【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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成績上昇

俺たちは列車を乗り継ぎ、半日がかりで大分へ向かう。

気に入ったのが、由布院の森号という列車。
高級感がある外装で俺の好きなグリーンの色味の車体。内装もエレガントで、大きな窓から見える外の景色が最高だ。

俺たちは小さなライトがついた上品なボックス席を予約できていたので、そこでまったりとくつろいでいた。テーブルを挟んで圭一と、美味しいコーヒーを飲みながら優雅な時間を過ごす。

こんな時間…これからはなかなか作ることが出来ない。圭一は受験生だし、だいたい、今回こうやって旅行に来られたのも、かなり幸運だった。

なぜなら一番に俺が目を付けた旅館は人気の宿で、最初は予約が埋まっていていったんは諦めた場所だったからだ。

だけど、たまたま翌日、一部屋キャンセルが出たとかで予約可能と宿から連絡を受けたところだった。料理もお湯も抜群と口コミのある宿で…そんな場所で圭一と過ごせる…何もかもが楽しみで仕方ない。

でもその一方で圭一はやはり受験生だ…やはり気が引けていて俺は思わず気になることを聞くべく口を開く。

「圭一、勉強の方はどうだ?順調に進んでんのか?」一応俺は、圭一にとってのなんちゃって家庭教師だ。とりあえず聞いてみる。

圭一が真顔で答える。

「先輩…勉強とか…順調に進むわけがないじゃないですか…俺、旅行の日程が決まってから、先輩のことしか考えていません…」

圭一の真剣な眼差し…
たった今までどうでもいいような雑談をしていたのに、突然男の目で直視されてドキリと胸が鳴る。

でも、その直球過ぎる言葉が嬉しい反面、心配になる。俺が大事な時期に旅行なんかに誘ったせいで…こいつの学業が疎かになって、もしも成績が落ちでもしたら…完全に俺の責任だ。

「圭一…ちゃんと、勉強もしてくれ…そうでないと、二度と誘えなくなる…」俺がそう言うと、

「…なーんちゃって!冗談ですよ…先輩!俺、意外とちゃんとしてるんですよ…こう見えて!
親とかに、後でごちゃごちゃ言われないように、勉強の方は万全です。実を言うと、前より少し成績良くなった位で…

だから先輩、全然心配しないでください。そういうわけで気兼ねなく、心置きなく俺は先輩を…押し倒すことができる…かと…。もう、かなり飢えてて、…どうにかなりそうです…先輩、覚悟してくださいね…?」

圭一が、俺を見て、静かに笑う。

…コイツ…何を言うんだ…こんな所で…
俺は思わず圭一の頭を拳で小突く。
あたたっ…圭一が笑いながら痛みもないはずの頭をさする。

「ばかっ…こんなとこで変なこと…言うな!」

こんなやり取りさえ気恥ずかしい…
でもすごく、幸せだ…
ああ、もうすぐ宿に着く…
圭一と俺は…ついに…

うまく…できる、かな…
圭一が好きだけど…本当は少し、怖い… 
俺は笑いながら、
   そんなことを考えていた。
       
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