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栄養不足
俺は圭一と会う土曜日まで、とにかく色々、頑張ってみた。
大学の講義、ゼミ、バイト… 寺崎やシュウが、いようといまいと、とにかくフラットな状態で前向きに。
もちろん、やむをえず寺崎と接点がある時は、十分気を付けながら。
…バイトの更衣室はもちろん施錠。
そして、なるべく寺崎とのバイトのシフトはかぶらないように、試みた。
幸か不幸か、シュウはあれから息を潜めている。
寺崎の内部から、奴が一体、何を見ているのか…何を考えているのか…
これから、俺をどうしたいのか、例の写真をネタにして、脅してくるのか…
奴の出方次第だが、今奴は少なくとも俺の前に現れてはいない…
この状態がずっと続けばいい…
俺はそんなことを考えながら日々を過ごしていた。
…………
待ちに待った土曜日
…本当に…長かった… なんでこんなに…長いんだっていう位。
待ち合わせの駅に20分以上も前に着いた俺。
さすがに圭一はまだ来ていなくて、近くのコンビニで雑誌を読む。秋の旅行特集の雑誌で「~彼氏と彼女の秋晴れ旅行~」とタイトルが付けられていた。
…彼氏と彼女…か…世間一般では…まあ、そうだよな…
それが世に言う、普通ってやつだ…
俺と圭一は…男と男…
俺はこれまで、いわゆる男を好きになったことなんて、一度もなかった…のに。
初恋は、小学生の時、同じクラスの野村さん。三つ編みが似合う可愛い女の子だった。その後も、2~3年に1度のペースで恋をした。もちろん、相手は女の子。最初に彼女ができたのは中3の時、でもまだ中坊…この子とは、手を繋ぐだけで終わった。
高校に入って、やっと、キスから始まる…例の行為まで。
こんな性格だから時間はかかったが、初体験も済ませた。もちろん、女の子と。
なのに、今はどうだ…俺は男である圭一と初体験を済ませるために…旅行に行くことに。
人生…本当に、先に何があるかわからない…
俺が男を好きになるとか…その頃の俺が知ったら、マジで卒倒するか、ぶったまげると思う…
でも…今…圭一に会いたくてたまらない…声が聞きたい、顔が見たい…その手に触れたい、キスをしたい…抱き締めたい、抱き締められたい…ひとつに…なりたい…。
人が人を好きになるって…理由は…ないのかもしれない。恋をする、ではなく、恋に落ちる…なんかの小説かドラマで言われてたフレーズが俺のなかに妙にストンと落ちてくる。
気付いたら…好きになっていた…
確かに最初は圭一の「先輩とシテみたい…」の驚愕コメントで押し倒されたのがきっかけではあるが、その後…日に日に本当に…気付いたら…俺の気持ちはこんなにも、男である圭一を求めている。
男と女が普通…って、そんなもの、一体、誰が決めたんだ。
そもそも、何が普通で、何が異常かなんて、それはあくまで、なんらかのこうあるべきみたいな基準があってこその尺度だが、世の中にまかり通るその基準自体が…本当に正しいのか、間違ってはいないのか?
男と女…そのそれぞれの好きな相手が異性であるべきだと、だれが勝手に決めたんだ…
男と女だと、子どもが生まれる可能性があるから…とか…
…そんなものは、答えになってはいない。それは身体の問題であって、気持ちは全く、関係ない。
人の気持ちはどこまでも自由であるべきなんだ…
俺は今回、圭一に対する自分の気持ちを自覚して、時々、そんなことを考えるようになった。
だからもし、自分の知り合いや友人に、同性に対して好意をもってしまって悩む人がいたら、絶対に力になりたいと思うし、その悩みを笑ったり、差別する奴が出てきたら、そいつをむしろ、軽蔑する。
ああ…こいつは自分の尺度でしか、他者を判断できないかわいそうな奴だと、俺はきっと、そう思ってしまう。
あ…また、自論を熱く語ってしまった…反省。
…そんなことを考えながら雑誌を見ていると、コンコン…音がなる。コンビニのガラス越しに、太陽のように明るい笑顔の圭一が、立っていた。
ああ…やっとだ…俺はすぐに雑誌を置いて外に出た。
「ごめん、早く着き過ぎて、時間つぶしてた。」それでもまだ10分前だったが…。
圭一が笑う。
「いえ、全然、じゃ…先輩、どこに行きますか?お泊りセット?先にお昼ご飯?…ま、とりあえず…人のいないとこに…行きませんか…?俺…ちょっと、ヤバい、んですよね…禁断症状…出てるんです…まず、栄養補給しないと…」
ん…?栄養補給…コイツ、何を言ってるんだ…?
