闇の深そうな話

堕ちた

 痛くてもいい、愛されてなくてもいい。
帰っても人間扱いされる保証は無い。
それでもいいから帰りたい。


 そう思うことがたまにあります。
時間が解決してくれるなんて言葉がありますが、解決してくれません。
記憶を失えるのなら失いたい。
今でも鮮明に覚えてます。
真夜中に一人で家に帰ったこと。
拒絶されて一人で寝たこと。
暴言吐いた後に優しいフリしたセックスをすること。



痛いけど帰りたい。
肩を噛んでと初めに言ったのは私だったかもしれない。
あそこまで悪化させたのは私が言ったからなのかもしれない。
服が触れるだけで痛みが走る。
その首のあざどうしたの？と何度聞かれたことか。
体中に付けられた痣。
とてもじゃないけどキスマークなんて、優しい名前のものではなかった。


首絞めセックスしたら気持ちよくなるって聞いたなんて軽々しく言ったばかりに行われた死にかける儀式。
あー、これで天国に行けるのかなって何度思ったか。
痛いけどあいされてるなら。
あいされるとはなんだったのか。
体中にアザをつけられて、親や周りに心配されることか。
大好きな友達とご飯を食べに行ったら、俺のご飯は？
病人を放置するの？って言われてお店の駐車場で、引かれそうになったこと。
電話を無視すると家まで来ること。


逃げ出したくなって大人に助けを求めたばかりにその後もっと酷くなった行為。
イルミネーションは綺麗だったけどあなたとは見たくなかった。
あの頃の私と話してくれたお兄さん方は普通にこの子やばいなって思ってただろう。

頭の中では分かってたけど、逃げる方法も分からない。
誰かに連絡しようにも、連絡先消せって言われた。
覚えてるのはTwitterの名前だけ。
私のことを覚えてる保証はないし、助けてくれるわけない。
私が一方的に切ったから。
心配してくれてる人達の気持ちを踏みにじったから。


痛い。
痛いな。
今でもカシオレを飲む時は嫌な思い出が蘇る。
だから、私は、カシオレは飲まない。
カシオレに罪はないけどね。