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人避け

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俺は願わくば、全てのことを…圭一との旅行の後に回したかった。

もちろん、寺崎に真実を話す必要があることもわかってる。シュウの言うことが本当なら、同時に寺崎の話を聞く必要がある…ことも。

ただ…本音はできるだけ…いや、絶対に、寺崎との接触を避けたかった。その…思い出したくない出来事を…記憶の彼方に追いやり、圭一と楽しく…過ごしたかった。

圭一との今後のためにも、自分自身のためにも、そのままにしておけないのはわかってる。だけど…自分のエゴで、その現実から目を背けたかった、ただそれだけだ。

そんなわけで、俺は翌日の月曜から、できるだけ寺崎に会わないように努めた。講義室には始まるギリギリの時間に入って一番後ろの席に座り、終わる5分前には人知れず退席した。バイトも、寺崎と被っているところ全て、運良く別の人と交代してもらえた。 

寺崎は…不審に思うだろうか…

そのような考えが一瞬、俺の頭によぎったが、そんなことを考える気持ちの余裕が、俺自身にも残っていなかった。

ごめんな、寺崎…。

俺は精一杯、内心で寺崎に謝罪しながら、日々を過ごしていた。

だけど、やっぱり、俺のやり方は間違っていたのかもしれない…

            

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