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戦乙女の嘆き②
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その映画に出たのは売れずに燻っていた時のことだ。ヒューゴは当時のことはあまり思い出したくないと、そう思っている。
オーディションに受かったのはたまたまだった。監督が、腐っていたヒューゴの顔が、苦悩する主人公にピッタリだと言って選抜したのだ。それだけだったので、演技力が足りていないとか、主人公がぱっとしないとか散々な言われようだった。もっとイケメンの方がいいんじゃない?なんて、街中で何度聞いただろう。
もっともヒューゴも同意見だった。役者を目指してはいたが、花形なんてなりたいわけじゃなかった。主人公の親友とか、活躍する恋人を応援する理解のある彼氏だとか、そういうポジションになりたかった。今ではずる賢く小心者だなと思うが、当時は本当にそういうのが良かったのだ。
初めての主役、初めての大舞台。だが内容は格好いいスマートな現代を舞台にしたものではなく、泥にまみれる中世の復讐鬼を描いたものだった。
戦場でモーニングスターを片手に、国を陥れた敵国の兵士達に襲いかかる。技術なんて持っていない、ただ鈍器で殴りつけていくだけの戦闘シーン。それが、ヒューゴの容姿にぴたりとはまっていたのだから、監督の審美眼は本物だった。結論からいうと、初の主演映画はそれなりに売れた。監督の名前もヒューゴの名前も一緒に売れた。あれはヒューゴの、まさに転換期だった。
……まあ、それからはそういう役しかオファーが来なかったから、良いような悪いような気もするが。
とにかくそうやってハマり役を得て、ヒューゴはほどほどの役者になった。恋人のできないまま、数年後に事故死しなければもっと良かったのだが。
「今日も恐ろしいくらいのいい天気だな。吐き気がする」
天界というのは悪天候というのが存在しないらしい。少なくともヒューゴは見たことがない。今日も快晴で青い空が眩しい。眩しすぎて、あの時のようにくさくさしているヒューゴには毒だった。
何が良かったのか、伝説に聞く天界などというところに連れて来られて、何をするでもなくただ過ごす毎日。一応朝と夜があって下界のような生活ができるのは良かったが、目的もないと地獄のようだった。やることが無いのが本当に辛い。他のエインヘリヤル達は、各自でなにかをする者もいたが、ヒューゴはそこへ混じろうとは思えなかった。なにしろヒューゴにはできることがない。神々の為に神殿を補修したり、庭を整備したり。芸を磨くなんてもっての外だ。だってここには、ヒューゴより優れた役者がたくさんいる。脚本家も居れば舞台監督もいた。有名な女優も俳優も、オーケストラだっていたから、しがない映画俳優のひとりであるヒューゴの出る幕は無かったのである。
そんなわけでやることもなくただ過ごしているだけのヒューゴの日課は、その辺をぶらぶら探索することだった。なにしろこの天界というのはとにかく広い。各地にエインヘリヤル達のための生活施設があったので、そこを巡るように天界中を移動していた。気に入ったところに定住すればいいと思って、天界に来てからはずっと彷徨っているような状態だった。
多少、他のエインヘリヤルと接触することはあったが、基本的には干渉しない。だからヒューゴは、このヴァルハラについて疎かった。
この日も日の出と共に立ち寄った施設を出て、さてどちらへ行こう、と丘から辺りを見回している時だった。すっと日が陰ったのに気付く。
たまに通り雨が降ったり、大きな鳥が飛んでいったり、はたまた羽根のある天使が通ったりするから、この時もそうなのだろうと空を見上げた。見えたのは、羽根のある天使だった。それも三人。
ヒューゴはいつも通りそれを眺めていた。天使はエインヘリヤルと違って、それぞれ明確な役割を持っているらしかった。遠くに見える大きな城に向かって行ったりするのをよく見かけた。それを見て、せっかく天界などというところに来たのだから、空くらい飛べるようになっていてもいいのに、なんて思ったりしていた。