大学の講義、ゼミ、バイト… 寺崎やシュウが、いようといまいと、とにかくフラットな状態で前向きに。
もちろん、やむをえず寺崎と接点がある時は、十分気を付けながら。
…バイトの更衣室はもちろん施錠。
そして、なるべく寺崎とのバイトのシフトはかぶらないように、試みた。
幸か不幸か、シュウはあれから息を潜めている。
寺崎の内部から、奴が一体、何を見ているのか…何を考えているのか…
これから、俺をどうしたいのか、例の写真をネタにして、脅してくるのか…
奴の出方次第だが、今奴は少なくとも俺の前に現れてはいない…
この状態がずっと続けばいい…
俺はそんなことを考えながら日々を過ごしていた。
…………
待ちに待った土曜日
…本当に…長かった… なんでこんなに…長いんだっていう位。
待ち合わせの駅に20分以上も前に着いた俺。
さすがに圭一はまだ来ていなくて、近くのコンビニで雑誌を読む。秋の旅行特集の雑誌で「~彼氏と彼女の秋晴れ旅行~」とタイトルが付けられていた。
…彼氏と彼女…か…世間一般では…まあ、そうだよな…
それが世に言う、普通ってやつだ…
俺と圭一は…男と男…
俺はこれまで、いわゆる男を好きになったことなんて、一度もなかった…のに。
初恋は、小学生の時、同じクラスの野村さん。三つ編みが似合う可愛い女の子だった。その後も、2~3年に1度のペースで恋をした。もちろん、相手は女の子。最初に彼女ができたのは中3の時、でもまだ中坊…この子とは、手を繋ぐだけで終わった。
高校に入って、やっと、キスから始まる…例の行為まで。
こんな性格だから時間はかかったが、初体験も済ませた。もちろん、女の子と。
なのに、今はどうだ…俺は男である圭一と初体験を済ませるために…旅行に行くことに。
人生…本当に、先に何があるかわからない…
俺が男を好きになるとか…その頃の俺が知ったら、マジで卒倒するか、ぶったまげると思う…
でも…今…圭一に会いたくてたまらない…声が聞きたい、顔が見たい…その手に触れたい、キスをしたい…抱き締めたい、抱き締められたい…ひとつに…なりたい…。
人が人を好きになるって…理由は…ないのかもしれない。恋をする、ではなく、恋に落ちる…なんかの小説かドラマで言われてたフレーズが俺のなかに妙にストンと落ちてくる。
気付いたら…好きになっていた…
確かに最初は圭一の「先輩とシテみたい…」の驚愕コメントで押し倒されたのがきっかけではあるが、その後…日に日に本当に…気付いたら…俺の気持ちはこんなにも、男である圭一を求めている。
男と女が普通…って、そんなもの、一体、誰が決めたんだ。
そもそも、何が普通で、何が異常かなんて、それはあくまで、なんらかのこうあるべきみたいな基準があってこその尺度だが、世の中にまかり通るその基準自体が…本当に正しいのか、間違ってはいないのか?
男と女…そのそれぞれの好きな相手が異性であるべきだと、だれが勝手に決めたんだ…
男と女だと、子どもが生まれる可能性があるから…とか…
…そんなものは、答えになってはいない。それは身体の問題であって、気持ちは全く、関係ない。
人の気持ちはどこまでも自由であるべきなんだ…
俺は今回、圭一に対する自分の気持ちを自覚して、時々、そんなことを考えるようになった。
だからもし、自分の知り合いや友人に、同性に対して好意をもってしまって悩む人がいたら、絶対に力になりたいと思うし、その悩みを笑ったり、差別する奴が出てきたら、そいつをむしろ、軽蔑する。
ああ…こいつは自分の尺度でしか、他者を判断できないかわいそうな奴だと、俺はきっと、そう思ってしまう。
あ…また、自論を熱く語ってしまった…反省。
…そんなことを考えながら雑誌を見ていると、コンコン…音がなる。コンビニのガラス越しに、太陽のように明るい笑顔の圭一が、立っていた。
ああ…やっとだ…俺はすぐに雑誌を置いて外に出た。
「ごめん、早く着き過ぎて、時間つぶしてた。」それでもまだ10分前だったが…。
圭一が笑う。
「いえ、全然、じゃ…先輩、どこに行きますか?お泊りセット?先にお昼ご飯?…ま、とりあえず…人のいないとこに…行きませんか…?俺…ちょっと、ヤバい、んですよね…禁断症状…出てるんです…まず、栄養補給しないと…」
ん…?栄養補給…コイツ、何を言ってるんだ…?
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