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事件解決篇①
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現実世界のエデル=犯人がどうなっているのか、の回です。
ーーーーー
軍犯罪捜査局による捜査の結果、王都の殺人事件の犯人は
エデル・カウフマン(25歳)だとされた。
住居に踏み込むと、薬物の大量摂取により意識不明に陥った状態のエデル・カウフマンが捜査員らに発見された。
一旦軍の病院に搬送されたエデル・カウフマンだったが
搬送されてから2日後、忽然と消えた。
部屋は魔法で貼られた結界の中、本人は意識不明、しかも被疑者だったため片手は固定されていたというのに
被疑者だけが消え失せた。
◆
倒れていた見張りの脳内を接触スキャンした捜査員によると、数々の関門をくぐり抜けて病室にたどり着いたのは
帝国諜報特務庁の局長であるウベル・シオドマクであったことが判明した。
特別捜査官のフランツに闇魔法を放ち、意識不明にした人物である。
見張りの頭の中に残っていた脳内映像を継ぎ合わせると
ウベル局長は、エデル・カウフマンと共にどこかに転移していったと思われた。
無論、王国の魔法防御システムを破るのに、王国内に放たれた帝国側の間諜が協力した可能性も濃厚だ。
=====
軍の特別隊の助力も仰ぎ、貧民街にある被疑者エデル・カウフマンの住居に踏み込んだ時、彼らがその一室で見たものは
周囲に錠剤が散乱したボロボロのベッドとそこに横たわる若い男の姿だった。
部屋の中には悪臭が漂い、エデル・カウフマンが父親と暮らす部屋はひどく乱雑だった。
空の酒瓶、あらゆるゴミ、服だかボロ布だか分からないような代物、…。
貧民街にある建物自体が朽ち果てそうなシロモノだったが部屋も「人間が住めるのか?」と言いたくなるような部屋だった。
周囲を確認の上、被疑者の脈を見ると違法薬物の過剰摂取で非常に重篤な状態であった。
医療班に搬送させる指示を出していたら、そこにエデルの父親と思われる男が帰宅してきた。
酒の匂いをプンプンさせて。
ワレス・カウフマン。この酒浸りの父親の居場所が不明だった。後に賭博場で経営者からシメられていたと判明。ボコられて、借金の証文を書かされて解放されたのだとか。
この最低な父親を、エデルは自身の薄給で養っており、幼少期に母親が家出してから父子2人暮らしだったようだ。
酩酊状態の父親・ワレス・カウフマンだったが、一応話を聞いたほうがよかろうと、連行することになった。
担架に乗せたエデル・カウフマンを部屋から運び出して階段を下ろうとした時、住民らしき女性がエデルを見て叫び声を上げた。
「エデル ?…エデルはどうしたの…?あなた達は一体…」
「住民の方ですか」
「…隣に住む者です。うちはこの子とは長い付き合いで家族同然で…まさか」
「残念ながら意識はありません…これから搬送します」
エデルがとある事件の被疑者だと聞いたマルファは真っ青になった。
(まさか…あの時の?)
様子がおかしかったあの日のエデル。
(ワレスおじさんは連行されるのね…どのみちエデルがいなけりゃ、おじさんは生きていけないわ────)
=====
お読みいただきありがとうございます。
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軍犯罪捜査局による捜査の結果、王都の殺人事件の犯人は
エデル・カウフマン(25歳)だとされた。
住居に踏み込むと、薬物の大量摂取により意識不明に陥った状態のエデル・カウフマンが捜査員らに発見された。
一旦軍の病院に搬送されたエデル・カウフマンだったが
搬送されてから2日後、忽然と消えた。
部屋は魔法で貼られた結界の中、本人は意識不明、しかも被疑者だったため片手は固定されていたというのに
被疑者だけが消え失せた。
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倒れていた見張りの脳内を接触スキャンした捜査員によると、数々の関門をくぐり抜けて病室にたどり着いたのは
帝国諜報特務庁の局長であるウベル・シオドマクであったことが判明した。
特別捜査官のフランツに闇魔法を放ち、意識不明にした人物である。
見張りの頭の中に残っていた脳内映像を継ぎ合わせると
ウベル局長は、エデル・カウフマンと共にどこかに転移していったと思われた。
無論、王国の魔法防御システムを破るのに、王国内に放たれた帝国側の間諜が協力した可能性も濃厚だ。
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軍の特別隊の助力も仰ぎ、貧民街にある被疑者エデル・カウフマンの住居に踏み込んだ時、彼らがその一室で見たものは
周囲に錠剤が散乱したボロボロのベッドとそこに横たわる若い男の姿だった。
部屋の中には悪臭が漂い、エデル・カウフマンが父親と暮らす部屋はひどく乱雑だった。
空の酒瓶、あらゆるゴミ、服だかボロ布だか分からないような代物、…。
貧民街にある建物自体が朽ち果てそうなシロモノだったが部屋も「人間が住めるのか?」と言いたくなるような部屋だった。
周囲を確認の上、被疑者の脈を見ると違法薬物の過剰摂取で非常に重篤な状態であった。
医療班に搬送させる指示を出していたら、そこにエデルの父親と思われる男が帰宅してきた。
酒の匂いをプンプンさせて。
ワレス・カウフマン。この酒浸りの父親の居場所が不明だった。後に賭博場で経営者からシメられていたと判明。ボコられて、借金の証文を書かされて解放されたのだとか。
この最低な父親を、エデルは自身の薄給で養っており、幼少期に母親が家出してから父子2人暮らしだったようだ。
酩酊状態の父親・ワレス・カウフマンだったが、一応話を聞いたほうがよかろうと、連行することになった。
担架に乗せたエデル・カウフマンを部屋から運び出して階段を下ろうとした時、住民らしき女性がエデルを見て叫び声を上げた。
「エデル ?…エデルはどうしたの…?あなた達は一体…」
「住民の方ですか」
「…隣に住む者です。うちはこの子とは長い付き合いで家族同然で…まさか」
「残念ながら意識はありません…これから搬送します」
エデルがとある事件の被疑者だと聞いたマルファは真っ青になった。
(まさか…あの時の?)
様子がおかしかったあの日のエデル。
(ワレスおじさんは連行されるのね…どのみちエデルがいなけりゃ、おじさんは生きていけないわ────)
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お読みいただきありがとうございます。
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