ぼうっと眺めていると、天使達はふっと進行をやめて、そして何かに気付いたように下降していた。さっき出てきた施設に用があるのかと思っていると、だんだんとこちらへ向かってきているように思えた。
おや、と思った時には、三つの影はヒューゴの間近に降り立っていた。
こんなにも間近で天使を見たのは天界に来た時以来だ。ヒューゴは驚きながらも天使達を観察していた。
先行してやってくる二人はよく似た顔立ちだ。雰囲気も似ているが、髪色が異なっており衣装の趣向はだいぶ違う。金髪のほうは華やかだが、オレンジ色の髪色のほうは艶やかだ。二人は足早にヒューゴの元へやってくると、両側から耳元に囁いた。
「いいこと。お前は今から〝アイオロス〟よ」
「役者の端くれならなりきりなさい。お姉様の前だけでもいいから」
「はっ?」
目を白黒させるヒューゴを無視して、天使は振り返った。向こうから最後の一人がやってくるためだ。ヒューゴも二人に倣って、その一人を迎えた。
視線を上げた先の天使の姿に、ヒューゴは息が止まった。
先にやってきた二人は確かに美しい。だが、目の前にいる天使の美貌はどうだ。陽の光を受けて黄金に輝く髪を靡かせ、丘の上からやってくる姿は絵画のようだった。しっかりとした体躯は非常に健康的で、見事な装飾の施された鎧が豊かな胸を押し上げる。きゅっと締まったくびれも強調されるデザインで、彼女の魅力を引き立てていた。
象徴的なのは、その瞳だ。深い深い青。深海を覗いているような、星の瞬く時間帯の空のような、いや、むしろ夜明け前だろうか。そこへ光が射して、淡い藤色にも見える。
朝露で濡れていた足元の芝生がきらきらと輝く。まるでその天使が輝いているようだった。
ほぅ、とため息が聞こえた。ヒューゴはそれが自分が出したのかと一瞬思ったが、直後に「お姉様、きれい……」と聞こえたので、二人いる天使のうちのどちらかのものだとわかった。
「アイオロス。探した」
目の前までやってきた天使は言った。ふわりと微笑む美貌に瞬きを忘れてしまう。ヒューゴは目の前の光景が現実なのかわからなかった。その天使が、あまりにも美しすぎるのだ。ぱかりと口を開けて惚けていると、右側から天使につつかれた。
「〝アイオロス〟。こちらは戦乙女のクレフティヒ様です。わたくし達の姉ですわ」
「お姉様はね、お前のあの『映像』をご覧になって、興味を持たれたそうよ」
映像、と聞いて合点がいった。件の映画のことだろう。あれを見て、この美しい天使様はヒューゴの元へ来た、というわけだ。役名でヒューゴを呼ぶのがどういうことかはわからない。役者の名前まで覚える気がないということだろうか。
とりあえずヒューゴは、かの役のことを思い出した。話に乗っておいたほうが良さそうだと判断したのだ。
「わたしに何か御用でしょうか」
さっと膝を折って首を垂れる。映画の〝アイオロス〟は国に仕える兵士だった。王家への忠誠心が非常に強く、それは戦場へ出ても変わらなかった。
だが、それが災いした。敵国の策略で国が窮地へ追いやられると、王家は尻尾切りとしてアイオロス達の部隊を内通者と偽って処分しようとした。そうすることで王家の失敗を誤魔化そうとしたのだ。それでも王家のため、国のために戦うアイオロスだったが、次第に王家への猜疑心が生まれていく。だんだんとそれが強くなるにつれ、アイオロスは何のために戦えばいいのかわからなくなった。そうして王家を信じられなくなっていったアイオロスであったが、最終的に自分の故郷を守りたいという思いを貫き国を救った。しかしアイオロス自身はそれまでの言動を咎められ、処刑されるに至る。間者ではないかと疑われ、疑いが晴れてもあまりに残虐な振る舞いであったことを責められるのだが、そうしなければ自身の身が危うかったし、国を救うなど到底不可能だった。結局のところアイオロスの行いは自己満足だったのか、というところで物語は終わる。
いずれにせよ、付き従う相手には丁寧な態度を取る男だったから、ヒューゴのこの行動は間違いではないだろう。
「頭を上げなさい。お前に頼みがある」
頭上からの声は玲瓏として、ヒューゴの耳によく馴染んだ。なんだかこれだけで心臓がバクバクしている。いや、魂の状態なのだから、心臓の音ではないのかもしれないが。
とりあえず言葉の通りに姿勢を戻すと、天使が目の前にいる。あまりに眩すぎて目が潰れそうだ。
