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ニート時代
第26回
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昔使ってた掛け布団を捨てた。
ついでに記憶の整理もしようと思う。
数年前の話。
まだ私が学生だった頃、異常なほど歳上の恋人が欲しくてたまらなかった時期があったのだ。
今思えば寂しかっただけなんだけどね。
そんな時に、出会ってしまったのだ。
私が初めてコスメを買うきっかけを作ってくれた方と。
その人はとても綺麗で、オシャレで、素敵な人だった。
10個くらい年上だった気がする。
SNS上で仲良くなって、高校の校外学習の後に、私は友達と別れ、ひとりで秋葉原に向かった。
待ち合わせ場所を秋葉原にしたからね。
初めて恋愛絡みじゃなく、ただ女友達として待ち合わせをした。
とても素敵な方が来て、事前に会話してた通りコスメを見に行こうか。って話になって。
秋葉原よりも、新宿の方が良さそうかもって事で、一緒に電車に乗って新宿で降りた。
親以外の人と新宿で降りるのは初めてで、沢山人がいて少し不安になったのを覚えている。
どこでコスメを見たのか覚えてないけど、歩きながら普段お化粧してないの??
若くて綺麗でいいねぇみたいなこと言われた気がする。
すごく優しくていい匂いのする人だった。
たくさんの人がいるこの街で、私たち二人だけの空気を感じた。
初めて買うから何色がいいかな、まずは何買うべきかな?とか話しながら、お姉さんは口紅買うのがいいと思う、って言っていた。
初めてちゃんと見る化粧品たちは宝石のように輝いていて、私には眩しかったけど、お姉さんが教えてくれるから頑張って色々見ながら選んだ。
何色かおすすめの色を聞いて、その中で一番いいなと思った少し赤みの強いピンクの口紅を買った。
2000円くらいだったか、もう少し安かったか。
多分買ってもらったのだ。
とても嬉しかった。
それまでに他の人から、コスプレ衣装を買ってもらったなんてことはあったけど、化粧品は初めてで、めちゃくちゃ嬉しくて。
唇に色を塗るだけでも気分が上がったし、可愛くなれた気がした。
その出来事からそんなに時間が経たないうちに、彼女とは連絡を取らなくなった。
色々とあったのだろう。
私が、とかではなくて、彼女の気持ち的な問題だった。
だから、しつこく聞くこともせず、ただ貰った口紅を大切にしようと強く思った。
それから結構時間が経って、沢山使って、もう塗れなくなってしまったからの口紅を私は捨てることにしたのだ。
私が初めて顔に色を付けるきっかけを作ってくれた彼女の幸せを願って。
ありがとうございました。
私はあなたの本名すら知らないし、今何してるのかも分からないけど、あなたがいたからお化粧に興味を持ったし、今では沢山メイクしてるんだよ。
とっても感謝してます。
貴女と出会えて本当に良かった。
あの頃使ってたリップよりも似合う色見つけたから、今とっても可愛くなったんだよ。
さて、引き出しに気持をしまいましょうか。
ついでに記憶の整理もしようと思う。
数年前の話。
まだ私が学生だった頃、異常なほど歳上の恋人が欲しくてたまらなかった時期があったのだ。
今思えば寂しかっただけなんだけどね。
そんな時に、出会ってしまったのだ。
私が初めてコスメを買うきっかけを作ってくれた方と。
その人はとても綺麗で、オシャレで、素敵な人だった。
10個くらい年上だった気がする。
SNS上で仲良くなって、高校の校外学習の後に、私は友達と別れ、ひとりで秋葉原に向かった。
待ち合わせ場所を秋葉原にしたからね。
初めて恋愛絡みじゃなく、ただ女友達として待ち合わせをした。
とても素敵な方が来て、事前に会話してた通りコスメを見に行こうか。って話になって。
秋葉原よりも、新宿の方が良さそうかもって事で、一緒に電車に乗って新宿で降りた。
親以外の人と新宿で降りるのは初めてで、沢山人がいて少し不安になったのを覚えている。
どこでコスメを見たのか覚えてないけど、歩きながら普段お化粧してないの??
若くて綺麗でいいねぇみたいなこと言われた気がする。
すごく優しくていい匂いのする人だった。
たくさんの人がいるこの街で、私たち二人だけの空気を感じた。
初めて買うから何色がいいかな、まずは何買うべきかな?とか話しながら、お姉さんは口紅買うのがいいと思う、って言っていた。
初めてちゃんと見る化粧品たちは宝石のように輝いていて、私には眩しかったけど、お姉さんが教えてくれるから頑張って色々見ながら選んだ。
何色かおすすめの色を聞いて、その中で一番いいなと思った少し赤みの強いピンクの口紅を買った。
2000円くらいだったか、もう少し安かったか。
多分買ってもらったのだ。
とても嬉しかった。
それまでに他の人から、コスプレ衣装を買ってもらったなんてことはあったけど、化粧品は初めてで、めちゃくちゃ嬉しくて。
唇に色を塗るだけでも気分が上がったし、可愛くなれた気がした。
その出来事からそんなに時間が経たないうちに、彼女とは連絡を取らなくなった。
色々とあったのだろう。
私が、とかではなくて、彼女の気持ち的な問題だった。
だから、しつこく聞くこともせず、ただ貰った口紅を大切にしようと強く思った。
それから結構時間が経って、沢山使って、もう塗れなくなってしまったからの口紅を私は捨てることにしたのだ。
私が初めて顔に色を付けるきっかけを作ってくれた彼女の幸せを願って。
ありがとうございました。
私はあなたの本名すら知らないし、今何してるのかも分からないけど、あなたがいたからお化粧に興味を持ったし、今では沢山メイクしてるんだよ。
とっても感謝してます。
貴女と出会えて本当に良かった。
あの頃使ってたリップよりも似合う色見つけたから、今とっても可愛くなったんだよ。
さて、引き出しに気持をしまいましょうか。
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