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第七章 心を残さないで
強力で完璧な
いつものように前庭でキャングロ達に焼き菓子を与えながら、ロザリアはきょろきょろと辺りを見回した。ここ二三日チェチーリアは姿を見せていない。今日は来ないかと心待ちにしていたのだけれど…。
「忙しいのかな?」
『ラグーザの王族なのであろう? 王族は行事が好きだからな。何かと忙しいのだろう』
コルトは一角獣なのに何かと物知りだ。「コルトも食べる?」と焼き菓子を差し出すと『もらおう』とぱくりと一口。鼻筋を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める。美しい灰白色の毛並みが陽光にあたってきらきらしている。―――癒しだ。
しばらくその美しい姿を眺めていたのだけれど。
「ロザリア!」
いきなり目の前に転移の渦が現れたかと思うとチーロが飛び出してきた。だいぶこの光景には慣れたつもりだが、やっぱりいきなり目の前に人が現れるとびっくりする。
「ひ、久しぶりだね。チーロ」
「そうだよっ! ここんとこ長老たちにがっつり捕まっちゃててさ! 大変だったんだ! ―――ってそんなことどうだっていいんだよ! そんなことよりさ」
「そんなに慌ててどうかしたの?」
「早く離宮に行こう。壊れちゃうんだ!」
「離宮?」
何の話かさっぱりわからない。そもそも離宮が何のかもわからないし、それゆえ話の重大性も全く理解できない。首を傾げるロザリアに、チーロは「うそだろ?」と驚きをあらわにした。
「ロザリア、離宮のことを知らないのか?」
「……わかんない」
もちろん言葉として離宮の意味は知っている。けれどチーロが言う離宮はどこか特定の場所を指していることは明らかだ。はて、と首を傾げると傍らにいたコルトが言を継いだ。
『離宮とは、代々魅了の王妃が住まうラグーザ王国の離宮のことであろう』
「そうなの?」
『ああ。魅了の王妃はその離宮で一生を過ごすことが決められている』
「え?」
コルトの言葉にロザリアは動きを止めた。
「何、それ」
『知らなかったのか? 魅了の王妃に求められるのは魔獣の統率だ。魔の森の側近くにある離宮でその役目を果たすべく、必要最低限の外出以外、その離宮で過ごすことが決められている』
「そんなの、嫌だ……」
頭の中は真っ白だった。一生を魔の森近くの離宮で過ごす? 必要最低限の外出以外認められない? そんな話は聞いていない。それではロザリアは籠の中の鳥と同じだ。ラグーザの王妃となりながらトリエスタで今まで通り働けるはずもないのだが、両親や姉妹、親しい人達はみんなトリエスタにいる。彼らに会いに行くのは、必要最低限の範囲内に入るのだろか。セストだって何も……。
何やらコルトと会話を交わし、固まってしまったロザリアの袖をチーロが引いた。
「なんかよくわかんないけどさ、とにかくロザリア一緒に来てよ」
「その離宮に?」
「うん。今のうちにロザリアと一緒に行きたいんだ。どうしてもロザリアと一緒に見たいんだよ」
「―――わかった」
なぜか必死の様子のチーロに、ロザリアは頷いた。
コルトの話はあとでセストに確かめればいい。冷静になってみれば、ロザリアが最も嫌がりそうなことを、セストが勝手に押し付けてくるとも思えない。
『我が送ろう』
コルトは鞍を置くようロザリアに言うと、ロザリアとチーロを乗せて一気に走り出した。
あの建物だよとチーロが森の中に見え隠れする建物を指さした。コルトの足で駆ければ離宮まではあっという間だった。近づくと離宮は半分崩れかかりまるで廃墟だ。三階建ての、元は瀟洒な建物だったのだろう。
わずかに残った外壁には蔦紋様が描かれ、金枠の窓が並んでいる。おそらく窓にはガラスが嵌っていたのだろうが、どれも無惨に割れている。離宮までのアプローチにある噴水も外枠が崩れ、水が変な方向へ噴き出していた。
「立派な建物ね。だけどどうしてこんなに壊れてるの?」
わずか7,8年前まで人が住んでいたとも思えない様子だ。
「うん、ちょっといろいろとね」
チーロはこの惨状の理由を知っているようだったが、それ以上そのことについては何も言わない。
「立派なのは王妃の住まいだもん。それはそうだよ。お母様もずっとここで暮らしてた」
「そうなの? でもチーロのお父様はまだ国王にはなっていなかったのよね。それで争いになったのでしょう?」