クレフティヒはそんなヒューゴを気にも留めず言葉を続ける。
「お前を勇敢な戦士と見込んでのことだ。次の『ラグナロク』に挑戦して欲しい」
「『ラグナロク』に、わたしがですか」
「ああ。お前なら問題ないだろう。競技はなんでもありの格闘技だが、得意な得物を使用することが認められている」
なんでもあり、とヒューゴは繰り返す。一気に不安感を覚えた。そもそも格闘技の心得なんてない。だが、今のヒューゴは〝アイオロス〟だ。アイオロスなら、競技に出ることはできるかもしれない。即答はしないだろうが出場することはあるだろう。
けれどヒューゴはあくまで役者、闘士でも格闘家でも戦士でもない。どうしたらいいんだ、と混乱しつつ、それを表情に出さないように必死に堪えていた。
怪訝な表情のヒューゴに、クレフティヒもまた眉を寄せる。
「どうした。お前ほどの戦士ならば挑んでみたくなるだろう?」
まずい、とヒューゴは感じた。この美しい天使に見限られたくないと、なぜかそう思ってしまった。でも、だからと言って自分が出場することなど考えられない。
それで言葉に詰まっていると、左右からこほんこほん、と咳払いが聞こえた。それにはっとする。無意識のうちに呼吸が止まっていたようで、一時的に苦しさから解放された。酸素を吸えたことで思考が戻ってきた。そうだ、この二人の天使は真っ先に自分に駆け寄ってきて、アイオロスとしてもうひとりの天使を迎えるように言ってきた。きっとなにか考えがあるのだろう。
「お姉様。きっとアイオロスは、今回の『ラグナロク』に他のエインヘリヤルが参加しないことを知っているのですわ」
「神々と巨人はともかく、エインヘリヤルはエインヘリヤル同士でしか試合を行うことはありませんからね」
「加えて今回はバーリトゥード。同等のちからを持つもの同士ならば良いですが、差があると試合になりません。それもアイオロスがお答えできない理由かと」
二人の天使はさり気なくヒューゴに情報を与えてくれた。なるほど、参加者がいないらしい。理由は競技が危険なものだからで、それによって人間の参加が一切なくなりそうになっている、と。
ここでなんと答えるのが正解だろうか。へたに勇み込むのは良くない気がする。相手がいれば是非とも参加したい、だなんてのは一番良くなさそうだ。万が一相手を用意されても困る。きっと格闘家も天界に数人いるだろうから、そういう人を用意されてしまったら怪我だけで済まないかも知れない。いや、格闘家ならまだましだ。中には腕に覚えはあるものの品行方正ではない者だっているだろう。もしもそんな奴が相手になったらたまらない。
ヒューゴはクレフティヒに向かって、申し訳なさそうな表情を作った。
「わたしは戦士ではありますが、仕えるべき王家、国に見限られた身。そんな者が神々の御前で試合うのはいかがなものかと」
あくまで戦う意志がないわけではないとしつつ、自分には資格がないことにする。完璧に近い答えではないだろうか。言葉遣いは正しいものかと冷や汗をかきながらヒューゴは続ける。
「そのわたしがクレフティヒ様の戦士として参加するのは望ましくない。申し訳ありませんが……」
自分は参加する気はないのだと、そう告げた。二人の天使に言葉を止められたりしなかったから、おそらく及第点だと思う。
だが、これでクレフティヒが納得するだろうか。
「……たしかに、『ラグナロク』は見世物ではない。神々と巨人との代理戦争のようなものだ。内容は変わっても本質までは変わることがない」
今はただのスポーツ観戦会、のようになってしまっているが、元はと言えば終末戦争の代わりに行われているのだ。崇高なものではないかもしれないが、街にやってくるサーカスとはわけが違う。競技場では屋台が出て、映像再生のアーティファクトで試合の内容が放送されるようになったけれど、あくまでこれは神々と巨人の戦いなのだ。
クレフティヒはそう言っていかに『ラグナロク』の参加が名誉なことなのかを説くが、〝アイオロス〟が頷くことはなかった。
「らちがあきませんわね」
それまで黙っていた二人の天使のうち、オレンジ色の髪の天使がそう呟いた。金髪のほうも、ふう、とため息を吐いて、困ったように頬に手を添える。
