Retry 異世界生活記

ダース

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第2章.少年期

39.道具コーナー

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道具コーナーに入ると、1番目につくのは鞄だ。
肩掛け式の物や、リュック型の物、腰のベルトにつけられる物など様々だ。

おおぅ。見てるだけで楽しい。


ここで俺はあることを思い出した。

…そういえば、コルトがタンクビーを運んでくるときに便利な鞄を使っていたな…。
そう、コルトは明らかに鞄より体積の大きいタンクビーを、鞄に手を突っ込んで取り出すのだ。
不思議だが便利なものがあるんだなーといつも見ていた。


そんな鞄は無いかと探してみる。

しかし、どの鞄もふたを開けると中が見える普通の鞄だ。
いろいろと物が収納できるように小分けにできる区切りが付いた物が多い。

ん~。ないなぁ…。
やはり珍しいものなのだろうか。いまいち見つからない。

「すみません。物がたくさん入る鞄ってありますか?見た目よりいっぱい入るような…。」
こんな時は店員に聞いてみるに限る。
と紳士服の品のよさそうな店員に話しかけた。

「見た目よりいっぱい入る鞄…。マジックバッグのことでしょうか。」

マジックバッグ。
そういう名前なのだろうか。わからないので、知り合いがそんなのを持っていて自分もほしいと説明した。

「それはマジックバッグという鞄ですね。かなり高価な品で申し訳ありませんがこの店舗では取り扱っておりません。領都や王都での店舗では取り扱っておりますので、機会があればそちらを訪ねてみてください。」
少し申し訳なさそうな表情で紳士的な店員は答えた。

う~む。やっぱりかなり高価なようだな。
コルトからもらえないだろうか…。
しかし、あれが無いと、コルトもタンクビーを運べないだろうしな…。

まぁ、マジックバッグは今手に入れたところで何かに使うわけでもないから冒険者になってから大きな街で探すことにしよう。


そんなことを思っていると後ろから声がした。

「クルスくん!なにか見つかった?」
メルとロッテだ。
手にはどうやら1階で買った商品の袋を抱えている。
武器を買うお金は残してあるんだろうな…と心配になる。

「結構武器って高いんだな…。ちょっと手が出ないよ。」
商品を見た感想を正直に伝える。

「そうなんだ…。」
メルの犬耳がしょんぼりと垂れる。

「メルはいくら予算があるんだ?」
そう。まず根本的にいくら持っているんだ!
ってことを聞く。

「5万ガルだよ。お父さんがくれたんだ!」
うれしそうにメルが言う。

…な…なに…。俺の全財産より多い…。
こいつ実はボンボンか…?
そう思いながら目を細める。

「そ…そうか。しかしなかなか買えるものはないぞ?」
うむ。しかし5万ガルあったとしても武器はなかなか高いからな。

「ん~。まぁとりあえず見てみるよ!」
メルがそう言うと、俺たちは武器コーナーに向かった。


「む~。高いね~。これ結構ほしいけどこの値段はな~…」

メルもロッテも悩みながら武器を見ている。
やっぱり思ったより値段が高くて悩んでいるようだ。

「あ、これいいかも!」
メルがなにか見つけたようだ。

近づいてみてみると、
ショートソードよりだいぶ短い剣を持っていた。

「鑑定」


鑑定結果
・種類:剣
・分類:ナイフ
・材質:鉄
・名前:---


ふむ。ナイフか。
たしかにメルはなんだかすばしっこいし、これくらい小回りのきく武器の方がいいかもな。
と思った。

値段を見てみると
「20,000ガル」

うむ。これなら買えそうだ。
なんなら2本買ってもおつりがくる。

「いいんじゃないか?」
俺がそう言うと、

「うん!これにする!」
メルはニッコリと笑い、これを1本買った。


ロッテは予算不足なようで武器は買わなかった。


武器を買った後、3人で道具コーナーも見に行った。

これもそこそこ値段がするので特には買うつもりはない俺だ。


メルとロッテが鞄コーナーを見て盛り上がっている。

ふむ。たしかに、結構おしゃれな鞄も売っていて目を惹かれるな…と思って見ていると、
そんなコーナーの端にくしが並んでいるのを見つけた。


形は前世の日本で見たものとほとんど同じでなんだか懐かしい感じがした。
妹にでも買っていってやるかと、一つ手に取った。

すると、鞄コーナーを見ていたはずのメルがこっちを見ていた。
そういえば、メルはモフモフの尻尾を持っていたな…。
と思い、この櫛の試しにとメルを呼んでみた。


「メル。ちょっと後ろ向いて?」

「え?いいけど…」

後ろを向いたメルの尻尾を掴むと、手に取った櫛で梳いてみた。

スーッ。スーッ。
おっ。なかなかよく梳ける。

「ひゃっ…っ。クルスく…。ふ…っ。うぅぅ…。はぅ…」
メルがなにか驚いた声を上げている。

そう思っていると、

「ちょ…っちょっとクルスくん!」
急に声をかけられたと思ったら、ロッテに手を掴まれた。

「お…女の子に急にそんなことしちゃダメなんだよ!」
なにかちょっと怒っている。

「ご…ごめん。」
とりあえず、女の子に怒られたら謝ってしまう。
う~む。
しかし、犬や猫の感覚でモフモフなものを見てしまうと、つい撫でてしまいたくなるが、
メルも一応、立派な女性だと考えると、勝手に触ってしまったのはよくなかったのかも…と少し反省した。


「あ…うぅぅ…」
メルが何かうつむいている。

「メル…。ごめん…」
一応謝っておく。


「あ…。べ…べつに大丈夫だよ。…きもち…よか…。うぅ…。」

なんだかよく聞こえないがあまり怒ってないようなのでホッとした。


そんなわけで、今日の収穫はメルの武器が一応買えた。
あと、俺が梳いた櫛が気に入ったのか、それも買っていた。


俺とロッテは予算不足で収穫は無かったが、武器の値段がなんとなくわかったので、
まぁ、よしとすることにした。

あ、そうだ。
さっきの櫛、俺も買っておこう。1個1000ガルだしな。

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