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美咲ちゃん
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その子は、先生の横に立って、自己紹介を始めた。
「はじめ…まして山本…美咲です…よろしく…お願いします…」
その子は消え入るような声で、そう、一言だけ挨拶した。
みさきちゃんって言うのか…かわいい名前。
先生が、その子のあいさつの後に、こう言った。
「みさきさんは、お父さんの仕事の都合で、今回で転校は3回目です。みなさん、なかよくしてあげてね。」
その子の席は、真ん中の列の後ろの席から2番目、つまり僕の席の前になり、
ゆっくり歩いてきて僕にペコっと…多分頭を下げてから、椅子を引いて座った。
最初の見た目。
色がすごく白くて、目が大きくて、髪も少し茶色くて…女の子らしくて、ハッキリ言ってかなりかわいい。
着ているピンクのワンピースもすごく似合っていて、
はっきり言って、クラスの男子みたいな女子…とは大違いだ。
僕はこの子と、すぐに、早くに…友達になりたいと思った。
その日の最初の休み時間…
僕は、僕に真っ先によって来るたくさんの友達を追い払って、その子に最初に話しかけようと思っていた。
… なのに …
僕に毎日、駆け寄ってくるはずの友達が…その日は僕じゃなくて、その子にわらわらと…寄っていく。
あれ、なんで…??
つづく
「はじめ…まして山本…美咲です…よろしく…お願いします…」
その子は消え入るような声で、そう、一言だけ挨拶した。
みさきちゃんって言うのか…かわいい名前。
先生が、その子のあいさつの後に、こう言った。
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その子の席は、真ん中の列の後ろの席から2番目、つまり僕の席の前になり、
ゆっくり歩いてきて僕にペコっと…多分頭を下げてから、椅子を引いて座った。
最初の見た目。
色がすごく白くて、目が大きくて、髪も少し茶色くて…女の子らしくて、ハッキリ言ってかなりかわいい。
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はっきり言って、クラスの男子みたいな女子…とは大違いだ。
僕はこの子と、すぐに、早くに…友達になりたいと思った。
その日の最初の休み時間…
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あれ、なんで…??
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