上 下
37 / 37
実践が大事

悪者

しおりを挟む
「…あっ …あっ… 」

「くっ… … きっ、つーー 」男の低い声…

物凄い、圧迫感…  
俺のそこに…男の、堅すぎる…それが…突き入れられ…た… 
う…嘘、だろう…

嘘…だよな、

… 俺、今…男に…やられてる… ? 

同じ男である俺が… 男に、…挿入されるなんて…  嘘…嘘だ…

「は…あ… は、あっ…  う… 」目が…なんか、ちかちかしてくる…

物が、言えない…驚き過ぎて…言葉が、出ない…

でも…

これは残念ながら現実だ…
熱すぎる男のそれが…逞し過ぎる、男のそれが…俺に訴えてくる…

おまえの中に、入っているんだと…

間違いなく、俺の…そこに…信じられないその場所に…
男のそれが…押し入っているのが、感覚で…嫌でも、わかってしまう…。

それほどの圧迫感… 
痛い… きつい… 
みっちりと隙間なく埋め込まれていて、息がしにくい…

「… うっ… くっ… … 」

もはや、自分からは一ミリも、動けない…
動けば、自分自身が…自分の身体が、どうなるのかわからない…
砕けそうだ…
腰が…尻が…  ああ…  誰か、助けて…  

気付けば、涙が頬を伝っていた…

「はあ… さすがに、…狭いな… 予想以上に… … あ、…おまえ…何… 」

俺を、貫いたままの状態で… 
男が今、気付いたかのように、俺を見下ろす…。

「おまえ…何、泣いてんの…? やっぱ、痛え… ?俺、まだ動いてねえけどな…」

痛い…どころじゃない……
何がなんだか、もう…よくわからない… 

「… う… うう…  …くっ… 」

痛みと…今のこの状況の情けなさに…どんどんと涙が溢れてくる…。

「…んだよ…そんな風に泣かれると…俺が悪者、みてえじゃん…」

完全に、お前が悪者じゃん… 
完全に…100パーセントおまえが悪い…

嫌だって言ったのに…なんで、こんな…

そう、思っても…言葉にできない…

俺はただただ、痛みに耐えながら…男を睨みつけた…。





















しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...