「次期国王に内定した時点で、ディーナはこの離宮に移ったんだ。前国王の王妃は魅了じゃなかったからね。一刻も早く離宮に魅了の王妃を迎えたかったみたいだよ」
「でもその、お父様が亡くなってからはセストと恋人同士だったって聞いてるけど。だからてっきりあの屋敷でディーナと暮らしていたのかと思っていたわ」
「違うよ」
チーロはむすっとして首を振った。
「お母様がセストのとこで暮らすわけないよ。魅了の王妃は、その王が亡くなっても次の王妃が決まるまでこの離宮から出られないんだ」
「……そうなんだ。―――あの、じゃあもしかしてだけど」
ディーナが賊に襲われて亡くなったというのもこの場所だったのではないか。
言葉にはしなかったがチーロはロザリアの言わんとしていることを察して頷いた。
「そうだよ。来て」
チーロはロザリアの手を引いて崩れかけた建物へと入っていく。危ないのでは、と思ったがチーロには魔力がある。危険は回避できるのだろう。コルトは外で待っていると二人を送り出した。
エントランスホールも見る影なく破壊されていた。天井から吊るされたシャンデリアが傾いて今にも落ちてきそうだ。どうすればこんなにも壊滅的に壊せるのか、不思議なほどありとあらゆる物が破壊されている。
チーロは勝手知ったる様子でどんどん離宮の奥へと廊下を歩いていくと、ひと際立派な扉の前で立ち止まった。不思議とこの扉だけ蔦紋様の見事な装飾がきれいに残っている。
「ここ、お母様の部屋だったんだ」
チーロは扉を開くとロザリアをいざなった。
部屋の中は無残に壊されていた。おそらくベッドだったのだろうと思われる台は真ん中で真っ二つに折れ、割れた窓ガラスから風が吹き込み、ぼろぼろになったカーテンがはためている。
「ああ、こんなに……」
チーロは見る影のない部屋の惨状にしばらく立ち尽くした。
ロザリアは、かつて自分がディーナだった時にずっと暮らしていた場所ならあるいは何か思い出すかもしれないと辺りを見回した。ベッドにサイドテーブル、小卓にソファ。どれも壊れているがそれが何であったのかはわかる。奥には扉があり、開いてみると衣裳部屋だったのだろう。経年劣化したように傷んだドレスがかけられていた。
元の部屋に戻ると、チーロはまだ立ち尽くしていた。
「大丈夫? チーロ」
母親との大切な思い出の詰まった場所だ。無残な様子にショックを受けても仕方がない。膝をついてチーロに目線を合わせるとチーロははっとしたように顔を上げ、期待のこもった眼差しでロザリアを見た。
「何か思い出した?」
「ううん、ごめんね」
「そっか、だめか」
チーロはがっくりと肩を落とす。子供としては母親が自分のことを忘れているというのはつらいものだ。
「ごめんなさい」
チーロのため、セストのためにもディーナであった時の記憶を取り戻せればいいのだけれど、魔力のないロザリアではどうしようもない。
「いいんだ。僕の方こそごめん」
「少しでも何か思い出せればよかったんだけれど……。それにここ、お母さんとの大切な思い出の場所なんでしょ?」
「……ああ、うん。でもいいんだ。もう今ではほとんど来ることなんてなかったし。次の魅了の王妃が決まればどうせ捨てられることになってたんだし。いっそこうなってくれてすっきりしたっていうか、なんていうか。……うまく言えないや、へへ…」
チーロは照れ臭そうに横を向く。その目元が涙で赤くなっているのが見えて、ロザリアは思わずチーロを抱きしめた。
「ごめんね、チーロ。もしできるなら、わたしの中にあるディーナの心を覆っているものを取り払って。そうしたらチーロのこと思い出せるでしょう?」
ディーナの心は強力な魔法によって覆われていると聞いた。それさえ取り払えばチーロのこともセストのことも思い出せる。
けれどチーロは首を振った。
「だめだよ、できないんだ。僕の力じゃ人の心に触れる魔力は使えない。そんなことができるのはセストくらいだ。そのセストが解けない魔法だと言ってるんだ。無理だよ」
「あの、気になってたんだけど」
ロザリアはチーロをそっと離すと疑問をぶつけた。
「そのディーナの心を覆っている魔法って、そんなに強力なの? でもディーナって魔力はなかったのよね。だとしたら一体誰がディーナの心を覆ったの?」
「それがわからないんだ。セストもわからないって言ってた」
「でもほら、魔力の残り香には使った人の揺らぎが見えるんでしょう?」
火石暴発の家事現場でセストが火石に残った魔力を可視化して見せてくれた。もっともその揺らぎのせいで魔力酔いを起こしたのだけれど。
