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ご教示

動かさないでください

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「い…や、だ… 何、入れて… … んっ…!は、 …」


なんで…  

    なんで、こうなった… ?… 


俺は涙目になりながら顔をねじり…俺を組み伏せる屈強な男を、見上げる…。

「何、その可愛い顔…潤んだ目… 俺、そんな趣味、ないんだけどな…」

男が俺を見下ろして…ニヤリと、笑う…


俺もそんな趣味、ないんですけど…!!

必死に睨もうとしたけど、涙で目がにじんで、男の顔がぼやけた。

「や…  やめて、ください… 俺もそんな、趣味っ … な…あっ、 いっ…! 」

ぐぷんと… 男の指が、俺の中の… 更に、奥の方に…侵入したのがわかった。

ひりつくような…熱がそこに集中しているような… おかしな、感覚に、身体がビクビクと反応する…

「… そんな、趣味か… そりゃ、ねえよな… お互い…  だが… 」

男が何か…背後で独り言のように呟くのが聞こえる…  
だが、それらを読み解く…解読する…心の余裕がない…

「 …ここの具合、悪くねえな… うん、… なんか、むしろ…  」
最初…奥深くに沈めていただけの指を…
男があろうことか、くちゅくちゅと… 内部で、動かし始める… 

皮膚が…内壁が、ひきつれるような、おぞましい感覚… 
なんだ、これ… 何この感覚…

俺は… 女のそこに…男として、指や…それを、挿れたことしかないのだ… 
一度だって、入れられたことがなかったその場所… 尻、に… 男の指… 指だと…?  

ああ…これは、夢か…うん、夢だな…  
こんなこと、俺の身体に…あっていいはずが…起きていいはずが、ない…

今、俺のそこに… あの場所に… 男の指を、挿入されているなんて…
信じられない… 信じたくも、ない…  

でも…  この、感覚… 
どうしようもないくらいに感じる、男の指の…骨ばった指の…感覚が
俺に知らせてくる…

夢…なんかじゃない… これは、現実の話…  

指…男の指が、容赦なく…俺の中で… 
くちゅくちゅといやらしい水音を立てながら…いやらしくうごめいてる…
駄目…駄目だ… 強弱をつけながら突かれる、圧迫感で… 息が止まりそうになる…  
 
「う、 あっ…  やめ… やめ、て‥ やめろ… !頼む… 抜い、て…  」

「は… 今更できるかよ…俺自身、ヤバいのに… おまえ、無駄に色気あり過ぎ…なんだよ、…指、増やすぞ…」

「駄目っ …やめ、 … あっ…!!  っ…  んっ…  あ、 うっ  … 」

    圧倒的な質量… 男が指を増やした…   

ジェルか何か…

男が先ほど…俺のそこ周辺に、垂らした… 液体のせい、なのか… 

男が指を動かすたびにぐぷぐぷと… 
  おかしな音がして…耳を塞ぎたくなる…

       駄目だ…    なんで… …こんな… 


 







 
           
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