貴方を丸ごと愛しても差し支えないでしょうか?

もえこ

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第二章 彼の秘密

異変

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私は完全に玉砕した。

あの喫茶店での告白の後、自分でも恥ずかしくなるくらいに彼に何度も食い下がったが、まるで駄目だった。

何度彼に尋ねても、断られた理由は変わらず…私がどうということではなく、
誰とも恋愛できないの、一点張り。

過去のどんな恋愛が、彼をそこまでかたくなな人間に変えてしまったのだろう… 

だけど彼が話してくれない以上、私にはもはや、どうしようもなかった。

ただ、ずっと、あることが気になった… 
心に引っかかった、ままだった。
彼が口走ったこと…

        …彼女を、汚してしまった… 

その言葉の意味がずっと、わからないままだった…

汚した…  汚したとは、どういう意味なのか…

傷付けたのは間違いないのだろうが、
汚したという表現が、どうしても… …よく、理解できなかった…。 

ただ、彼の醸し出す雰囲気から、理解するしか…納得するしか、なかった…。

これ以上は、ただ、好きだからという理由で…
彼に自分の気持ちを押し付けては駄目だ… 
あまりしつこく告白を続けると、下手をすれば、友達としても付き合ってはくれない気がする…

私はそれだけは、絶対に避けたい…耐えられないと、思ってしまった…。
今までみたいに、食事やお茶…映画など…まるで、彼氏と彼女がするようなデートに、ただ…彼が付き合ってくれるだけで、十分なのではないか…
たとえ、彼に触れることが叶わなくても…恋人のように甘いキスを…してくれなくても…

そんな風に自分自身を納得させ、なんとか彼を諦めようとしていた矢先、異変は起きた。

図書館の後に、彼にいつものように別れを告げた時のことだ。

「じゃあまた、藤崎さん。」私が彼に手を振り、彼に背を向けた瞬間だった。

「えっ… … な… … え…」 

何…  嘘…      な、んで… 

背後からいきなりのことだった。

気付けば、私は彼に…背後から強い力で、引き寄せられ、抱きすくめられていた…
彼の手が…私のお腹あたりで、交差したような状態で…  嘘…  どうして…

「…ふ、ふじ…さき、さん … ?」

私は予想していない事態に頭が真っ白になり…

その次の言葉を、発することができなくなった…  



 

 








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