど、俺と同じことをする。
1000年。このドラゴンは1000年もここにいたんだ。それが主の命令か、何かを守るためかは分からないが俺には真似出来ない。1000年ももう居ない主を覚えて、約束を守る。素晴らしいな。
向こうで主と再会を果たしていることを願う。
「…んっ?」
そこで目を開けて気づいた。このドラゴン何かを握っている。小さな宝箱……?
俺とルアはそれに気づいて近づき、それを開けてみる。その中にあったのは…
「……義眼??」
なんでこんなものをドラゴンが持っているんだ?まぁ、でも主の遺品なのかもな。
さて、何かわからないので…
「鑑定」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
物理眼・・・この眼で見た空間はベクトルで見える。魔眼の一種。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
まじか。空間魔法のためにあるような道具だな。しかもよく見たらこの義眼青色だ。これってあの青髪の左目?義眼だったのか。
この結果をルアに伝えた。
「へぇ~!すごい効果だね!」
感動していた。うん、これは古代の魔道具の中でもなかなかに強力なんだろう。遠慮なく貰うことにした。実際につけてみると凄い!!
この世界がベクトルで全てを捕えることが出来る!これはいいものを貰ったな!!必ず空間魔法のサポートになる。
「それじゃあ、そろそろ行こうか!」
供養もして、記憶とアイテムもゲットしたらここでやることは一切ない。ならば、魔法陣に乗ってワープする方がいいだろう。しかし、俺にはまだやりたいことがあった。
「待ってくれ、ルア」
「?どうしたの?タイチ」
俺は亜空間収納からあるものを取り出し、ルアに渡す。
「…指輪?」
そう、俺が渡したのはルアが寝ている間にこっそりと鉱石を加工して作った指輪だった。周りはアダマンタイトという硬い鉱石。中心にはヒヒイロカネという金色の鉱石が埋められている。
ヒヒイロカネを見た瞬間に、ルアを想像した。明るく、綺麗で目を奪われるような鉱石。ルアにピッタリだと思って作った。
作ったことも作る技術もなかったので、かなり苦労した。その中でも1番出来がいいものを渡すことにした。まだ素材は残っているので、いつか職人に作ってもらってちゃんと渡したいけど。
「あぁ。俺の世界では夫婦になって欲しい時に相手に指輪を送るんだ。俺はルアに支えられてきた。これからも支えて欲しい。俺はルアが好きだ。愛してる。この指輪を受けとってくれないか?」
人生初の告白だな。すごく緊張する。
「うん!もちろん!!嬉しいよ!でも、私指輪持ってない…。どうしよう?」
安心したわ。ドラゴンが死んだとわかった並に安心した。嬉しいより安心したが出てくるんだな。
「別に気にしなくて言いぞ。いくつか作ったからそれをつけるよ。同じ材料でできてるからお揃いで良いし。」
「なら、それを私にくれない?私もタイチに渡したい!」
ルアらしいな。と思ってしまう。
「いいぞ。ほら!」
そう言って俺はルアにもうひとつの指輪を渡す。
「私はタイチに助けられた。あの場所から私を連れて出してくれた。私はこれからもタイチについて行きたい。私はタイチが大好き!だから、この指輪を受け取って欲しい!」
「あぁ!もちろんだ!」
今まで見た笑顔の中でいちばん綺麗だった。
そうやって俺たちはお互いの左手の薬指に同じ指輪をつけた。こうして俺たちは夫婦になった。
「ここから外に出て何するの?」
そういえば話してなかったな。
「もう復讐はしない。それより、俺は強くなりたい。ルアを守れるように。そのためにこの力を手に入れたんだ。」
「私も強くなる!今回あまり活躍できなかったし。」
そんなこと無かったと思うけどな。ルアがいなかったら確実に敗北だったし。でも、そんなことは言わない。強くなろうとしているんだから、水を指す訳にはいかない。
「それと、ダンジョンを巡る。ルアの記憶があるなら巡っといて損はないだろ。あともうひとつは…なんでもない。」
「気になるから教えてよ~!」
「間違えただけだ。気にするな。それより、ほら行くぞ」
言えるわけないだろう。俺の寿命を伸ばして、お前より先に死にたくないなんて。恥ずかしすぎる。
明らかに天使族の寿命は人間より長い。実際に聞くと最高で500年は生きることができるんだと。でも、ルアはいつ鎖に巻かれたか分からないが、俺より長いのは間違いないだろう。
俺が老いて、ルアを残すなんて嫌だ。絶対に。だから時間魔法でその方法を探す。その後に元の世界に帰る方法を探す。
ルアが何か言っているが、無視して俺とルアは青色の魔法陣に乗った。
それにしてもあいつの言葉、
「見ているものが全て敵、味方とは限らない。気をつけろ」
どういう意味だ?まぁいい。別に関係ない。
俺は俺の気に入らないものを、俺に襲いかかる理不尽をぶっ潰すだけだ。
ラギルダンジョン攻略
現在の司馬太一のステータスとルアのステータス
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司馬太一
年齢 17歳
性別 男
レベル 138
職業 無
属性 時空
筋力 15680
魔法耐性 14300
物理耐性 13990
敏捷 20000
魔力 ???/???
