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第七章 心を残さないで
魅了の者というだけで
「うわぁ、すごい数の魔獣ね…」
チェチーリアの声に、屋敷前庭のいつものベンチに腰かけていたロザリアが振り返ると、チェチーリアは恐る恐るこちらに歩いてくるところだった。
城での長老たちとの顔合わせから二日後のことだ。ついにセストの許しが出たそうで、チェチーリアは昨日も屋敷に遊びに来てロザリアの話し相手になってくれた。最近すっかり顔を見せなくなったチーロのことを聞くと、どうやら城を抜け出していたことが長老たちにばれ、今は城で勉強のため缶詰め状態なのだそうだ。
チーロが来てくれるのはもちろん嬉しかったけれど、やっぱり同年のチェチーリアが来てくれると話が弾む。日課であるキャングロへの焼き菓子配りも、チェチーリアがいるときゃっきゃと言いながら配るので、なんだか見ていて楽しかった。
今日もそろそろ顔を見せないかなと待っていると、チェチーリアは来てくれた。
「よく集めたわね、一度にこんなにも」
チェチーリアがそう言うのも無理はなかった。庭にはざっと五十匹以上の魔獣がいるのではないだろうか。今日はキャングロへの焼き菓子配りと一緒に、遊びに来たコルトに頼んでできるだけたくさんの魔獣を前庭に集めてもらっていた。初めて見る魔獣はたくさんいたし、中には黒妖犬もいて、思わず引っかかれた腕をおさえてしまったけれど。
チェチーリアは幾分か警戒しながらロザリアの隣まで来ると、側にいた、昨日ですっかり顔馴染みとなったコルトへあいさつした。
「こんにちは、コルト」
『ああ、今日もまた会ったな』
コルトの返しはチェチーリアには聞こえていない。チェチーリアも気にした様子もなくロザリアの隣に腰掛けると前庭に居並ぶ魔獣を見渡した。
「一体何するつもり? こんなに集めて」
「どれくらいの数が一度に言うことを聞いてくれるのか試してみたくて」
約ひと月後に迫った式典で、暴走後の魔獣を魔の森へ誘導する仕事をセストから任せられた。仕事だと言われると失敗はしたくないし、俄然責任感が出てくる。そうでなくとも、暴走後の大量の魔獣をいかにトリエスタ王都から退散させるかは、最も重要なファクターの一つであることは間違いない。
すっかり打ち解けたチェチーリアには、その辺りの事情を説明してある。
「で? どうなの?」
「今のところこのくらいの頭数ならなんとかなりそう」
今は前庭に整列してお座りをしている状態の魔獣だが、コルトが集めてきてすぐの時は暴れたり魔獣同士争ったりと庭は魔獣の吠え声や唸り声で騒然としていた。そんな姿も様々な魔獣の目を、一頭一頭見ていくと次第に大人しくなっていった。五十匹全てと目をあわせたかと言うとそういうわけではなく、大人しくロザリアに従ってくれる魔獣が増えるにつれ、ロザリアの意思が魔獣の間へ伝播していくようだった。
ただこれ以上の頭数となると時間もかかる。しかも暴走し気の立っている魔獣相手にどこまで通用するのか。
ロザリアが考え込んでいると、チェチーリアは呆れたように肩をすくめた。
「ロザリアって真面目なのね。いざとなればどうとでもなるわよ。ロザリアからこの話を聞いた後、セスト兄様に聞いたらお兄様も行くって言うし、何人か他にも連れて行くっておっしゃってたもの。どうにかなるわよきっと」
「それは暴走自体は止められると思うけれど」
できれば怪我人をひとりも出さず速やかに魔獣を魔の森へ返したい。親しい人たちの顔が次々に思い浮かぶ。
「でもほら、ロザリアは我がラグーザ王国の王妃になるわけでしょう? 故郷が大切なのはわかるけれど、ちゃんとこっちで暮らせるように今後のことも考えなきゃ」
「え?」
ロザリアはきょとんとして聞き返した。思わぬことを聞かされたといった感のロザリアに、今度はチェチーリアが呆れたように「まさか考えてなかったの?」と逆に聞き返された。
「……うん」
言われてみれば、チェチーリアの言うことは至極最もなことだ。セストはこのラグーザ王国の王で、その妻になるということは自分は王妃。トリエスタでは王妃は王の名代として賓客をもてなしたり、晩餐会を主催したり、時には政治的に重要な決定を下すこともある。
こちらではどのような役割があるのかはわからないが、王妃となると今まで通りトリエスタの魔事室で日がな資料整理をしているわけにはいかない……。
「考えてもみなかった……」
全く抜けていると言えばその通りだ。想像力の欠如にもほどがある。ウバルドの魔獣暴走を止め、ウバルドを放逐したのちはロザリアも晴れてトリエスタへ舞い戻り、また魔事室で働くことを考えていた。
