魔の森の奥深く

咲木乃律

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第二章 セストの心を占めるのは

極秘任務

 一方、穴に吸い込まれたロザリアは、まるでジェットコースターに乗ったかのような再びの浮遊感に、またたまらず目の前のセストにしがみついた。

「きゃーきゃーきゃー」

 この間は、傷で半分朦朧としていたせいで恐怖も朧げだったが、これだけはっきりと覚醒している今は、余計に怖い。
 どれくらいそうして目をつむっていただろう。さらりと髪を撫でられ、ロザリアははっとして顔を上げた。

「セスト?」

「そんなに怖かったのか?」

「あ、あれ?」

 ロザリアは目をパチパチとさせた。辺りは暗闇からいつの間にか昼日中に戻っていた。辺りをきょろきょろと見回すと、石造りやレンガ造りの建物が並び、中央の噴水広場ではたくさんの鳩が行水をしている。更に往来には人も馬車も行き交っている。王都の街中のようだ。
 きょとんとしてセストを見上げると、セストは横を向いてくくくっと笑った。

「俺としてはそうされて悪い気はしないが、ロザリアが大股広げている姿を他の奴には見られたくないな」

「へ?」

 意味がわからず、ふと横を見ると店のショーウィンドウに深緑のローブを羽織ったセストに、ローブごと上からセストの腕をつかみ、足を腰辺りに回してしがみついている自分の姿が……。

 往来の人々は、くすくす笑いながらそんなロザリアを見て通り過ぎていく。

 さーっと顔から血の気が一気に引いた。恐怖心のほうが勝って、夢中だった。冷静になってみれば、なんてことをと顔から火が出そうだ。

「わっわっ」

 ロザリアはぴょんっとセストから飛び退いた。けれど、石畳の上についた足は、まだがくがくとしていて、足元から崩れた。

「危なっかしい奴だ」

 セストは、咄嗟だったがちゃんとロザリアの怪我をしていない方の腕をつかむと軽々持ち上げ、腕一本でロザリアを支えたまま、まだわなわな震えるロザリアの足を見下ろした。

「少し、休憩していくか」

 セストはロザリアをお姫様抱っこすると、往来の目も気にせず歩き出す。

「ちょ、ちょっと。無理無理無理」

 お姫様抱っこされるロザリア。しかも相手は超絶美形の魔法使い。だめだ、妄想が止まらなくなる。これで姫抱っこの当人がロザリアでなければ、このあといかがわしいお宿に直行して、きゃー。

「おい、顔が赤いがどうかしたか?」

 すとんとおろされたのは籐椅子の上で、可愛らしい白い丸テープルの向こうには、王都の町並みが広がっていた。赤と白のテントがついた、カフェのテラス席だった。
 いつの間に頼んだのか、丸テープルにはすぐに紅茶とサンドイッチ、それに焼き菓子が運ばれてきた。

「あ、あれ?」

 いかがわしいお宿は……。
 いやいや、なんでもそっち方面にもっていくのはいかんいかん。

「ほら、食べろ。腹に何か入れれば落ち着く」

 セストは、ロザリアの妄想には気づかずに、目の前の食事をすすめる。けれど、胃の腑が捩れるような浮遊感に、姫抱っこの恐怖、恥ずかしい妄想と立て続けに青くなったり白くなったりして、食欲なんてわかない。
 うぷっと思わず気持ち悪くなると、セストは長い足と腕を組んで、ぶっきらぼうに横を向いた。

「転移は苦手だったんだな。黒妖犬の時も、怖がっていたな」

「苦手も何も、この間のが初めてだったから。転移のことは知っていたけど、経験することもなかったから」

 魔力のある人間は限られている。魔石が身近な存在ゆえ、魔法には耐性はあるつもりだったが、まだまだ知らないことは多い。

 この国の魔法使いは、魔法庁の魔法人事局に登録されていて、たいていの魔法使いは魔法庁のどこかの部署に配属されている。
 魔力があること。それだけでこの国では重宝され、貴族位と同等の地位が保証される。それゆえ平民の間では、魔力持ちの子を授かるとたいへんな栄誉だともてはやされる。中には眠っている魔力を引き出すための、怪しげなセミナーのような集まりもある。

 魔法庁には、他にセストが局長を務める魔法防衛局、魔の森の管理を行う魔の森監視局、さきほどの魔法人事局と3つの局があり、魔の森監視局の下には、更に魔石収集室が置かれている。ロザリアの職場である魔事室と対のように、よく魔収室と呼ばれる。
 けれど仕事内容となるとまるで真逆で、魔収室の仕事はその名の通り、生活に必要不可欠な魔石を、魔の森に入り収集してくることだ。当然、魔の森には危険な魔獣がたくさんいる。デスクに座ってのんびり仕事をできる魔事室とは、全く異なる危険な仕事だ。



