【BL・R18】優しくて残酷な男でも…幸せになれますか？

分析

２

「新名さん…　どうしました…顔色、悪い気が…」
岡田が俺を見ながら、心配そうにつぶやく。

「あ…ああ、大丈夫だ…　ちょっと驚いただけ…」

実は、真中かと思ってビビった…なんて、さすがに言えない…。

「そうですか…それはそうと新名さん、…今日、ちょっと夜とか、時間あります…？」
「え…？」
「いや…ちょっと…相談したいことがあって、…ですね」

「あー　…　」

一週間の始まりの月曜日…　
しょっぱなから飲みに行くのは正直、疲れる。

だが、岡田に相談などど話をもちかけられたのは、もしかして初めてかもしれない…

いつも俺の方が年下の岡田に甘えて、相談に乗ってもらってるくらいだ。

なんだか珍しい…
よほどの悩みかもしれない…
俺では役に立たないかもしれないが、　なんとかして聞いてやりたい…。
咄嗟にそう思った。

「今日か…いいよ！夕飯がてら、軽く飲みにでも行こうか？」
「えっと…　はい、そうですね…　あの、でも…　もし…もし良かったら…」
「うん…？　どっか、行きたい店でもある…？」
「あの、ほんとに良かったら、…ですけど、新名さんの家、とかでは駄目ですか…？」
「　…　え…　…俺、のうち…　？？」
少し、驚く。

「あ…っと、いきなりですし、やっぱ無理ですよね…？…新名さんち、考えてみれば行ったことないから一度、行ってみたいなって、ちょっと思っちゃって…。」

岡田がそんな風に言うのは珍しい…

いつもは割と遠慮するタイプの男だからか、自分の希望を言う岡田は新鮮だった。
やはり真中を家に泊らせたことが、影響しているのだろうか…

「えーーーっと、…いや、まあ…そうだな…」

俺の部屋か…

週末に新名が乱入してきたばかりの、俺の部屋…
まあ、一応片付いてはいるから来てもらってもいいにはいいが…
なかなかに突然だな…　　まあ、真中が良くて岡田が駄目だなんて言いたくない俺は、一応答えた。

「いいけど…でも、明日も仕事あることだし、帰り、きつくないか…？しかも俺んち、食べ物ないから色々買うかデリバリーとかになるけど…それでもいい？」

岡田の表情がみるみる、明るくなる。

「全然、いいです！帰りにコンビニやらで買ってもいいですし、ではよろしくお願いします！」
「ああ。じゃあ、とりあえず仕事、頑張ろうな。」

相談って何だろう…
前に話していた可愛くて仕方がないって言ってた彼女のことかな…。

俺は頼られることに少しの嬉しさを感じながらオフィスへ向かった。