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美学 

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「あ…ん…はっ…」まだ…俺はろくに動いてもない…そんな状況なのに、瑞樹がのけ反りながら呻く…。

気持ちはわかる…俺だって…すごく、ヤバい…俺の猛ったモノに…まとわりつく瑞樹のナカの内壁…
「…っく…センセ…もう少し…緩めて…くれよ…キツ…過ぎ…」
俺は瑞樹を前から抱え込んだ状態のまま、奴の顔を見ながら、本音を吐き出す。
「…っん…無…理っ…そんな…調節…なんて…できな…っい…」見ると、白い頬が、ピンク色に変化している。

「んっ…くしゅっ…!」瑞樹が不意に、くしゃみをする…「あっ…く…」その振動が俺のモノに直接的に伝わり、俺もビクンと震える。この刺激すら…気持ちいい…
「や…もう…おまえ…いい加減にしろよ…っていうか、寒いな…」風呂にいながら湯舟にも浸からず、浴槽の外で繋がったままの俺たち…寒いのは当たり前だ…このままだと、二人一緒に風邪をひいてしまう。

「さむ…先生…とりあえず、浴槽に浸かりませんか…?なんか、さびー…」俺が提案すると「あ…う…ん、寒いね…で…でも…このまま…?」

言っている意味は分かる…まだ…挿入したままの状態…考えるまでもなく、俺は一気に瑞樹を尻の方から抱え込み、立ち上がろうとした。その動きでズンと…奥深くまで…俺のモノが瑞樹に突き刺さったのか…「あぁっ!…や…だ…須賀く…は、あン…」瑞樹が抵抗するが、いったん引き抜くという選択肢は、俺にはなかった。

まだ…ナカで動かせてもいない…この状況でいったん抜いて移動…だなんて、俺のセックスの美学…(そんな美学、あるのかどうかも変わんねえけど)に反する。あくまでスムーズに…コイツを抱く…それが絶対だ。

奴を両腕で抱きかかえたまま、立ち上がり、そこはあくまで結合させたまま…片足から湯舟に足を入れる…あったかいお湯が冷え切った足にしみこむ…

もう片方の足を入れ、ゆっくり…座り込む…「あっ…ん、あったかい…んん…」瑞樹が…なにやら気持ちよさそうな声を出す。やっとお湯を張った浴槽の中に、二人でおさまり、ほっと一息つく…

                            さあ…再開だ。














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