クラス転移で裏切られた「無」職の俺は世界を変える

ジャック

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2章レルス王国編

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予想通り次の日には騎士団と魔法師団が迎えに来てくれた。宿には迷惑料をきちんとはらいました。

「お前が昨日、違法の奴隷市場を壊した者だな?国王に呼ばれている。共に来てもらおうか。」

ということで俺とルアは連行中。扱いが罪人に似ていると思うのは気のせいなのか?俺たちはそんなのと関係なしにイチャイチャしているが…。

「ねぇ、タイチ。ギルドを作るって話、それ私のため?昨日奴隷を助ける時に顔に表れてたから?」

「それもある。お前には笑っていて欲しいからな。だが、それとは別に俺がやりたいからやるってのもあるし、亜人たちの顔が最初のルアに似てたこととかもある。」

「そっか。ちょっと嬉しい。」

「何がだよ?」

「私のためっていうのも嬉しいけど、タイチの生きる意味が増えたことと、力の使い道が増えたことが1番嬉しい。」

思わずハグしてしまった。あまりにも可愛いことを言うから。確かに旅の目的それだ。

「ありがとな、ルア。俺が間違いそうな時は止めてくれ。」

「もちろん!」

城につくと色んな話が聞こえた。俺たちが亜人を助けた汚らわしい連中だとか。2を助けた冒険者だとかな。

…ルアがその話を聞いた途端に城を壊しかけたけど、俺が頭を撫でたことで落ち着いた。最近ルアには頭なでをしたら、なんとかなると思ってる癖があるな。

まぁ、仕方がない。仲良くなった王女さんがバカにされてるのだから。

王女が出来損ないと呼ばれている理由…。それは、王女の魔力量の少なさだ。王族は基本的に魔力が多い。その分強力な魔法を使える。しかし、王女さんには平民と同じぐらいの魔力しかない。だから、出来損ないと呼ばれているのだ。

俺たちはそのまま謁見の場に通された。

周りには貴族が沢山いた。鬱陶しいなぁ。

「面を上げよ。」

その言葉で俺とルアは顔を上げる。

「余が国王バハルト・ファン・レルスだ。此度の活躍見事だった。私の娘も助け貰ったそうだな。礼を言おう。」

「はっ。もったいなきお言葉。」

ルアが目を見開いて俺を見てくる。そんな驚いた顔で見ないで欲しい。俺だって礼儀くらいわきまえてる。 

「報酬として金貨200枚を送ろう。どうだ?」

「金貨200枚!?」「多すぎるのでは!?」

俺はニコニコ笑顔のまま返事をする。

「陛下、それでは不服です。少なすぎます。」

「「「「はぁっ!!??」」」」

他の貴族たちは怒りの表情を浮かべる。ルアに関しては安心しきった表情だ。これが終わったらお仕置きをしよう。俺そんなに普段から生意気か?

王様は驚いているが、少し笑っている。王女さんに関しては完全に笑っている。声には出てないけど。

「ふむ。では、そなたの願いとは?」

「俺が作るギルドの承認、ギルドの建物の贈呈、俺たちがダンジョンに入る許可、亜人の罪人と貴族の奴隷の解放及び譲渡、この城にある書物の貸出許可、俺たちに危害を加えないことの誓約、御使い様の情報の定期的な提供ですかね。」

この要求を聞いた貴族たちは顔を真っ赤にしている。ド怒りだな。

「生意気な!」「冒険者風情が!」「騎士団!魔法師団!やつを捕らえよ!」

とうとう俺たちを捕まえようとしてきた。

「黙れ。」

空間操作内にいる全てのベクトルを操作して動きを止める。

威圧も全開だ。何人かの貴族は顔が真っ青だ。しかし倒れ込むことさえ許さない。俺は…、いや俺たちは昨日から少し機嫌が悪いんだよ。クソッタレなもん見せてくれたおかげでな。それにルアに約束したからな。

「お前と、お前とお前。」

指で貴族を指す。

「自分の奴隷は解放したか?」

「な…なんの事だ!?」「言いがかりはやめろ! 」

「はぁ。ルア。」

「了解。やっとだね。悪夢ナイトメア

闇魔法でも、かなり上位の魔法。文字通り悪夢を見せ続ける。かけた人が解除するまで開放されることは無い。昨日の言う通り暴れる機会を作ったのだ。

前と同じように全員の首の前に氷で針を作る。…第2王女の前にだけは作っていない。そんなことしたらルアに何か言われる。

「脅しのつもりか?」

「脅し?そんなつもりはありません。俺の要求をのんで頂けないのなら、暴れる予定ですからその準備ですね。」

脅しじゃねぇか!というツッコミが飛んでくるかなって思ったら飛んでこなかった。

人を支配するには恐怖か懐柔かの二択しか俺には思いつかない。懐柔より恐怖を与える方が俺に向いてる。遠慮なしで全力で悪役を演じてやろう。まぁ、暴れる予定なのは嘘ではないが。

「要求をのもう。そもそもこれはそなたらへのお礼だ。これで、そなたらの魔法を解いてくれるな?」

俺とルアは魔法を解除した。悪夢を見せられた貴族に関しては失神しているけど。

「そこの客人と、エマ以外のものは今すぐ席を外せ。少し話したいことがある。」

「なっ!?陛下!危険すぎます!こいつらは今王族にまで手をかけようとした賊ですぞ!?」

「こやつが本気でわしらを殺しに来たのなら、わしはもう既にこの世にはおらん。命令だ。今すぐ席を外せ!」

その言葉に納得しているんだろう。殺す気なら、さっき死んでいたという事実に。それに国王の命令には逆らえないからな。

俺としては願ってもない展開だ!