「ねえ、アイオロス。お前なら次の『ラグナロク』に出られるような戦士に、心当たりがあるのではなくて?」
そうきたか、とヒューゴは目を細めた。双子の詳しい思惑はわからないが、相手をアイオロスが推薦することは規約に反するわけではないらしい。都合の良い対戦相手を用意しろと、そういうことだろうか。
ヒューゴはとりあえずそれに乗っておくことにした。
「なくは、ないですが。名乗り上げないところを見ると、奴も似たようなものなのかもしれません」
「では、その者を説得できれば良いわけですね」
「そううまくいくかはわかりませんが」
双子は、ヒューゴの言葉に頷いてみせる。
「お姉様。アイオロスの推薦する相手は、わたくし達が説得してみますわ」
「ですのでお姉様は、ひとまず先にお戻りになって。きっとうまく事を運んでご報告いたします」
「いや、私もその者の説得を……」
「いけません。お姉様のエインヘリヤルはすでにアイオロスに決まっていますもの」
金髪の天使の言葉に、クレフティヒがそれは、と口籠る。ひとりの天使が複数人戦士を選ぶことはできないらしい。
「そ、そうか。そうだな。では悪いが、モルゲンロート、アーベントロート、後を頼む。私は先に戻っているよ」
「それで、どういうことでしょうか」
クレフティヒが去って、小さな影になるのを見届けてから、ヒューゴは残った二人の天使に訊ねた。二人は笑みを浮かべたまま名を述べた。クレフティヒの妹で、双子だという天使は、ヒューゴにねぎらいの言葉をかける。
「台本もないのに、よく切り抜けたと、まずは褒めてあげましょう」
「それは、どうも」
「おおよそのことは分かって? アイオロス……いいえ、ヒューゴ」
ヒューゴは驚いて目を見張った。
「俺の名前を知っているのか?」
「ええ。お姉様にあの映画を勧めたのはわたくし達なの」
「まさかこんなことになるだなんて。お前にも迷惑をかけたわ。ごめんなさいね」
悪びれた雰囲気はほとんどないが、天使に謝罪されるとは思っていなかったヒューゴはさらに目をぱちくりと瞬かせた。
「天使様に謝られるとはな」
金髪のほうのモルゲンロートは小さく首を横に振る。
「悪いとは思っているのよ。けれど、わたくし達はお姉様のほうが大事なの」
「言いたいこと、分かるかしら?」
オレンジ色の髪のアーベントロートはモルゲンロートの肩に手を乗せ、挑発的に笑みを浮かべる。ここまできたらヒューゴを巻き込んで、クレフティヒのためにどうにかして『ラグナロク』に参加しようということだろう。ヒューゴは諦めて、思いっきりため息を吐いてやった。
「わかった。協力しよう。クレフティヒ様のために、次の『ラグナロク』へ……ええと、エインヘリヤ? として出ればいいんだな?」
「エインヘリヤルよ」と正して、アーベントロートは満足そうに頷いた。
「そういうことよ。お前が話のわかる人間でよかったわ」
「それはどうも。だけどどうする? 知っていると思うが俺はただの役者だ。戦士でもなんでもない。どう考えても、格闘技の試合なんて無理だぞ」
「演じればよいのではなくて?」
「無茶言わんでくれ」
ヒューゴは盛大に顔を顰めると、大袈裟に手を振り回す。
「格闘技ってのはそう簡単に身に付かないんだ。それこそ何年も修行がいる。ましてやなんでもありなんだろう? ってことは、武器も身体もなんでも使って、相手を殺すための試合になるに決まってる。それをどう演じろっていうんだ」
「それほど難しいこと?」
「一筋縄ではいかないってことさ。だいたい相手もそれを分かっていないと演技にもならない」
言ってヒューゴは、ぴたりと動きを止める。そしてつい今しがた出た自分の言葉を反芻した。
相手も分かっていなければ、演技にならない。では相手も分かっていれば、それは演技になるだろうか。
「なあ、お二人さん。聞きたいことがあるんだが」
急に態度が変わったヒューゴに、双子はそれぞれ首を傾げる。
「なにかしら」
「今までに行われてきたのはスポーツだけなんだな?」
「ええ、そうよ。神々が望まれたのは競技の観戦だから」
「本当の試合?」
「ええ。手を抜いたものなんて行われたことはないわ。あったら雷で打たれてしまうから」
そうか、とだけ返したヒューゴに、双子は更に困惑して、それぞれ反対の方向に首を傾げた。
