呪われてても大好き。

関塚衣旅葉

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夜中の電話

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 半年記念日よりも少し前の話。
夜中に電話がかかってきた。
仕事してるはずのももちゃんから。
「もしもし? どうしたの? お仕事中じゃないの? 」
電話は繋がってるのに返事はない。
無音じゃないから生きてるのは分かる。
ガサガサ音がしたり、なんか話し声も聞こえる。
でも何を話してるか聞こえない。
なんで電話かかってきたのかもよく分からない。
これ以上話しかけても、電話を繋げてても無駄だと思ったので、切ろうとした時に変な声が聞こえた。
『このままじゃ帰れない~、一緒に泊まろ...? 』
それは、ももちゃんの声で間違えなかった。
その会話の返事を聞く前に、電話を切った。
浮気されてるのかなって不安になった。
目の前は電気がついてるはずなのに、真っ暗。

 噂では聞いていたのだ。
ももちゃんは恋人がいても、遊ぶのを辞めないって。
私と付き合ってる間は、そんなことありえないと思っていた。
そんなことさせないくらい愛を伝えてるつもりだったのに。
暗闇はどんどん広がって、飲み込まれそうになってしまう。
苦しくて仕方ない。
好きな人が出来たら、幸せでいっぱいになると思ってたのに。
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