体力 25880/25880
スキル
言語理解 鑑定 時空属性適正上昇 物理耐性上昇 全属性耐性上昇 物理攻撃上昇 限界突破 魔力操作 無詠唱 縮地
縮地・・・蜘蛛とドラゴンから逃げ回ったことで獲得。強靱な脚力で目にも止まらぬ程のスピードで高速移動することが出来る。
空間操作・・・自分の周囲50メートル以内のベクトル操作
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ルア
年齢 1075
性別 女
レベル 129
職業 熾天使
属性 反
筋力 12560
魔法耐性 10500
物理耐性 16500
敏捷 19800
魔力 ???/???
体力 25780/25780
スキル
全属性適正上昇 全属性耐性上昇 物理耐性上昇 物理威力上昇
魔力回復量上昇 魔力操作 無詠唱 複合魔法
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後書き
ルアの年齢が1675歳から1075歳に変更致しました。600歳も若返りましたよ。
1章はこれで終わりです。次から2章に入ります。
「君を好きになるなん絶対にありえない!」もよろしくお願いします!
「それにしても最後の方の魔法すごいね!?氷魔法使ってたでしょ?あれって水と風の複合魔法で使えるのに!どうしてタイチ使えたの?」
「あぁ、あれは空気中の水蒸気を凍らせた。それをベクトルを操って敵にぶつけた。」
「へぇ~。難しそうだね。結構繊細に魔力扱わないとできないでしょ?そんなこと。」
まぁ、そうだろうな。あれをするのにめっちゃ集中した。過去最高に集中していたと思う。
「魔力操作の修行をやってたおかげだな。」
「頑張ったね!」
めっちゃ可愛い。それを言われたら何回でも再現できそうだわ。めっちゃ頑張れるわ。
「それなら最後のあれはどうしたの?」
「あれはもっと簡単。ゲートを使った。」
簡単すぎる説明だけど、ルアにはしっかりと伝わっていた。実際に見てたからすぐ理解できたんだろう。
「へぇ~。よく思いついたね?そんなゲートの使い方。」
「あれは、ルアの魔法を真似してみた。」
そう。あれを思いついたのはルアの反属性を、見てきたからだ。そこからインスピレーションをもらった。
「うぅ。嬉しいし、あれで勝てたから文句はないけど、私のアイデンティティが~!」
そうは言うが、状態異常系の魔法ははね返せないし、威力も2倍にはならない。それに魔力もかなり使う。ルアの反魔法に比べたら3歩ぐらい劣る。
それを説明してもずっと「どうしよう~」って涙目だった。今度一緒に反魔法の別の使い方を考えてあげよう。
しかし、ここで本来の目的を思い出す。
「出口どこだ?」
そうこのラギルダンジョンからの脱出である。そのためにドラゴンとも戦ったのだ。
周りを見渡すと戦う時にはなかったあるものを見つけた。それは、
「魔法陣…」
そう、いつかの魔物を倒す時にルアが使ってた魔法陣だった。しかも2つ。ひとつは赤色。もうひとつは青色だった。
「どっちだろう…?」
ルアがどっちの魔法陣が正解か見極めようとしている。
「青は多分どこかにワープする。赤は分からん。」
「えっ?なんでわかるの?!」
「空間が歪んでるんだ。その青の魔法陣。」
そう。ルアの場所に行く時に空間が歪んでいたのと同じように、あの魔法陣の空間も歪んでいた。だから、こっちが転移する系のやつだとわかった。
「そうなんだ。どっちにする?タイチが決めてよ」
赤…色は、なんの魔法が発動するのか全く予想がつかない。もしかすると、地獄の業火とか出てくるかもな。だけど…
「赤だ。」
ここまで来てさすがに罠はないと思う。絶対にないとは言いきれないけど。なんとなくない気がする。
「…それじゃあ行くよ…。」
緊張しているのか、重たい言い方だな。
「ちょっと待ってくれ。その前にやることがある。」
「やること?何するの?」
俺は自分の胸に手を当ててある魔法を使う。
「時間戻し」
その瞬間に俺の傷がまるで戦う前のように無くなったのだ。
「な…な…なにそれ!?」
「え?」
何か問題でもあったのだろうか?