「それがどうかしたのかしら?」
「それなら、なんとかなるかも知れないぞ」
「え?」
ヒューゴは、ヴァルハラに疎かった。
オーディションに受かったのはたまたまだった。監督が、腐っていたヒューゴの顔が、苦悩する主人公にピッタリだと言って選抜したのだ。それだけだったので、演技力が足りていないとか、主人公がぱっとしないとか散々な言われようだった。もっとイケメンの方がいいんじゃない?なんて、街中で何度聞いただろう。
もっともヒューゴも同意見だった。役者を目指してはいたが、花形なんてなりたいわけじゃなかった。主人公の親友とか、活躍する恋人を応援する理解のある彼氏だとか、そういうポジションになりたかった。今ではずる賢く小心者だなと思うが、当時は本当にそういうのが良かったのだ。
初めての主役、初めての大舞台。だが内容は格好いいスマートな現代を舞台にしたものではなく、泥にまみれる中世の復讐鬼を描いたものだった。
戦場でモーニングスターを片手に、国を陥れた敵国の兵士達に襲いかかる。技術なんて持っていない、ただ鈍器で殴りつけていくだけの戦闘シーン。それが、ヒューゴの容姿にぴたりとはまっていたのだから、監督の審美眼は本物だった。結論からいうと、初の主演映画はそれなりに売れた。監督の名前もヒューゴの名前も一緒に売れた。あれはヒューゴの、まさに転換期だった。
……まあ、それからはそういう役しかオファーが来なかったから、良いような悪いような気もするが。
とにかくそうやってハマり役を得て、ヒューゴはほどほどの役者になった。恋人のできないまま、数年後に事故死しなければもっと良かったのだが。
「今日も恐ろしいくらいのいい天気だな。吐き気がする」
天界というのは悪天候というのが存在しないらしい。少なくともヒューゴは見たことがない。今日も快晴で青い空が眩しい。眩しすぎて、あの時のようにくさくさしているヒューゴには毒だった。
何が良かったのか、伝説に聞く天界などというところに連れて来られて、何をするでもなくただ過ごす毎日。一応朝と夜があって下界のような生活ができるのは良かったが、目的もないと地獄のようだった。やることが無いのが本当に辛い。他のエインヘリヤル達は、各自でなにかをする者もいたが、ヒューゴはそこへ混じろうとは思えなかった。なにしろヒューゴにはできることがない。神々の為に神殿を補修したり、庭を整備したり。芸を磨くなんてもっての外だ。だってここには、ヒューゴより優れた役者がたくさんいる。脚本家も居れば舞台監督もいた。有名な女優も俳優も、オーケストラだっていたから、しがない映画俳優のひとりであるヒューゴの出る幕は無かったのである。
そんなわけでやることもなくただ過ごしているだけのヒューゴの日課は、その辺をぶらぶら探索することだった。なにしろこの天界というのはとにかく広い。各地にエインヘリヤル達のための生活施設があったので、そこを巡るように天界中を移動していた。気に入ったところに定住すればいいと思って、天界に来てからはずっと彷徨っているような状態だった。
多少、他のエインヘリヤルと接触することはあったが、基本的には干渉しない。だからヒューゴは、このヴァルハラについて疎かった。
この日も日の出と共に立ち寄った施設を出て、さてどちらへ行こう、と丘から辺りを見回している時だった。すっと日が陰ったのに気付く。
たまに通り雨が降ったり、大きな鳥が飛んでいったり、はたまた羽根のある天使が通ったりするから、この時もそうなのだろうと空を見上げた。見えたのは、羽根のある天使だった。それも三人。
ヒューゴはいつも通りそれを眺めていた。天使はエインヘリヤルと違って、それぞれ明確な役割を持っているらしかった。遠くに見える大きな城に向かって行ったりするのをよく見かけた。それを見て、せっかく天界などというところに来たのだから、空くらい飛べるようになっていてもいいのに、なんて思ったりしていた。
ぼうっと眺めていると、天使達はふっと進行をやめて、そして何かに気付いたように下降していた。さっき出てきた施設に用があるのかと思っていると、だんだんとこちらへ向かってきているように思えた。
おや、と思った時には、三つの影はヒューゴの間近に降り立っていた。
