【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

文字の大きさ
150 / 363

柚子の味

その旅館の提供する料理は本当に全てが、驚くほどに美味しかった。
語彙力があまりない俺だからもっと繊細に、綺麗に表現できないのがすごく残念だけど、まじで絶品。

圭一なんて、俺よりも更にうまさを表現できる言葉を知らないものだから、とにかく、「うまい、美味しい、絶品、ほっぺた落ちそう…」そんな言葉のオンパレード…

わかる…わかるよ…圭一…本当にここの料理は見事に旨かった。最後に出た柚子の冷たいシャーベットで、口の中もスッキリ、本当に幸せな食事だった。

その後、係の人が代わる代わるに来て、食卓いっぱいに並べられた土鍋や食器類を手早く片付け、丁寧に布団を二つ敷いてくれた。

ベッドも一応ある部屋ではあるんだけど…まあ、最初に聞かれたので、どっちでも寝転がれるように布団も一応お願いしていた…んだけど。
いざ…2組並べて敷かれると、ちょっと恥ずかしい気がしたのは、俺だけだろうか…こっそり冷蔵庫を開けて中身を物色している最中の圭一を盗み見るが、奴は気にも止めず平然としている。

「では、失礼いたします。大浴場ももちろんですが、お部屋の温泉もとても良いですよ…。本日はもう、わたくしども、こちらにはお邪魔いたしませんので、ごゆっくり、お楽しみくださいませ。」

そう言ってにこやかに、上品に微笑み、ドアを閉められる。

静かな…室内…

シンとした部屋の静けさが逆に落ち着かなくて、俺はおもむろにテレビをつけようと、テレビ台にあるリモコンに手を伸ばす。
何の気なしにスイッチを入れると、その地域のタレントらによるお笑い系クイズ番組みたいなものがあっていた。静かな部屋に賑やかな音が湧き上がり、少しほっとしてしまう俺…なんか異常に、緊張してきた。

「先輩…まさかとは思いますけど、今からテレビとか見る予定…ありますか?例えばドラマとか毎週見てるから…とか言っちゃう感じ…ですか?」

圭一が冷蔵庫から、事前に買ってきていたコーラを取り出しながら抑揚のない声で俺に問う。

「あ、…っていうか、先輩も何か飲みますか?さっき買ってきた酎ハイとか…出しましょうか?どれにします?」

「いや…俺は今は、いいや。また風呂上がりにでも飲むよ。」

「そうですか…」圭一が缶を開け、コーラをゴクゴクと飲む。

なんとなくそれから、俺はさっきの圭一の問いに返事をするわけでもなく、リモコンでチャンネルをコロコロ変えていたのだけど…その手が突然、圭一の大きな手に、優しく包まれる。ドキリと俺の心臓が跳ねる。
「先輩…もう、テレビはいいでしょう?そろそろ…」圭一の真剣な目が、俺を射抜く。

「あ…じゃ…さ、ご飯食べておなかいっぱいだし、少し休憩して部屋の風呂に入って…っつっ!」

圭一が俺の両肩を少し強めにつかんで、引き寄せる。
「…往生際が悪過ぎですよ、先輩…もう…引き延ばすのはやめてください…逃げるのはこれ以降、禁止します…ね、先輩?…」

「でも…俺また…食事して汗かいたかもっ…もっかいだけ、お風呂…っん、んっ…!」
俺の抵抗の声は、圭一の唇によって塞がれ、掻き消された。

「んっ…ふっ…んっ…  ん」
激しくも優しいキス…圭一の唇の柔らかさを感じる…あと、飲んだばかりのコーラの味…
そんな中、一旦圭一は唇を離し俺に優しく笑いながら語りかける。

「先輩の唇、美味しい。柚子シャーベットの味がします…食事もテレビも温泉も…俺はもう、いいです。

俺が、ずっと欲しいのは…欲しかったのは…先輩だけ…」
そう言いながら圭一は、座椅子に座っていた俺を軽々と抱き上げ、今度こそ本物のお姫様抱っこをしたまま数歩床の上を歩き、俺をそうっとベッドの上におろす。

「…好きです、先輩…」

いつものように優しく俺に語りかけつつも、男の本能を抑え切れないような野性的な目で俺の顔をじっと見つめながら、圭一が顔をゆっくり近づけてくる…。

    俺はたまらずに、目を閉じた…


                 

















感想 17

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。