闇の深そうな話

関塚衣旅葉

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家から出れない話

4 家から出れた話

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 家から出たかったけど、家から出れない、彼氏が家に帰るのを許可してくれない。
って話で始めたこれ。
なんかね、今日学校に行った話をしたらなんで家に帰らないの?って怒られた。
俺学校始まったら帰ると思ってた。
てか、彼女でもないのになんでずっとうちにいるの?
早く帰れよ。

との事でした。
どうやら、私は誰にも愛されてないし、彼氏だと思ってた人は彼氏じゃなかったみたい。
私がおかしかったのかな。
夏休み始まってすぐは、帰らないで、帰るなら歩けなくするって言われたのに。
俺以外のところに行くのは許さないとか。
言われた気がするのに。

 
少女は、知らないうちに変な解釈をするようになってしまった。
誰かに愛されたいのに愛されてない事が辛く、たまたま出会った男性に恋をし、理想を重ね、自分は悲劇のヒロインだと思い込むようになっていた。
学校では、彼女の様子がおかしいという話は夏休み前からされていた。
家に帰っているようだけど、毎日違うシャンプーの匂いがするため、教師たちはなんだか心配だと言う話をしていた。

 彼女の首には、タバコを押し付けられたような跡があった。
これに関しては、現実で。
しかし、彼女は気付いていないようだ。
そして、彼女が夏休みの間過ごしていた家の持ち主は存在していなかった。
存在していないというか、もう今この世に居ないというか。
詳しくは、また後日。

 「ようやく僕の出番が来たようで嬉しいよ」
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