セストのプロポーズを受けてしまったが、一番肝心なことを考えていなかった……。
「わたし、無理かも……」
高座に座って気の利いた声をかけ、人と頻繁に接する仕事は向いていない。ましてや晩餐会に出席、しかも主催者として出席するなど荷が重すぎる。
「あの、今からでも撤回できないかな……? トリエスタでの仕事が好きだったし、できれば働きたいし……。なんて……。ハハ…」
後ろ頭をかくとチェチーリアが無下に告げる。
「無理よそんなの。長老たちのお許しが出たのだし、ロザリアはもう立派なこの国の王妃よ。それに何よりセスト兄様が逃がすわけないわ。この間のロザリアを前にしたお兄様の態度ったら。ディーナを前にした時だって、あんな風に側にピッタリ寄り添って片時も離したくない、なんてことはなかったわよ」
「そうなの?」
セストのディーナへの思慕の強さは身をもってわかっているつもりだ。きっと一生ディーナには勝てない。そう思っていたのに……。
「わたしなんて何のとりえもないのにね。前世を引きずって自分が何者なのかもわかっていないもの」
「あら、そんなのわたしだってそうだわ」
「そうなの?」
「ええ。自分のことを自信をもってこうだと言える人なんて一体どれくらいいるのかしらね。別にいいじゃない。ロザリアはロザリアだわ」
「そんな風に自信をもてればいいんだけれど」
芯のある人は美しい。濁りのない真っすぐな瞳をしたチェチーリアが羨ましい。
ロザリアは傍らのコルトを見上げた。
「コルト、明日はもっとたくさん集められる?」
できれば百匹二百匹くらいで試してみたい。そう言うとコルトはさすがに角を振った。
『それは無理だロザリア。これで精一杯だ』
「……そっか。ごめんね、無理言って」
『いや。ロザリアならば、どれほど多くの魔獣がいようとも、必ず従うはずだ。魅了の者とはそのようなものだ』
―――魅了の者。
二日前、王城で長老たちの前に出たとき、何度も囁かれた言葉だった。
セストが出て行った部屋でチェチーリアと話をしていると、急に目の前に白い紙が落ちてきた。ロザリアは驚いて目を丸くしたのだけれど、チェチーリアにとっては当たり前のようで、ひらひらと舞い続ける紙を手に取ると「そろそろ来てって」と中を読んで教えてくれた。
ラグーザの城中は複雑怪奇だった。まっすぐ進んでいた廊下の先が行き止まりだったり、何もなかった空間に突如階段や扉が現れたり、いろんな物がぷかぷかと飛んでいる。ロザリアとチェチーリアのように普通に歩いて移動している人もほとんどおらず、宙を飛んでいたり椅子に座ったまま移動していたり……。
一歩歩を進めるたび、次に何が飛び出してくるのかとびくびくした。すれ違う人たちは皆、チェチーリアと歩くロザリアを見てはひそひそと囁きあう。王家の着用する蔦紋様のドレスを着ているのを不思議そうに見てくる者もいる。あからさまに眉を顰める者もいた。
けれど皆一様にロザリアの灰白色の瞳と目が合うとはっとしたように息をのみ、蔦紋様のドレスと瞳とを交互に見て納得したように立ち去っていく。
「ここよ」と言われた大扉の前に立つと、中から騒々しい声が聞こえてくる。
「ラグーザではなくトリエスタに魅了の者がいたなど信じられない」とか「単にそういう色の瞳なのではないか」とか「とにかくすべては本人に会ってからですな」と概ね好意的な意見は一つもない。
「あの、ほんとに大丈夫? わたしなんかが入っていって」
とてつもなく不安だ。セストは承認されないことは絶対にないと自信ありげだったけれど、いくら魅了の者でもロザリアはトリエスタの魔力もない人間。この不思議のいっぱい詰まった城を当然のように闊歩している人達に受け入れてもらえるのだろうか。
「いいからいいから。さ、入って」
なかば押し出されるようにチェチーリアと共に大広間に入ったのだが……。
ロザリアが入っていくとそれまで言葉の飛び交っていた広間がしんと静まった。上座にいたセストが迎えに来て手を引かれ中央まで歩み寄るとセストに顎を上向かされた。
「俯いていないでちゃんと目を見せてやれ」
「……はい」
恐る恐る顔を上げるとコの字型に机についていた長老たち―――と言ってもロザリアの両親ほどの年齢だろう―――は、廊下でロザリアの瞳を見た者たちと同じようにはっとしたように息をのんだ。その衝撃が浸透しきったところで、長老席の一番上手に座っていた一人が腕を組んで深く頷いた。
「我ら一同、喜んでロザリア・カルテローニ殿を王妃としてお迎えいたそう」