そしてこの場には俺とルア、そして王女さんと国王しかいなくなった。

「さて、エマを助けて貰ったこと、王として1人の親として礼を言おう。」

「気にするな。その分たくさんの報酬を貰うから。」

「ワッハッハ。やはり面白いのぉ。お主いや、タイチ殿」

こんなじいさんに気に入られてもなぁ。

ルアは王女さんとお話している。いいなぁ。俺もこんなジジイと話さないでルアと話したい。

「さて、あんなに無茶な要求を押し付けたのじゃ。わしからもいくつか条件を付けさせてもらおう。」

それを今言うか。とは本気で思ったが、俺も無茶振りな要求はしている自覚はあるので、聞くつもりではいた。

「お主らの目的は…なんじゃ?」

「……亜人の地位向上、八大ダンジョンの全制覇だ。」

嘘ではない。最終目標は元の世界に帰ることだが。それを言うと俺の素性がバレてしまう。

「王国が奴隷を廃止にしたのは先代国王、わしの父じゃった。その父は奴隷廃止の法を出した1ヶ月後に暗殺された。」

「…」

俺にそんなことはやめておけと言っているのだろうな。その先代王様と同じ道を辿るということになるぞと。

「俺は俺のやりたいことをやる。だれに何と言おうと、何をされようともな。」

「まるで子供じゃな。現実が見えておらず、純粋無垢にひたすら夢に向かって走る子供じゃ。」

「…現実だけを見て、何もしない大人よりはマシだ。」 
 
「そうかもしれぬな……。さて、もう1つ条件がある。」

まだあるのかよ。めんどくさいのではあってくれるなよ。

「…エマ!」

「はい。お父様。」

王女さんとルアの話が強制中断されてしまった。

「タイチ殿、エマのことを頼めぬか?」

「は?」「わぁ。」

ルア、そんなに喜ぶな。

「いや、待てどういうことだ?」  

「…この子の噂は知っておるな?」

ルアが急に顔をしかめる。

「…あぁ、一応な。だが、あんなこと言ってるやつは見る目がないだけだろ?」

俺の言葉を聞いた王様と王女さんは目を見開く。

「なぜ、そう思うのよ?」 

王女さんがそう聞く。

「手だよ。手。馬車に乗った時から気づいてた。その手、明らかに努力した人の手だろ?」

王女の手はペンだこやマメが出来ていることを俺は見逃さなかった。

「ワッハッハ。そうかそうか。」 

王様は笑い、王女さんに関してはちょっと泣いてる。ルアが慰めてるから大丈夫と信じたい。
 
「それで?結局条件は?」

「あぁ、タイチ殿、エマと婚約してくれぬか?」

「「「は?」」」 

一瞬気が飛びそうになった。が、堪えた!さすが俺!

「ちょっと待て。何がどうなって、そうなる。」

「…お主ならエマを安心して嫁がすことが出来る。それに、王国のためにもなる。お主らにも都合が良いだろう?面倒事もこれで何とかなりそうじゃし。あぁ、安心せぇ。この国は一夫多妻制じゃ。」

王国のためって言うのはこれで俺が王国に味方すると思ってるんだろうな。王国とは争うつもりは無い。俺が争うのは個人的に理由がありいずれ俺を殺しにくるかもしれない帝国とギルドを作ると邪魔してくるであろう神聖国だからな。

面倒事、ねぇ。まぁ、王女さんは美人だから求婚が沢山来ているんだろうな。それの事だと信じたい。

「はぁ。それが条件となると、ほぼ強制じゃねぇか。俺にはルアがいる。それでも王女がいいと言うなら、条件をのもう。」

「ルア、いいか?」

コソッとルアに聞いた。

「別にいいよ。1番は私だもん! 」

「もちろんだ!」

さて、あとは王女の返答次第だが。

「分かりました。その婚約を受け入れましょう…。私は…道具ですから…。」

ムギュっ!

「っ!いひゃい!」

俺は王女の頬を引っ張った。そして手を離した。…柔らかかったな。

「何するの!?」

「お前は政治の道具じゃない。人だ。お前は王族だとかそういうことの前に1人の女の子だ!それを忘れるな!」

言いたいことだけ言ったらスッキリした。俺が言ってることは王族という目線から見たら間違ってるが、今回に限っては別にいいだろう。王女を見ると泣いていた。いや、さっき泣き止んでいたばっかなんだけどな。

「エマよ、この話どうする?」

「私は…今回のお話を受けようと思います。」

王女がそう言った。

「そうか。なら、これからよろしく頼むわ。」

なんか軽すぎるな。仮にも一国の姫様娶ります、って言うのに俺たち今日から友達だぜ!並の軽さだな。

「もちろんよ!」 

「これで話は終わりじゃ。」

「待て。最後にひとつ聞きたい。天使族について何か知っていることはあるか?」

「天使族…。かつての幻の種族のことか…。それなら何も知らぬ。だが、存在していたということは事実だ。」

「……そうか。」

王国には天使族に関する情報は何も無さそうだな。

「お主への謝礼は明日にしよう。それで良いな?」 

「あぁ。」

こうして国王との謁見は終えた。

新たにエマ王女という仲間を加えて。
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