「揺らぎが見えたからといって、それが誰のものかを特定するのは難しいんだよ。とにかく今までに見たことないくらい強力で完璧なものらしいよ」
「忙しいのかな?」
『ラグーザの王族なのであろう? 王族は行事が好きだからな。何かと忙しいのだろう』
コルトは一角獣なのに何かと物知りだ。「コルトも食べる?」と焼き菓子を差し出すと『もらおう』とぱくりと一口。鼻筋を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める。美しい灰白色の毛並みが陽光にあたってきらきらしている。―――癒しだ。
しばらくその美しい姿を眺めていたのだけれど。
「ロザリア!」
いきなり目の前に転移の渦が現れたかと思うとチーロが飛び出してきた。だいぶこの光景には慣れたつもりだが、やっぱりいきなり目の前に人が現れるとびっくりする。
「ひ、久しぶりだね。チーロ」
「そうだよっ! ここんとこ長老たちにがっつり捕まっちゃててさ! 大変だったんだ! ―――ってそんなことどうだっていいんだよ! そんなことよりさ」
「そんなに慌ててどうかしたの?」
「早く離宮に行こう。壊れちゃうんだ!」
「離宮?」
何の話かさっぱりわからない。そもそも離宮が何のかもわからないし、それゆえ話の重大性も全く理解できない。首を傾げるロザリアに、チーロは「うそだろ?」と驚きをあらわにした。
「ロザリア、離宮のことを知らないのか?」
「……わかんない」
もちろん言葉として離宮の意味は知っている。けれどチーロが言う離宮はどこか特定の場所を指していることは明らかだ。はて、と首を傾げると傍らにいたコルトが言を継いだ。
『離宮とは、代々魅了の王妃が住まうラグーザ王国の離宮のことであろう』
「そうなの?」
『ああ。魅了の王妃はその離宮で一生を過ごすことが決められている』
「え?」
コルトの言葉にロザリアは動きを止めた。
「何、それ」
『知らなかったのか? 魅了の王妃に求められるのは魔獣の統率だ。魔の森の側近くにある離宮でその役目を果たすべく、必要最低限の外出以外、その離宮で過ごすことが決められている』
「そんなの、嫌だ……」
頭の中は真っ白だった。一生を魔の森近くの離宮で過ごす? 必要最低限の外出以外認められない? そんな話は聞いていない。それではロザリアは籠の中の鳥と同じだ。ラグーザの王妃となりながらトリエスタで今まで通り働けるはずもないのだが、両親や姉妹、親しい人達はみんなトリエスタにいる。彼らに会いに行くのは、必要最低限の範囲内に入るのだろか。セストだって何も……。
何やらコルトと会話を交わし、固まってしまったロザリアの袖をチーロが引いた。
「なんかよくわかんないけどさ、とにかくロザリア一緒に来てよ」
「その離宮に?」
「うん。今のうちにロザリアと一緒に行きたいんだ。どうしてもロザリアと一緒に見たいんだよ」
「―――わかった」
なぜか必死の様子のチーロに、ロザリアは頷いた。
コルトの話はあとでセストに確かめればいい。冷静になってみれば、ロザリアが最も嫌がりそうなことを、セストが勝手に押し付けてくるとも思えない。
『我が送ろう』
コルトは鞍を置くようロザリアに言うと、ロザリアとチーロを乗せて一気に走り出した。
あの建物だよとチーロが森の中に見え隠れする建物を指さした。コルトの足で駆ければ離宮まではあっという間だった。近づくと離宮は半分崩れかかりまるで廃墟だ。三階建ての、元は瀟洒な建物だったのだろう。
わずかに残った外壁には蔦紋様が描かれ、金枠の窓が並んでいる。おそらく窓にはガラスが嵌っていたのだろうが、どれも無惨に割れている。離宮までのアプローチにある噴水も外枠が崩れ、水が変な方向へ噴き出していた。
「立派な建物ね。だけどどうしてこんなに壊れてるの?」
わずか7,8年前まで人が住んでいたとも思えない様子だ。
「うん、ちょっといろいろとね」
チーロはこの惨状の理由を知っているようだったが、それ以上そのことについては何も言わない。
「立派なのは王妃の住まいだもん。それはそうだよ。お母様もずっとここで暮らしてた」
「そうなの? でもチーロのお父様はまだ国王にはなっていなかったのよね。それで争いになったのでしょう?」
「次期国王に内定した時点で、ディーナはこの離宮に移ったんだ。前国王の王妃は魅了じゃなかったからね。一刻も早く離宮に魅了の王妃を迎えたかったみたいだよ」
