【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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杞憂

「… … …」

圭一はベッドの上から起き出し、無言のまま指で画面を送り、寺崎からのラインを読んでいる。

俺はその隣で、圭一の様子を見守る。


ざわざわざわざわ…

胸の奥の方が、さっきからずっと、異様に…ざわついているような感覚…

何と表現していいのかわからないが、心が落ち着かない…

俺はたまらなくなり、そろそろ読み終わったであろう圭一に、横から声を掛ける。

「な… どうだ、圭一… その、…もう読んだか?全部…」

「… … … 」
無言のまま、神妙な表情でいまだに画面を食い入るように見つめている圭一に、余計に心がざわつく。

「…もう読んだ、よな… なあ、圭一… おかしくないよな…?その、内容…その、文面…」

まるで…俺自身に…自分自身に、確認するかのような物言いだ…。

でも、そんな風に確認せずにはいられなかった。

「… 先輩 …これって、いつ… 来てたんですかね… 」

圭一が真顔で聞いてくると同時に、自分自身で気付いたのか、その連絡が来た履歴を確認したのがわかった。

「… 金曜、の深夜ですね…喫茶店で会った日の夜か… 土曜、…昨日には …もう、来てた… 」

「… あ… う… ん、そうだな… 気が…付かなくて…」

咄嗟に、圭一に嘘をついた…

俺は気付いていたのだ…寺崎からのラインに…もうとっくに。

なのに、…内容を確認するのが怖かったから…。

今は圭一と一緒にいるし…圭一がいる時に寺崎からのラインを見るのはちょっと…なんて、適当な理由をつけながら、確認を先延ばしにした…。

「先輩…これって…ちょっと…ヤバくないですか…?ね、先輩… 寺崎さんの家、どのへんでしたっけ… …」

まるで、独り言のように圭一が俺に尋ねる…。
その圭一の声がどんどん…小さくなっていき、俺は不安を隠しきれない…。

「…ヤバいって…そ、そうか…?いやいや圭一、おまえの勘違いってこともあるし…ただ、あいつの今の心情を綴って来たのかもしれないし…そこに書いているみたいに、旅行にちょっと行ったのかも…」

「先輩!!…とにかく寺崎さんの家、わかりますか… いや、とりあえず、電話だ…」

「あっ…こら、圭一っ…勝手にっ…!!」
圭一が、いきなり驚く行動に出た…。

俺の携帯から、勝手に寺崎の電話番号に架電したようだ…。

「… っ… 出ない、… 出ないな… 」圭一が吐き捨てるように、呟く。

いや…まさか、な… 
違う… 違うはずだ… ありえない…

俺の頭によぎっているもの… 
灰色の…いや、真っ黒な不安が頭の中に雲のように立ち込めてくる…
そんなことありえないって言ってくれよ、圭一…。
なんで…いつものように笑って、こんなん、単なる挨拶ですよって、言ってくれないんだ…

俺はすがるように圭一を見上げる。

「圭一… まさか、… 違う、よな…?お…俺が…おまえも、勝手に悪い方に…考えてるだけ…で…」

「先輩っ…!!…しっかりしてください…とにかく、今すぐに寺崎さんの家に行ってみましょう…!このメール、やっぱ…なんか、変な気がします…俺、…嫌な予感がします…」

「そ… そ、んな… 」

「まだ、そうと決まったわけじゃない…そんな、不安そうな顔しないでください…一応の、確認…ほら、早く着替えて…!!もう、タクシーで行きましょう…」

「う… わ、わかった… 」

俺は震えそうになりながらも…
いつもよりかなり頼りになる圭一に促されて…
それから多分10分も経たずに、圭一が手配してアパート下に現われたタクシーに乗り込んだ…。



頼む…

この、悪い想像は…  

杞憂きゆうに終わってくれ…

俺は祈るような気持ちで、タクシーの中…膝の上で両手を握り合わせた…。







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