「なんで傷がなくなってるの??回復魔法使ってなかったよね?」
「これは、俺の傷を負った部分のみ時間を巻き戻した。戦う前のな。だから、傷は治ったんじゃなくて無くなったんだ。 」
「なるほど~!でも、なんで戦ってる時にそれをしなかったの?」
「この力は万能じゃない。治すのに結構時間がかかるし、魔力もかなり使う。この魔法を使っても魔力は戻らないからな。」
だから、この魔法を戦闘中に使うのは致命傷を負った時のみと決めている。それ以外は基本使わない。
「それよりルアの傷は大丈夫なのか?」
結構ルアにも傷があったと思うんだけど…
「私は回復魔法使えるから、もう治したよ!」
やっぱりいいよな。基本属性が、使えるのと使えないのとでは1と100ぐらいの差があるな。
「さて、そろそろやるか」
「うん!」
そう言って俺とルアは、同時に赤色の魔法陣を踏んだ。
「ウッ!」「うグッ!」
頭の中になにか流れてくる…!
だが、それは直ぐに終わった。
「はぁはぁ…。何だったんだ?」
10人の人間が…戦ってる記憶…?が流れてきた。その中の1人が小さな竜を連れてる。少しだけ今倒した竜に似てるな。
その中の1人、青髪の右が黒、左が青の目のオッドアイの男が俺に語り掛ける。
「見ているものが全て敵、味方とは限らない。気をつけろ」
これだけ言って終わった。クソっ。意味がわからん。
それでルアの方に聞こうと思ったら…
「ルア……?」
ルアはずっと立ち尽くして泣いていた。
「ど…どうした!?」
えっ…?あの魔法陣にどんな効果があるんだ!?ルアには俺と違うものを見たのか??
「うっ……ち、違うの……。私あの人知ってる……。あれ、勇者の…仲間…。私が覚えてない……記憶……。」
はぁ!?つまりあの10人は初代勇者とその仲間ってことか!?しかもルアのなくした記憶の一部なのかもしれないってことか。
とりあえずルアを落ち着かせるのが先だよな…。寄り添って慰めてやる。
「うぅ…。ありがとう…。」
「気にするな。それより色々教えてくれないか?思い出したことを。」
「うん…。」
やっぱりあれは勇者とその仲間の記憶らしい。その中の2人を思い出したんだと。
青髪の人、俺にも語りかけてきた人はユニーク、空間魔法を使っている。俺と似てるな。属性が。
もう1人は赤髪の女。そいつもユニークで、記憶魔法を使う。多分…というか間違いなくルアの記憶に関わってるな。この魔法陣作ったのもコイツだな。
それとルアも俺たちが倒したドラゴンは、記憶の中にいた小さな竜だと思うらしい。
「…魔石とるの?」
「いや、今回はしない。このドラゴンに敬意を示してこのまま供養する。」
「…うん。ありがとう。」
ルアも同じことを思っていたんだろうな。
ドラゴンに近づいて手を合わせて、目を閉じる。ルアもよくわかってなさそうだけど、俺と同じことをする。
1000年。このドラゴンは1000年もここにいたんだ。それが主の命令か、何かを守るためかは分からないが俺には真似出来ない。1000年ももう居ない主を覚えて、約束を守る。素晴らしいな。
向こうで主と再会を果たしていることを願う。
「…んっ?」
そこで目を開けて気づいた。このドラゴン何かを握っている。小さな宝箱……?
俺とルアはそれに気づいて近づき、それを開けてみる。その中にあったのは…
「……義眼??」
なんでこんなものをドラゴンが持っているんだ?まぁ、でも主の遺品なのかもな。
さて、何かわからないので…
「鑑定」
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物理眼・・・この眼で見た空間はベクトルで見える。魔眼の一種。
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まじか。空間魔法のためにあるような道具だな。しかもよく見たらこの義眼青色だ。これってあの青髪の左目?義眼だったのか。
この結果をルアに伝えた。
「へぇ~!すごい効果だね!」
感動していた。うん、これは古代の魔道具の中でもなかなかに強力なんだろう。遠慮なく貰うことにした。実際につけてみると凄い!!
