【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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ミカは見た

ランチを終え、圭一の目的としていた参考書をすんなり手に入れた俺たちは、とぼとぼと帰路についていた。

時間は夕方の、4時過ぎ。

本当はうちに寄ってお茶でも飲んでくかって、圭一を誘いたいところだったけど、この前圭一に会った時に、我慢が辛いからしばらく近づくな…とも言われているし…

俺自身、あんなことがあったから、今は不安定な精神状態過ぎて… 圭一を部屋によんだら、どうなるか…わからない。

結局、俺はなにも言い出せないまま、俺の家と圭一の家の分岐点についた。

「じゃあな、圭一。また…次、火曜だっけか?バイトでな」俺が言うと

「はい。今日は色々付き合ってくれて、ありがとうございました。ではまた…」ペコリと頭を下げる圭一。
手を振って別れる。

俺はトボトボと足を進める。

アッサリしたもんだ…

せっかく会えたのに、手も繋がず、キスもなし…本当は…強く、苦しい位に抱き締めて欲しかった。
圭一の、あの…気持ちがよくて、ずっとしていたくなるキス… 本当は…して欲しかった。

でも、白昼堂々、夜の暗闇でもないし、そんなことができる雰囲気でも…ない。
俺からは絶対に言えないし…

当たり前か… 
俺はうなだれて、歩いていた。

不意に

…タッタッタッ… 背後に近付く音がしたかと思うと、グイッと肩を掴まれ、俺が驚いた振り向きざまに、


   ………… ちゅっ! …………

  圭一が、俺の唇に、キスを…!?

「…ん、わっ!…おまえ、こんなとこでっ!」

ワタワタと、取り乱してしまう俺…

思わず周りを見渡すと、
わ!バスが一台、通り過ぎていったし…!?
あ!あそこの女の子…に!見られたかも…!?めちゃくちゃ、あの子、こっちみてるぞ…!

案の定、お母さんと手を繋いでいた可愛らしいその4、5歳?位の女の子が、おもむろに、

「ねえねえ、お母さん、あのお兄ちゃんたちね、今、ちゅー、してたよ、ねえね、ちゅーだよー、ミカ、みたよ、なかよし、なのかなぁ…」と…報告…。

お母さんは、その瞬間を見ていなかったらしく、改めて俺たちをみて「ミカ、お兄ちゃん同士だよ、見間違いだよ、はやく行きましょう、パパが待ってるから…」と促して、歩き始めた。

うんうん、それが、世間の反応だ。
ごめんね、ミカちゃん、君が見た、ちゅーは、大正解です。

俺が、驚いて圭一を見上げると、

「ごめんなさい、やっぱり会うだけでは我慢出来なくて、つい…!ご馳走様でした…!では!!」と笑いながら俺の苦言を一切聞かずに、脱兎のごとく、走り去っていく…。


本当は怒る場面…うん、わかる。

人前で、白昼堂々…

なのに俺は、ただただ、嬉しかった…

なんか、幸せを感じる…
こんな気持ちは、初めてだった。
女の子と付き合った時も、こんな気持ちにはならなかった…いつの間に俺は、こんなに、圭一を好きになっていたのかな…

自分に起きた事態は…
まだ全然飲み込めないし今もずっと…混乱状態にあるが
俺は、圭一がくれた小さな幸せを胸に、自宅へ向かった。

            
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