あっけないほどあっさりと承認された。
チェチーリアの声に、屋敷前庭のいつものベンチに腰かけていたロザリアが振り返ると、チェチーリアは恐る恐るこちらに歩いてくるところだった。
城での長老たちとの顔合わせから二日後のことだ。ついにセストの許しが出たそうで、チェチーリアは昨日も屋敷に遊びに来てロザリアの話し相手になってくれた。最近すっかり顔を見せなくなったチーロのことを聞くと、どうやら城を抜け出していたことが長老たちにばれ、今は城で勉強のため缶詰め状態なのだそうだ。
チーロが来てくれるのはもちろん嬉しかったけれど、やっぱり同年のチェチーリアが来てくれると話が弾む。日課であるキャングロへの焼き菓子配りも、チェチーリアがいるときゃっきゃと言いながら配るので、なんだか見ていて楽しかった。
今日もそろそろ顔を見せないかなと待っていると、チェチーリアは来てくれた。
「よく集めたわね、一度にこんなにも」
チェチーリアがそう言うのも無理はなかった。庭にはざっと五十匹以上の魔獣がいるのではないだろうか。今日はキャングロへの焼き菓子配りと一緒に、遊びに来たコルトに頼んでできるだけたくさんの魔獣を前庭に集めてもらっていた。初めて見る魔獣はたくさんいたし、中には黒妖犬もいて、思わず引っかかれた腕をおさえてしまったけれど。
チェチーリアは幾分か警戒しながらロザリアの隣まで来ると、側にいた、昨日ですっかり顔馴染みとなったコルトへあいさつした。
「こんにちは、コルト」
『ああ、今日もまた会ったな』
コルトの返しはチェチーリアには聞こえていない。チェチーリアも気にした様子もなくロザリアの隣に腰掛けると前庭に居並ぶ魔獣を見渡した。
「一体何するつもり? こんなに集めて」
「どれくらいの数が一度に言うことを聞いてくれるのか試してみたくて」
約ひと月後に迫った式典で、暴走後の魔獣を魔の森へ誘導する仕事をセストから任せられた。仕事だと言われると失敗はしたくないし、俄然責任感が出てくる。そうでなくとも、暴走後の大量の魔獣をいかにトリエスタ王都から退散させるかは、最も重要なファクターの一つであることは間違いない。
すっかり打ち解けたチェチーリアには、その辺りの事情を説明してある。
「で? どうなの?」
「今のところこのくらいの頭数ならなんとかなりそう」
今は前庭に整列してお座りをしている状態の魔獣だが、コルトが集めてきてすぐの時は暴れたり魔獣同士争ったりと庭は魔獣の吠え声や唸り声で騒然としていた。そんな姿も様々な魔獣の目を、一頭一頭見ていくと次第に大人しくなっていった。五十匹全てと目をあわせたかと言うとそういうわけではなく、大人しくロザリアに従ってくれる魔獣が増えるにつれ、ロザリアの意思が魔獣の間へ伝播していくようだった。
ただこれ以上の頭数となると時間もかかる。しかも暴走し気の立っている魔獣相手にどこまで通用するのか。
ロザリアが考え込んでいると、チェチーリアは呆れたように肩をすくめた。
「ロザリアって真面目なのね。いざとなればどうとでもなるわよ。ロザリアからこの話を聞いた後、セスト兄様に聞いたらお兄様も行くって言うし、何人か他にも連れて行くっておっしゃってたもの。どうにかなるわよきっと」
「それは暴走自体は止められると思うけれど」
できれば怪我人をひとりも出さず速やかに魔獣を魔の森へ返したい。親しい人たちの顔が次々に思い浮かぶ。
「でもほら、ロザリアは我がラグーザ王国の王妃になるわけでしょう? 故郷が大切なのはわかるけれど、ちゃんとこっちで暮らせるように今後のことも考えなきゃ」
「え?」
ロザリアはきょとんとして聞き返した。思わぬことを聞かされたといった感のロザリアに、今度はチェチーリアが呆れたように「まさか考えてなかったの?」と逆に聞き返された。
「……うん」
言われてみれば、チェチーリアの言うことは至極最もなことだ。セストはこのラグーザ王国の王で、その妻になるということは自分は王妃。トリエスタでは王妃は王の名代として賓客をもてなしたり、晩餐会を主催したり、時には政治的に重要な決定を下すこともある。
こちらではどのような役割があるのかはわからないが、王妃となると今まで通りトリエスタの魔事室で日がな資料整理をしているわけにはいかない……。
「考えてもみなかった……」
全く抜けていると言えばその通りだ。想像力の欠如にもほどがある。ウバルドの魔獣暴走を止め、ウバルドを放逐したのちはロザリアも晴れてトリエスタへ舞い戻り、また魔事室で働くことを考えていた。
セストのプロポーズを受けてしまったが、一番肝心なことを考えていなかった……。