この世界がベクトルで全てを捕えることが出来る!これはいいものを貰ったな!!必ず空間魔法のサポートになる。
「それじゃあ、そろそろ行こうか!」
供養もして、記憶とアイテムもゲットしたらここでやることは一切ない。ならば、魔法陣に乗ってワープする方がいいだろう。しかし、俺にはまだやりたいことがあった。
「待ってくれ、ルア」
「?どうしたの?タイチ」
俺は亜空間収納からあるものを取り出し、ルアに渡す。
「…指輪?」
そう、俺が渡したのはルアが寝ている間にこっそりと鉱石を加工して作った指輪だった。周りはアダマンタイトという硬い鉱石。中心にはヒヒイロカネという金色の鉱石が埋められている。
ヒヒイロカネを見た瞬間に、ルアを想像した。明るく、綺麗で目を奪われるような鉱石。ルアにピッタリだと思って作った。
作ったことも作る技術もなかったので、かなり苦労した。その中でも1番出来がいいものを渡すことにした。まだ素材は残っているので、いつか職人に作ってもらってちゃんと渡したいけど。
「あぁ。俺の世界では夫婦になって欲しい時に相手に指輪を送るんだ。俺はルアに支えられてきた。これからも支えて欲しい。俺はルアが好きだ。愛してる。この指輪を受けとってくれないか?」
人生初の告白だな。すごく緊張する。
「うん!もちろん!!嬉しいよ!でも、私指輪持ってない…。どうしよう?」
安心したわ。ドラゴンが死んだとわかった並に安心した。嬉しいより安心したが出てくるんだな。
「別に気にしなくて言いぞ。いくつか作ったからそれをつけるよ。同じ材料でできてるからお揃いで良いし。」
「なら、それを私にくれない?私もタイチに渡したい!」
ルアらしいな。と思ってしまう。
「いいぞ。ほら!」
そう言って俺はルアにもうひとつの指輪を渡す。
「私はタイチに助けられた。あの場所から私を連れて出してくれた。私はこれからもタイチについて行きたい。私はタイチが大好き!だから、この指輪を受け取って欲しい!」
「あぁ!もちろんだ!」
今まで見た笑顔の中でいちばん綺麗だった。
そうやって俺たちはお互いの左手の薬指に同じ指輪をつけた。こうして俺たちは夫婦になった。
「ここから外に出て何するの?」
そういえば話してなかったな。
「もう復讐はしない。それより、俺は強くなりたい。ルアを守れるように。そのためにこの力を手に入れたんだ。」
「私も強くなる!今回あまり活躍できなかったし。」
そんなこと無かったと思うけどな。ルアがいなかったら確実に敗北だったし。でも、そんなことは言わない。強くなろうとしているんだから、水を指す訳にはいかない。
「それと、ダンジョンを巡る。ルアの記憶があるなら巡っといて損はないだろ。あともうひとつは…なんでもない。」
「気になるから教えてよ~!」
「間違えただけだ。気にするな。それより、ほら行くぞ」
言えるわけないだろう。俺の寿命を伸ばして、お前より先に死にたくないなんて。恥ずかしすぎる。
明らかに天使族の寿命は人間より長い。実際に聞くと最高で500年は生きることができるんだと。でも、ルアはいつ鎖に巻かれたか分からないが、俺より長いのは間違いないだろう。
俺が老いて、ルアを残すなんて嫌だ。絶対に。だから時間魔法でその方法を探す。その後に元の世界に帰る方法を探す。
ルアが何か言っているが、無視して俺とルアは青色の魔法陣に乗った。
それにしてもあいつの言葉、
「見ているものが全て敵、味方とは限らない。気をつけろ」
どういう意味だ?まぁいい。別に関係ない。
俺は俺の気に入らないものを、俺に襲いかかる理不尽をぶっ潰すだけだ。
ラギルダンジョン攻略
現在の司馬太一のステータスとルアのステータス
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司馬太一
年齢 17歳
性別 男
レベル 138
職業 無
属性 時空
筋力 15680
魔法耐性 14300
物理耐性 13990
敏捷 20000
魔力 ???/???
体力 25880/25880
スキル
言語理解 鑑定 時空属性適正上昇 物理耐性上昇 全属性耐性上昇 物理攻撃上昇 限界突破 魔力操作 無詠唱 縮地
縮地・・・蜘蛛とドラゴンから逃げ回ったことで獲得。強靱な脚力で目にも止まらぬ程のスピードで高速移動することが出来る。
空間操作・・・自分の周囲50メートル以内のベクトル操作
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ルア
年齢 1075
性別 女
レベル 129
職業 熾天使
属性 反
筋力 12560
魔法耐性 10500
物理耐性 16500
敏捷 19800
魔力 ???/???
体力 25780/25780
スキル
全属性適正上昇 全属性耐性上昇 物理耐性上昇 物理威力上昇
魔力回復量上昇 魔力操作 無詠唱 複合魔法
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後書き
ルアの年齢が1675歳から1075歳に変更致しました。600歳も若返りましたよ。
1章はこれで終わりです。次から2章に入ります。
「君を好きになるなん絶対にありえない!」もよろしくお願いします!
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異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
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クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
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この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
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