闇の深そうな話

関塚衣旅葉

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それと昔の私

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 これ書くのはなんか、怒られそうな気もするけど、書きたいから書くよ。
大丈夫、悪いのは私じゃない。
 
 これは少し昔の話。
まだ私が、お話を書く前。
具体的に言うなら、小学生かな。
私には一応前の父親がいる。
小学校低学年の時くらいに、友達のお父さんが再婚したから血が繋がってないとか、あの子のご両親離婚したとか。
そんな話を聞くようになった頃、私の中にこんな思いが芽生えた。
大丈夫、ママとパパは多分大丈夫。
私は勝手にそう思うことで、逃げていたんだろう。
私が夜になると寝室に行かされ、パパと一緒に寝ていた時。
私が寝たフリをするとパパはリビングに戻りママと2人でアニメを見ていた。
思い出すと、多分だけどレスだったんじゃないかな。
私、いい子じゃないから寝たふりして、リビングの閉まっているドアの付近に座って、聞こえてくる音声を必死に聞いていた。
私、邪魔なのかな。
そう思いながら。
そんなことを多分、4.5年続けてた。
でも、ある時からパパは出張が多くなった。
ここからは記憶を繋ぎ合わせながら書くから曖昧だったり単語が多くなるけど、許してね。
猫がいる事務所に移動したパパ。
いつの日だったか分からないけど、職場が変わったと聞かされた。
作業着が変わったからそれは理解出来た。
作業着が変わった頃から、帰りが遅くなった。
ある時パパのガラケーで見た、猫さんの写真が頭から離れなかった。
まだお仕事してるのかな。
猫さんと遊んでるのかな。
私とは遊んでくれないのかな。
そんなことを思いながら食べる夜ご飯は美味しくなかった。
ママの機嫌がどんどん悪くなって、家の中にいるのが辛かった。
私は昔から、何となく想像力が豊かな方だと自分でわかっていた。
作り話をしたり、幽霊が見えると言ったり。
そんな話がしたくても、ご飯を作っても帰ってこない、連絡もないパパに対してママはイライラしていた。
そのイライラは明らかにわかり易くて、私にはその感情が見えるのが痛かった。
その頃からだろう。
家でのご飯を食べるスピードが遅くなったのは。
元々早く食べれなかったのに、1時間くらい時間かかっていた。
空気が重くて、美味しくなくて(美味しくないように感じただけです)。
本当は家族3人でご飯が食べたかった。
でもそれを言うのはわがままだと分かっていたから、頑張ることしか出来なかった。
いい子のフリをして、頑張って味のしない何かを食べて。
でも、たまに早く帰ってくる日もあった。
その時は、私がビールをパパに渡して、パパがビールを飲みながらご飯食べて、いたはず。
記憶が曖昧なのは回数が少なかったから。

 ある時、パパが出張に行ったんだ。
まだ私が4年生かな、3年生かな。
そのくらいの時。
東北に行ったの。
その時はりんごジュースか仙台の七夕祭りのタオル買ってきてくれたから、青森か宮城に行って帰ってきてくれた。
でも、頻繁に出張に行くから、あんまり一緒に過ごした記憶はない。
それでも、また帰ってきたら一緒に夢の国に行くんだって。
ファミレスで2人でご飯食べた時に、とあるアニメキャラの待受にしてたから、私もケータイ買って貰えたらその待受の画像送ってねって約束したの。
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