「わたし、無理かも……」
高座に座って気の利いた声をかけ、人と頻繁に接する仕事は向いていない。ましてや晩餐会に出席、しかも主催者として出席するなど荷が重すぎる。
「あの、今からでも撤回できないかな……? トリエスタでの仕事が好きだったし、できれば働きたいし……。なんて……。ハハ…」
後ろ頭をかくとチェチーリアが無下に告げる。
「無理よそんなの。長老たちのお許しが出たのだし、ロザリアはもう立派なこの国の王妃よ。それに何よりセスト兄様が逃がすわけないわ。この間のロザリアを前にしたお兄様の態度ったら。ディーナを前にした時だって、あんな風に側にピッタリ寄り添って片時も離したくない、なんてことはなかったわよ」
「そうなの?」
セストのディーナへの思慕の強さは身をもってわかっているつもりだ。きっと一生ディーナには勝てない。そう思っていたのに……。
「わたしなんて何のとりえもないのにね。前世を引きずって自分が何者なのかもわかっていないもの」
「あら、そんなのわたしだってそうだわ」
「そうなの?」
「ええ。自分のことを自信をもってこうだと言える人なんて一体どれくらいいるのかしらね。別にいいじゃない。ロザリアはロザリアだわ」
「そんな風に自信をもてればいいんだけれど」
芯のある人は美しい。濁りのない真っすぐな瞳をしたチェチーリアが羨ましい。
ロザリアは傍らのコルトを見上げた。
「コルト、明日はもっとたくさん集められる?」
できれば百匹二百匹くらいで試してみたい。そう言うとコルトはさすがに角を振った。
『それは無理だロザリア。これで精一杯だ』
「……そっか。ごめんね、無理言って」
『いや。ロザリアならば、どれほど多くの魔獣がいようとも、必ず従うはずだ。魅了の者とはそのようなものだ』
―――魅了の者。
二日前、王城で長老たちの前に出たとき、何度も囁かれた言葉だった。
セストが出て行った部屋でチェチーリアと話をしていると、急に目の前に白い紙が落ちてきた。ロザリアは驚いて目を丸くしたのだけれど、チェチーリアにとっては当たり前のようで、ひらひらと舞い続ける紙を手に取ると「そろそろ来てって」と中を読んで教えてくれた。
ラグーザの城中は複雑怪奇だった。まっすぐ進んでいた廊下の先が行き止まりだったり、何もなかった空間に突如階段や扉が現れたり、いろんな物がぷかぷかと飛んでいる。ロザリアとチェチーリアのように普通に歩いて移動している人もほとんどおらず、宙を飛んでいたり椅子に座ったまま移動していたり……。
一歩歩を進めるたび、次に何が飛び出してくるのかとびくびくした。すれ違う人たちは皆、チェチーリアと歩くロザリアを見てはひそひそと囁きあう。王家の着用する蔦紋様のドレスを着ているのを不思議そうに見てくる者もいる。あからさまに眉を顰める者もいた。
けれど皆一様にロザリアの灰白色の瞳と目が合うとはっとしたように息をのみ、蔦紋様のドレスと瞳とを交互に見て納得したように立ち去っていく。
「ここよ」と言われた大扉の前に立つと、中から騒々しい声が聞こえてくる。
「ラグーザではなくトリエスタに魅了の者がいたなど信じられない」とか「単にそういう色の瞳なのではないか」とか「とにかくすべては本人に会ってからですな」と概ね好意的な意見は一つもない。
「あの、ほんとに大丈夫? わたしなんかが入っていって」
とてつもなく不安だ。セストは承認されないことは絶対にないと自信ありげだったけれど、いくら魅了の者でもロザリアはトリエスタの魔力もない人間。この不思議のいっぱい詰まった城を当然のように闊歩している人達に受け入れてもらえるのだろうか。
「いいからいいから。さ、入って」
なかば押し出されるようにチェチーリアと共に大広間に入ったのだが……。
ロザリアが入っていくとそれまで言葉の飛び交っていた広間がしんと静まった。上座にいたセストが迎えに来て手を引かれ中央まで歩み寄るとセストに顎を上向かされた。
「俯いていないでちゃんと目を見せてやれ」
「……はい」
恐る恐る顔を上げるとコの字型に机についていた長老たち―――と言ってもロザリアの両親ほどの年齢だろう―――は、廊下でロザリアの瞳を見た者たちと同じようにはっとしたように息をのんだ。その衝撃が浸透しきったところで、長老席の一番上手に座っていた一人が腕を組んで深く頷いた。
「我ら一同、喜んでロザリア・カルテローニ殿を王妃としてお迎えいたそう」
あっけないほどあっさりと承認された。
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