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「おい…早紀おまえマジで顔が白いぞ、大丈夫か?」
隼人が心配そうに私の顔を覗き込む。
普段はぶっきらぼうな隼人だが本当は優しい。
あれは隼人と出会う前のことだ…
隼人は何も知らない… このままで…いい…
「…大丈夫…今、何時…?」
「…まだ4時だ… 寝みぃ… もう一回、寝よ」
そう言って、私の頭を撫でるようにしながら隼人が再び目を閉じる。
「そう、だね…」
私は頷いて、再び隼人の胸に顔を擦りつける
朝…夜が明けて明るくなったら、
すぐに家に帰ろう… 走ればすぐの距離だ。
ただいまって…いつもウザイとか言ってごめんって…
いつも心配ばかりかけてごめんねって…すぐにお母さんに伝えよう。
私はスマホを手にする。
『今、どこにいますか…お母さん心配しています。早紀、夜道はくれぐれも気を付けて…お願いだから』開くと、やっぱりそう書いてあった…
母の決まり文句…
毎回毎回、うるさい…って思ってた…
でも、私がそうさせていたことを今頃になって思い出す。あの夜の悪夢を無理矢理に…頭の隅に消し去っていたのは私だ…
ごめん…ごめんなさい、お母さん…
私はすぐに返事をする。
『お母さん、おはよう、昨日返事できなくてごめん。今、友達の家にいます。明るくなったらすぐに帰るから心配しないで…』
すぐに既読になるメッセージ…
まだ…起きていたのかと驚く。
あの日も…テーブルに顔を伏せて、私の帰りを待ちながら眠っていた母を思い出す…。
そうだ… あれから… あの後に…
指切り、
したんだ…
隼人が心配そうに私の顔を覗き込む。
普段はぶっきらぼうな隼人だが本当は優しい。
あれは隼人と出会う前のことだ…
隼人は何も知らない… このままで…いい…
「…大丈夫…今、何時…?」
「…まだ4時だ… 寝みぃ… もう一回、寝よ」
そう言って、私の頭を撫でるようにしながら隼人が再び目を閉じる。
「そう、だね…」
私は頷いて、再び隼人の胸に顔を擦りつける
朝…夜が明けて明るくなったら、
すぐに家に帰ろう… 走ればすぐの距離だ。
ただいまって…いつもウザイとか言ってごめんって…
いつも心配ばかりかけてごめんねって…すぐにお母さんに伝えよう。
私はスマホを手にする。
『今、どこにいますか…お母さん心配しています。早紀、夜道はくれぐれも気を付けて…お願いだから』開くと、やっぱりそう書いてあった…
母の決まり文句…
毎回毎回、うるさい…って思ってた…
でも、私がそうさせていたことを今頃になって思い出す。あの夜の悪夢を無理矢理に…頭の隅に消し去っていたのは私だ…
ごめん…ごめんなさい、お母さん…
私はすぐに返事をする。
『お母さん、おはよう、昨日返事できなくてごめん。今、友達の家にいます。明るくなったらすぐに帰るから心配しないで…』
すぐに既読になるメッセージ…
まだ…起きていたのかと驚く。
あの日も…テーブルに顔を伏せて、私の帰りを待ちながら眠っていた母を思い出す…。
そうだ… あれから… あの後に…
指切り、
したんだ…
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