こんなにも間近で天使を見たのは天界に来た時以来だ。ヒューゴは驚きながらも天使達を観察していた。
先行してやってくる二人はよく似た顔立ちだ。雰囲気も似ているが、髪色が異なっており衣装の趣向はだいぶ違う。金髪のほうは華やかだが、オレンジ色の髪色のほうは艶やかだ。二人は足早にヒューゴの元へやってくると、両側から耳元に囁いた。
「いいこと。お前は今から〝アイオロス〟よ」
「役者の端くれならなりきりなさい。お姉様の前だけでもいいから」
「はっ?」
目を白黒させるヒューゴを無視して、天使は振り返った。向こうから最後の一人がやってくるためだ。ヒューゴも二人に倣って、その一人を迎えた。
視線を上げた先の天使の姿に、ヒューゴは息が止まった。
先にやってきた二人は確かに美しい。だが、目の前にいる天使の美貌はどうだ。陽の光を受けて黄金に輝く髪を靡かせ、丘の上からやってくる姿は絵画のようだった。しっかりとした体躯は非常に健康的で、見事な装飾の施された鎧が豊かな胸を押し上げる。きゅっと締まったくびれも強調されるデザインで、彼女の魅力を引き立てていた。
象徴的なのは、その瞳だ。深い深い青。深海を覗いているような、星の瞬く時間帯の空のような、いや、むしろ夜明け前だろうか。そこへ光が射して、淡い藤色にも見える。
朝露で濡れていた足元の芝生がきらきらと輝く。まるでその天使が輝いているようだった。
ほぅ、とため息が聞こえた。ヒューゴはそれが自分が出したのかと一瞬思ったが、直後に「お姉様、きれい……」と聞こえたので、二人いる天使のうちのどちらかのものだとわかった。
「アイオロス。探した」
目の前までやってきた天使は言った。ふわりと微笑む美貌に瞬きを忘れてしまう。ヒューゴは目の前の光景が現実なのかわからなかった。その天使が、あまりにも美しすぎるのだ。ぱかりと口を開けて惚けていると、右側から天使につつかれた。
「〝アイオロス〟。こちらは戦乙女のクレフティヒ様です。わたくし達の姉ですわ」
「お姉様はね、お前のあの『映像』をご覧になって、興味を持たれたそうよ」
映像、と聞いて合点がいった。件の映画のことだろう。あれを見て、この美しい天使様はヒューゴの元へ来た、というわけだ。役名でヒューゴを呼ぶのがどういうことかはわからない。役者の名前まで覚える気がないということだろうか。
とりあえずヒューゴは、かの役のことを思い出した。話に乗っておいたほうが良さそうだと判断したのだ。
「わたしに何か御用でしょうか」
さっと膝を折って首を垂れる。映画の〝アイオロス〟は国に仕える兵士だった。王家への忠誠心が非常に強く、それは戦場へ出ても変わらなかった。
だが、それが災いした。敵国の策略で国が窮地へ追いやられると、王家は尻尾切りとしてアイオロス達の部隊を内通者と偽って処分しようとした。そうすることで王家の失敗を誤魔化そうとしたのだ。それでも王家のため、国のために戦うアイオロスだったが、次第に王家への猜疑心が生まれていく。だんだんとそれが強くなるにつれ、アイオロスは何のために戦えばいいのかわからなくなった。そうして王家を信じられなくなっていったアイオロスであったが、最終的に自分の故郷を守りたいという思いを貫き国を救った。しかしアイオロス自身はそれまでの言動を咎められ、処刑されるに至る。間者ではないかと疑われ、疑いが晴れてもあまりに残虐な振る舞いであったことを責められるのだが、そうしなければ自身の身が危うかったし、国を救うなど到底不可能だった。結局のところアイオロスの行いは自己満足だったのか、というところで物語は終わる。
いずれにせよ、付き従う相手には丁寧な態度を取る男だったから、ヒューゴのこの行動は間違いではないだろう。
「頭を上げなさい。お前に頼みがある」
頭上からの声は玲瓏として、ヒューゴの耳によく馴染んだ。なんだかこれだけで心臓がバクバクしている。いや、魂の状態なのだから、心臓の音ではないのかもしれないが。
とりあえず言葉の通りに姿勢を戻すと、天使が目の前にいる。あまりに眩すぎて目が潰れそうだ。
クレフティヒはそんなヒューゴを気にも留めず言葉を続ける。
「お前を勇敢な戦士と見込んでのことだ。次の『ラグナロク』に挑戦して欲しい」
「『ラグナロク』に、わたしがですか」