 






 しばらく通りの行き交う人を眺めていると、気持ちも落ち着いてきた。目の前に並んだサンドイッチに手を伸ばした。

「……おいしぃ…」

 挟んである野菜が新鮮で、マヨネーズも自家製なのか、酸味がきいていて美味しい。王都へは、母のジュリエッタに付き合って何度も来ているが、このカフェは知らなかった。紅茶も香りがよくていい。

「気に入ったようでよかったよ」

 セストは長い足を組んで、カップをつまむと紅茶を一口。銀髪が陽の光にきらきらして、一枚の絵画を見ているようだ。

 どうしてなのかなぁ。

 この完璧なセストが、どうしてこうもロザリアに構ってくるのだろう。もう何度となく考えた疑問がまた頭に浮かぶ。
 これだけの美男で、最強の魔法使いで、何でも手に入るだろうに、どうしてよりによって地味女の自分なのだろう。

 ロザリアは、サンドイッチをかじかじしながら、背後の通りに溶け込んだように絵になるセストを見た。

「どうした?」

 視線に気がついたセストがこちらに目を向ける。そこでふと、セストの屋敷で見た絵画のことを思い出した。きれいな人だった。

「あの絵の人は、お母様?」

 なんとなくそうかなと思って聞いてみると、セストはとたんに冷たく緑眼を眇めた。
 何か気に障ることを聞いたのだろうか。

「母ではない」

 セストは短く答え、これ以上の詮索を許さなかった。口をつぐみ、ロザリアの視線を避けるように通りへと視線を投げた。

 これなんだよね。

 ロザリアはセストの冷たい横顔を見つめた。時折見せる、人を拒絶するかのようなこの冷たい顔が、セストの本来の姿に思えてならない。

 どちらかと言うと、こんなセストの方がロザリアは彼の本当の姿を見ているようで安心する。
 歯の浮くような褒め言葉を言うセストより、ロザリアはこっちのセストの方が何倍も好きだ。

「ほら、とっとと食え」

「ふごっ」

 きれいな横顔を眺めていると、いつの間にかこちらに向き直っていたセストが、つまんだサンドイッチをロザリアの口に押し込んできた。

 おいしいから食べちゃうけどね。せっかくだし。

 もごもごとサンドイッチを飲み込み、紅茶を飲んでロザリアは「ところで」とセストを見た。

「これからどこに行くの?」

 王都へおりてきたということは、王都のどこかに行くつもりなのだろう。セストは、カップをソーサーに戻した。

「今年に入ってからの魔石の暴発事故。場所は覚えているか?」

「魔石の事故ですか…。すでに百件を越えるので、さすがに全ては覚えていないですけど、ここ最近のものなら大体はわかります。だけどどうして?」

「オリンド国王直々の極秘任務だ。ここ最近の魔石事故はさすがに多すぎる。本来、魔石の状態は魔の森の安定度と深く関わりがあるが、魔の森監視局によると、魔の森は今のところ安定していて、魔石の暴発につながるような状態ではないらしい」

「だとしたら……」

 原因は一体どこにあるのだろうか。
 魔石は、魔獣の死骸から収集される。主に収集を担っているのは魔収室だが、一部ハンター達が魔の森に入り、より高度な魔獣を狩り、貴重な魔石を売りさばいている。
 ここ最近暴発が多発している火石は、安価なものが多く、市場にも多く出回っている一般的なものだ。
 流通量が多く、家庭でも広く使われるだけに、もともと事故件数は多いのだけれど、それでも今年に入ってからの件数は突出している。
 それが、魔の森の状態とは無関係に起こっているのだとしたら―――。

「まさか、……人為的なもの?」

 ロザリアが推論を述べると、セストはにやりと笑った。

「なかなか洞察力があるじゃないか」

「でもそんなこと、一体誰が……」

 火石は生活に直結するだけに、暮らしに欠かせない魔石だ。それにその性質上、事故が起これば大惨事にもなりかねない。
 ロザリアの屋敷でも、火石は欠かせない。お茶を入れるためのお湯を沸かすのにも、料理にも、もちろんお風呂の湯沸かし、冬場の暖をとるためにも使っているだけに、それが暴発したらと思うと怖くもある。

