【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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偶然に

シュウのメールがきてからしばらくは、大学内で寺崎に会うこともなく平和に日々が過ぎていった。

あれからゼミの変更届をすぐに出していたため、俺は9月から無事に違うゼミに所属していた。

ゼミのメンバーは中途半端な時期の仲間入りにも関わらず、快く俺を受け入れてくれた。
少人数のゼミで、そのたびに毎回寺崎に会うのは苦痛過ぎたから…本当に変更できて良かったと思う。

ある日ゼミを終え、とぼとぼと大学の構内を歩いていると、ふいに後ろから声をかけられた。

「佐々木…先輩!」
女子の声…と、リリン…と、鈴がなるような高い音。

振り返ると、そこには、寺崎の彼女、田口美弥…が立っていた。

相変わらず、一瞬…息を飲むほどに…可愛い。いや…綺麗が合ってるかな…本当に冗談抜きで、こんなところで大学とか行ってないで、芸能界デビュー…目指してください、といいたくなる程に、オーラがある。

ピンクのふわっとした、いわゆる女子力高め?のワンピースを着ていて、どこからどうみてもやっぱり、清楚な女子…という印象だった。

「あ…」…俺は一瞬、言葉を失う。

シュウが前に美弥についてメールしてきていた内容…色々なことが、頭の中を瞬間的によぎる。

それはそうと、田口美弥は…寺崎と、今、一体どうなっているのか…まさかやっぱり、シュウに、俺と同じように無理矢理、強姦… …なんて…

いやいや…決めつけるな…俺!
俺はそんな想像を振り払うように頭を振る。田口が変に思う。

普通に答えなきゃ…

「あ…ひ…久しぶりです…ね!確かあの…学食の時以来…ですか…ね?…お元気でしたか?」

…なんだか自分でも驚くほどに、軽く笑えるほどに、ぎこちない俺の挨拶…相手、年下だし…もっと肩の力を抜け…

俺は自分自身に、密かに突っ込みをいれる。

「はい、お久しぶりです!僚…さ、佐々木先輩。今日は、講義…だったんですか?」

笑顔で質問される。
この子、また…俺のこと、僚介…って、呼びかけたか…?勘弁してくれ…

「あ…はい…ゼミ…でした。今、終わって帰ろうとしてたとこ…です…田口さんも、講義ですか?」

特に興味もないが、一応社交辞令で聞いておく。

「そうなんです…今、終了して、今から帰るとこなんですけど…」…美弥は語尾を伸ばしながら、言う。

その語尾の、「…」が、なんか気になる… なんだか、嫌な予感も…してきた。俺は、早々に、じゃあ…とその場を立ち去ろうとした…

すると「この後…もし良ければですが…お茶とか…飲みに行けませんか…?実は私、ちょっと寺崎先輩のことで…ご相談したいことがありまして…」

彼女が相変わらず綺麗な顔で、不安そうに俺を見る。

…断れない…

相談だとか言われるのに、俺はもともと本当に弱いのだ… 困っているのかな…とか、こんな俺でも誰かの役に立てるのかな…って気になって、相談のキーワードで、どうしても…イエス…になってしまう。

本当は俺自身が寺崎のことで相談したいこと、山積中です…と美弥に言いたくなる…まあ、俺のは重過ぎるのと、事態が…正直、わけわからん過ぎて、とても無理なんだけど…

「ああ…はあ、まあ…いいですよ…?俺なんか、で…良ければ…」と俺が答えると、美弥はにっこりと微笑んで、「お洒落なカフェがあるんです…ではそこに…」と、カフェへ俺を誘う。

でも、なんだかんだで、実は俺も彼女に聞きたいこと…というか寺崎と美弥のことで…知りたいこともあったから、まあ…何か聞けたらいいやと、ついていくことにする。

華奢な女性らしい彼女の後ろ姿をぼーっと見ながら、俺は突然、思い起こす…。

シュウの…「田口って女より、お前の方が、全然イイ…」といったような…メールでの発言…

俺は、不意に寺崎と目の前を歩く美少女の、あられもないセックスシーンを想像しそうになる自分を抑え込み、すぐさま現実に意識を戻した。

相談って一体、なんなんだろう…


      怖い…な…

                                  
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