「ああ。お前なら問題ないだろう。競技はなんでもありの格闘技だが、得意な得物を使用することが認められている」
なんでもあり、とヒューゴは繰り返す。一気に不安感を覚えた。そもそも格闘技の心得なんてない。だが、今のヒューゴは〝アイオロス〟だ。アイオロスなら、競技に出ることはできるかもしれない。即答はしないだろうが出場することはあるだろう。
けれどヒューゴはあくまで役者、闘士でも格闘家でも戦士でもない。どうしたらいいんだ、と混乱しつつ、それを表情に出さないように必死に堪えていた。
怪訝な表情のヒューゴに、クレフティヒもまた眉を寄せる。
「どうした。お前ほどの戦士ならば挑んでみたくなるだろう?」
まずい、とヒューゴは感じた。この美しい天使に見限られたくないと、なぜかそう思ってしまった。でも、だからと言って自分が出場することなど考えられない。
それで言葉に詰まっていると、左右からこほんこほん、と咳払いが聞こえた。それにはっとする。無意識のうちに呼吸が止まっていたようで、一時的に苦しさから解放された。酸素を吸えたことで思考が戻ってきた。そうだ、この二人の天使は真っ先に自分に駆け寄ってきて、アイオロスとしてもうひとりの天使を迎えるように言ってきた。きっとなにか考えがあるのだろう。
「お姉様。きっとアイオロスは、今回の『ラグナロク』に他のエインヘリヤルが参加しないことを知っているのですわ」
「神々と巨人はともかく、エインヘリヤルはエインヘリヤル同士でしか試合を行うことはありませんからね」
「加えて今回はバーリトゥード。同等のちからを持つもの同士ならば良いですが、差があると試合になりません。それもアイオロスがお答えできない理由かと」
二人の天使はさり気なくヒューゴに情報を与えてくれた。なるほど、参加者がいないらしい。理由は競技が危険なものだからで、それによって人間の参加が一切なくなりそうになっている、と。
ここでなんと答えるのが正解だろうか。へたに勇み込むのは良くない気がする。相手がいれば是非とも参加したい、だなんてのは一番良くなさそうだ。万が一相手を用意されても困る。きっと格闘家も天界に数人いるだろうから、そういう人を用意されてしまったら怪我だけで済まないかも知れない。いや、格闘家ならまだましだ。中には腕に覚えはあるものの品行方正ではない者だっているだろう。もしもそんな奴が相手になったらたまらない。
ヒューゴはクレフティヒに向かって、申し訳なさそうな表情を作った。
「わたしは戦士ではありますが、仕えるべき王家、国に見限られた身。そんな者が神々の御前で試合うのはいかがなものかと」
あくまで戦う意志がないわけではないとしつつ、自分には資格がないことにする。完璧に近い答えではないだろうか。言葉遣いは正しいものかと冷や汗をかきながらヒューゴは続ける。
「そのわたしがクレフティヒ様の戦士として参加するのは望ましくない。申し訳ありませんが……」
自分は参加する気はないのだと、そう告げた。二人の天使に言葉を止められたりしなかったから、おそらく及第点だと思う。
だが、これでクレフティヒが納得するだろうか。
「……たしかに、『ラグナロク』は見世物ではない。神々と巨人との代理戦争のようなものだ。内容は変わっても本質までは変わることがない」
今はただのスポーツ観戦会、のようになってしまっているが、元はと言えば終末戦争の代わりに行われているのだ。崇高なものではないかもしれないが、街にやってくるサーカスとはわけが違う。競技場では屋台が出て、映像再生のアーティファクトで試合の内容が放送されるようになったけれど、あくまでこれは神々と巨人の戦いなのだ。
クレフティヒはそう言っていかに『ラグナロク』の参加が名誉なことなのかを説くが、〝アイオロス〟が頷くことはなかった。
「らちがあきませんわね」
それまで黙っていた二人の天使のうち、オレンジ色の髪の天使がそう呟いた。金髪のほうも、ふう、とため息を吐いて、困ったように頬に手を添える。
「ねえ、アイオロス。お前なら次の『ラグナロク』に出られるような戦士に、心当たりがあるのではなくて?」
そうきたか、とヒューゴは目を細めた。双子の詳しい思惑はわからないが、相手をアイオロスが推薦することは規約に反するわけではないらしい。都合の良い対戦相手を用意しろと、そういうことだろうか。