 それを狙って人為的に暴発を起こしているのだとしたら、卑劣な手口だ。

「魔石を故意に暴発させようと思えば、それなりに魔力が必要だ。それに数も多い。そんな事ができる奴は限られている。だいたい見当はついているんだが、確証が欲しい」

「見当がついてるの?」

 驚いた。だったら早く捕まえて、やめさせればいいものを。
 
 その考えが顔に出ていたのだろう。
 セストは手をのばすとロザリアの髪をくしゃくしゃと撫でた。

「その小者の行き着く先が問題なんだよ」

「つまり暴発を主導している人物が厄介ってこと?」

「ま、そういうことだ」

「そういえば、黒妖犬の件はとうなったの? 手引した人は見つかった?」

「ああ、それな」

 セストは焼き菓子をつまむと、それもロザリアの口に押し込んでくる。

「そっちも大方見当はついた」

 なんとなく含みのある言い方だ。

「―――もしかしてそれって魔石の暴発と関係あったりする?」

 複数の人物が関わり、偶然同時多発的に魔石や魔獣に関する事故が起こっていると考えるより、同じ人物による手引だと考えた方が自然だ。
 ロザリアがそう言うと、セストはまぁなと頷いた。








 
「この家がそうみたいです……」

 カフェでの休憩を終え、ここ最近の火石の暴発で最も被害が深刻だった場所へまずはやって来た。暴発と言ってもその事故のほとんどは、やけどやボヤだが、この家は全棟焼失の被害が起きた。
 事故があったのはひと月ほど前のことだけれど、家は黒焦げの骨組みだけを残した状態のまま放置されている。

「火元はあそこか」

 セストはざっと見渡し、黒く煤けた石組みの残った箇所を指さした。調理場のかまどの跡と思われる。

「あそこが火元だってよくわかるね」

 確かにかまどでは火石が使われるが、何も火元がそこだと決まったわけではない。前世の世界のように、火事後の調査など行われないこの国では、正確なところはわからないはずだ。

「そりゃわかるさ。妙な気配がぷんぷんにおう」

 どうやら、魔力の残り香のことを言っているらしい。
 セストは煤けた家屋へと入っていく。

「ねぇ、危ないよ」

 これだけ黒焦げだと、残った骨組みがいつ崩れてくるかわからない。思わずセストの腕をつかんで引くと、セストが振り返った。

「なんだ、心配してくれるのか? 嬉しいな。でも大丈夫だ。俺を誰だと思っている」

「……そうでした」

 史上最強の魔法使いが、火災で焼けた家屋が崩れてきて下敷きになるはずがない。その前に魔法でチョチョイのチョイだ。
 そうとわかればロザリアだって現場を見てみたい。セストの後について焼けた家屋の中へと踏み入った。足元は煤や灰で真っ黒で、歩くたび焼け焦げた原型もない物がぱりぱりと砕ける音がする。足を取られそうで怖い。何かに縋りたくてセストの深緑のローブをつかむと、セストはそのロザリアの手を握りしめた。

「つかまるならこっちにしておけ」

 前を向いたままぶっきらぼうに返される。でも、ロザリアの手は、セストにしっかりと握られた。

「まだ火石はそのままだな」

 セストの言うように、かまどの中には、まだ赤みを帯びた火石が残っていた。火石は使い続けると赤みがなくなっていき、最後はただの石ころになる。赤みがあるということは、まだ魔力を有し、使える状態だということだ。

 セストは、ロザリアの手を取っていない方の手で火石をつまみ上げると手の平で火石を握り込んだ。とたん、セストの指の間から赤い炎のような揺らめきと共に、青白い光が漏れ出てきた。

「……わぁ、これ何?」

 2色の色が混ざり合いながら立ち昇っていく様は不思議な光景だった。
 魔法のある世界にはだいぶ慣れたつもりだけれど、なかなか身近に魔法を使える人はいない。きれいだねと呟くと、セストはこちらを見下ろした。

「火石に残る火の魔力の残りと、これに注がれた魔力とを可視化してみただけだ」

「そんなこともできるんだね…」

 感心して立ち昇る揺らめきをじっと見ていると、セストは突然ぱっと手を開き、火石を落とした。コンっと小気味よい音を立てて足元に落下する。

「魔力のない者があまり魔力の痕跡を見すぎると、後で気分が悪くなるぞ」

「そうなの?」

 まあ今のところ何ともない。魔力酔いの話は聞いたことはあるが、自分には関係のない話なのかもしれない。

「それで、何がわかったの?」

 肝心なところを質問すると、セストは「何も」と首をふる。

「ここの家人はどうしたんだ?」

「資料によると、この近くの親戚宅へ身を寄せているそうです」

「では次はそこへ案内しろ」

「あ、はい」

 こっちです、とロザリアは繋がれたままのセストの手を引いた。
 
 

 

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