【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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現実逃避

家に帰り着いた俺は、置いた荷物もそのままに、ソファーに倒れるように雪崩なだれこんだ。

シュウのこと、寺崎のこと…
俺はこれから、どう動けばよいのか…正解がさっぱり、わからなくなってきていた。

俺の気持ちがもう少し落ち着いた頃、寺崎の様子も見計らって、シュウとの、あの夜のことを…寺崎に話せたら…と考えていた。

話せば寺崎自身が、想像もできないようなショックを受けることはわかっていても、精神的な部分はともかく、俺に乱暴した身体は…紛れもなく、寺崎自身のものだ…
だから、このまま寺崎に知らせず、なかったことにするわけにはいかないと俺自身、思っていたところだ。

なんとか寺崎に、自分自身に起こっていること、シュウが俺にしたこと…を、把握してもらえれば、たとえシュウという悪魔のような存在が寺崎の内部に巣食っていようとも、寺崎の身体のぬしは、あくまで寺崎なのだ。

寺崎と俺で、細かな情報を共有することで俺もある意味安心を得られ、今後、なんらかの形でシュウを封じ込めるような…そんな、打開策を模索できるかもしれない…少しは前向きに、そんなことも考えていたのだ。

でも…

今日のシュウの話が、もし仮に事実なら…
シュウとのあの夜…のことを、安易に寺崎に話すのは、やはり不正解…な気がした。
正直に話したところで、今度は寺崎が…どんな態度で俺に接してくるのか、よくわからない…。

とにかく、
シュウの発言の真偽で、寺崎に包み隠さず話した場合の結論は…かなり違ってくる。

寺崎本人に何も聞かされていないのは事実で、寺崎の気持ちや本音がわからない今…
一か八か、俺自身の勢いだけで動くのは、とても危険な気がした。


ああ…だめだ… 
俺は、頭を抱えてソファーに突っ伏した、
今すぐ、逃げ出したい…

とにかく、圭一…。
困ったときには、たぶん圭一だ…。
圭一に会うんだ、今すぐ…
会って、何を話すでもないけど…

圭一に、会いたい…俺はそう思った。

圭一との旅行、
そもそもなんで二週間も先なんだ…

今すぐ行きたい…

もはや何も考えずに、ただただ、圭一の胸に飛び込みたい…キス…されたい。あの…どこまでも甘やかで気持ちいい、柔らかなキスが…恋しい。
大きな手で、たくさん…触れられたい。
もう、他のことを何も、考えられなくなるくらいに…強く激しく…抱いて欲しい。

圭一になら…
恥ずかしいことをされても、ひどいことをされても、乱暴に…されてもいい、気がする。
むしろ優しくなくていい…
めちゃくちゃに…抱いて欲しい…

俺は男なのに…同じ男、に…抱かれたい…と、思う日が、来るようになるなんて…
圭一に会って、圭一への好きだという気持ちを自覚するまでは、そんなこと、ただの一度も考えたことはなかった。

ただ同時に、
俺は正直少し、自暴自棄になりかけていた…

ここ数週間、色々なことがあり過ぎて、そろそろ俺の許容範囲キャパを超えてしまう…
そんな、気がした。

とにかく、少しの時間でいい。
圭一と、話がしたい。
触れられなくてもいいから、声が聞きたい。
そうすればきっと、この心の混乱が、少しは落ち着くに違いない。

時計を見る。

ちょうど、高校が昼休み位の時間だったので
俺はラインを開く。すぐさま圭一にメッセージを送ろうとしたその時、電話が鳴った。

圭一から…  だ。

すごいタイミング…

俺は嬉しくなり、すぐに通話ボタンを押した。


           
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