「でもその、お父様が亡くなってからはセストと恋人同士だったって聞いてるけど。だからてっきりあの屋敷でディーナと暮らしていたのかと思っていたわ」
「違うよ」
チーロはむすっとして首を振った。
「お母様がセストのとこで暮らすわけないよ。魅了の王妃は、その王が亡くなっても次の王妃が決まるまでこの離宮から出られないんだ」
「……そうなんだ。―――あの、じゃあもしかしてだけど」
ディーナが賊に襲われて亡くなったというのもこの場所だったのではないか。
言葉にはしなかったがチーロはロザリアの言わんとしていることを察して頷いた。
「そうだよ。来て」
チーロはロザリアの手を引いて崩れかけた建物へと入っていく。危ないのでは、と思ったがチーロには魔力がある。危険は回避できるのだろう。コルトは外で待っていると二人を送り出した。
エントランスホールも見る影なく破壊されていた。天井から吊るされたシャンデリアが傾いて今にも落ちてきそうだ。どうすればこんなにも壊滅的に壊せるのか、不思議なほどありとあらゆる物が破壊されている。
チーロは勝手知ったる様子でどんどん離宮の奥へと廊下を歩いていくと、ひと際立派な扉の前で立ち止まった。不思議とこの扉だけ蔦紋様の見事な装飾がきれいに残っている。
「ここ、お母様の部屋だったんだ」
チーロは扉を開くとロザリアをいざなった。
部屋の中は無残に壊されていた。おそらくベッドだったのだろうと思われる台は真ん中で真っ二つに折れ、割れた窓ガラスから風が吹き込み、ぼろぼろになったカーテンがはためている。
「ああ、こんなに……」
チーロは見る影のない部屋の惨状にしばらく立ち尽くした。
ロザリアは、かつて自分がディーナだった時にずっと暮らしていた場所ならあるいは何か思い出すかもしれないと辺りを見回した。ベッドにサイドテーブル、小卓にソファ。どれも壊れているがそれが何であったのかはわかる。奥には扉があり、開いてみると衣裳部屋だったのだろう。経年劣化したように傷んだドレスがかけられていた。
元の部屋に戻ると、チーロはまだ立ち尽くしていた。
「大丈夫? チーロ」
母親との大切な思い出の詰まった場所だ。無残な様子にショックを受けても仕方がない。膝をついてチーロに目線を合わせるとチーロははっとしたように顔を上げ、期待のこもった眼差しでロザリアを見た。
「何か思い出した?」
「ううん、ごめんね」
「そっか、だめか」
チーロはがっくりと肩を落とす。子供としては母親が自分のことを忘れているというのはつらいものだ。
「ごめんなさい」
チーロのため、セストのためにもディーナであった時の記憶を取り戻せればいいのだけれど、魔力のないロザリアではどうしようもない。
「いいんだ。僕の方こそごめん」
「少しでも何か思い出せればよかったんだけれど……。それにここ、お母さんとの大切な思い出の場所なんでしょ?」
「……ああ、うん。でもいいんだ。もう今ではほとんど来ることなんてなかったし。次の魅了の王妃が決まればどうせ捨てられることになってたんだし。いっそこうなってくれてすっきりしたっていうか、なんていうか。……うまく言えないや、へへ…」
チーロは照れ臭そうに横を向く。その目元が涙で赤くなっているのが見えて、ロザリアは思わずチーロを抱きしめた。
「ごめんね、チーロ。もしできるなら、わたしの中にあるディーナの心を覆っているものを取り払って。そうしたらチーロのこと思い出せるでしょう?」
ディーナの心は強力な魔法によって覆われていると聞いた。それさえ取り払えばチーロのこともセストのことも思い出せる。
けれどチーロは首を振った。
「だめだよ、できないんだ。僕の力じゃ人の心に触れる魔力は使えない。そんなことができるのはセストくらいだ。そのセストが解けない魔法だと言ってるんだ。無理だよ」
「あの、気になってたんだけど」
ロザリアはチーロをそっと離すと疑問をぶつけた。
「そのディーナの心を覆っている魔法って、そんなに強力なの? でもディーナって魔力はなかったのよね。だとしたら一体誰がディーナの心を覆ったの?」
「それがわからないんだ。セストもわからないって言ってた」
「でもほら、魔力の残り香には使った人の揺らぎが見えるんでしょう?」
火石暴発の家事現場でセストが火石に残った魔力を可視化して見せてくれた。もっともその揺らぎのせいで魔力酔いを起こしたのだけれど。
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