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彼と彼女
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「お…先生… 遅かったね、トイレ、混んでた?」
座席に戻ると須賀くんがドリンクを飲みながら僕を見上げる。
「…あ、うん…ごめん、ちょっとその辺で知り合いに会って、少しだけ立ち話しちゃってた。まだ、映画始まってないよね?」
誰に会ったとか…しかも元彼に会ったなんてわざわざここで、須賀くんに伝える必要なんて、ない。
僕は早口で須賀くんにそう説明して、すぐに座席に座る。嘘はついていない…
「ふーん、まあまあ人気の映画だからそりゃ知り合いにも会うよな…センセ、見て…さっきより全然観客、増えてんだろ?早めにサイトから予約しててマジ正解だった。」
「うん…良かったよね」
あたりを見渡すと、本当にさっきより格段に観客が増えていて驚く。
映画は人気歴史漫画の実写版の二作目の上映。
主演含むキャストも漫画のキャラクターイメージにぴったりだと、一作目から物凄く評価の高かった映画で、漫画や映画に疎い僕すら知っているほどの超人気作品だ。ある意味こうなるのは当たり前か…
「あーーー楽しみだな…」
須賀くんが右に座る僕を見て、いきなり僕の手に、自分の手を重ねてくる…
「わっ!何、須賀くん…こんなとこで」
「こんなところだから繋ぐの、いいじゃん、手ぐらい…」
須賀くんがニヤリと僕を見て笑う。
こんな公共の場で…
しかも男同士で手を繋ぐなんて、僕の心臓がもたない…。
僕は慌てて振り払おうとするが、須賀くんはさらに力強く、握り締めてくる…
座席に戻ると須賀くんがドリンクを飲みながら僕を見上げる。
「…あ、うん…ごめん、ちょっとその辺で知り合いに会って、少しだけ立ち話しちゃってた。まだ、映画始まってないよね?」
誰に会ったとか…しかも元彼に会ったなんてわざわざここで、須賀くんに伝える必要なんて、ない。
僕は早口で須賀くんにそう説明して、すぐに座席に座る。嘘はついていない…
「ふーん、まあまあ人気の映画だからそりゃ知り合いにも会うよな…センセ、見て…さっきより全然観客、増えてんだろ?早めにサイトから予約しててマジ正解だった。」
「うん…良かったよね」
あたりを見渡すと、本当にさっきより格段に観客が増えていて驚く。
映画は人気歴史漫画の実写版の二作目の上映。
主演含むキャストも漫画のキャラクターイメージにぴったりだと、一作目から物凄く評価の高かった映画で、漫画や映画に疎い僕すら知っているほどの超人気作品だ。ある意味こうなるのは当たり前か…
「あーーー楽しみだな…」
須賀くんが右に座る僕を見て、いきなり僕の手に、自分の手を重ねてくる…
「わっ!何、須賀くん…こんなとこで」
「こんなところだから繋ぐの、いいじゃん、手ぐらい…」
須賀くんがニヤリと僕を見て笑う。
こんな公共の場で…
しかも男同士で手を繋ぐなんて、僕の心臓がもたない…。
僕は慌てて振り払おうとするが、須賀くんはさらに力強く、握り締めてくる…
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