ヒューゴはとりあえずそれに乗っておくことにした。
「なくは、ないですが。名乗り上げないところを見ると、奴も似たようなものなのかもしれません」
「では、その者を説得できれば良いわけですね」
「そううまくいくかはわかりませんが」
双子は、ヒューゴの言葉に頷いてみせる。
「お姉様。アイオロスの推薦する相手は、わたくし達が説得してみますわ」
「ですのでお姉様は、ひとまず先にお戻りになって。きっとうまく事を運んでご報告いたします」
「いや、私もその者の説得を……」
「いけません。お姉様のエインヘリヤルはすでにアイオロスに決まっていますもの」
金髪の天使の言葉に、クレフティヒがそれは、と口籠る。ひとりの天使が複数人戦士を選ぶことはできないらしい。
「そ、そうか。そうだな。では悪いが、モルゲンロート、アーベントロート、後を頼む。私は先に戻っているよ」
「それで、どういうことでしょうか」
クレフティヒが去って、小さな影になるのを見届けてから、ヒューゴは残った二人の天使に訊ねた。二人は笑みを浮かべたまま名を述べた。クレフティヒの妹で、双子だという天使は、ヒューゴにねぎらいの言葉をかける。
「台本もないのに、よく切り抜けたと、まずは褒めてあげましょう」
「それは、どうも」
「おおよそのことは分かって? アイオロス……いいえ、ヒューゴ」
ヒューゴは驚いて目を見張った。
「俺の名前を知っているのか?」
「ええ。お姉様にあの映画を勧めたのはわたくし達なの」
「まさかこんなことになるだなんて。お前にも迷惑をかけたわ。ごめんなさいね」
悪びれた雰囲気はほとんどないが、天使に謝罪されるとは思っていなかったヒューゴはさらに目をぱちくりと瞬かせた。
「天使様に謝られるとはな」
金髪のほうのモルゲンロートは小さく首を横に振る。
「悪いとは思っているのよ。けれど、わたくし達はお姉様のほうが大事なの」
「言いたいこと、分かるかしら?」
オレンジ色の髪のアーベントロートはモルゲンロートの肩に手を乗せ、挑発的に笑みを浮かべる。ここまできたらヒューゴを巻き込んで、クレフティヒのためにどうにかして『ラグナロク』に参加しようということだろう。ヒューゴは諦めて、思いっきりため息を吐いてやった。
「わかった。協力しよう。クレフティヒ様のために、次の『ラグナロク』へ……ええと、エインヘリヤ? として出ればいいんだな?」
「エインヘリヤルよ」と正して、アーベントロートは満足そうに頷いた。
「そういうことよ。お前が話のわかる人間でよかったわ」
「それはどうも。だけどどうする? 知っていると思うが俺はただの役者だ。戦士でもなんでもない。どう考えても、格闘技の試合なんて無理だぞ」
「演じればよいのではなくて?」
「無茶言わんでくれ」
ヒューゴは盛大に顔を顰めると、大袈裟に手を振り回す。
「格闘技ってのはそう簡単に身に付かないんだ。それこそ何年も修行がいる。ましてやなんでもありなんだろう? ってことは、武器も身体もなんでも使って、相手を殺すための試合になるに決まってる。それをどう演じろっていうんだ」
「それほど難しいこと?」
「一筋縄ではいかないってことさ。だいたい相手もそれを分かっていないと演技にもならない」
言ってヒューゴは、ぴたりと動きを止める。そしてつい今しがた出た自分の言葉を反芻した。
相手も分かっていなければ、演技にならない。では相手も分かっていれば、それは演技になるだろうか。
「なあ、お二人さん。聞きたいことがあるんだが」
急に態度が変わったヒューゴに、双子はそれぞれ首を傾げる。
「なにかしら」
「今までに行われてきたのはスポーツだけなんだな?」
「ええ、そうよ。神々が望まれたのは競技の観戦だから」
「本当の試合?」
「ええ。手を抜いたものなんて行われたことはないわ。あったら雷で打たれてしまうから」
そうか、とだけ返したヒューゴに、双子は更に困惑して、それぞれ反対の方向に首を傾げた。
「それがどうかしたのかしら?」
「それなら、なんとかなるかも知れないぞ」
「え?」
ヒューゴは、ヴァルハラに疎かった。
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