【完結】ダメなのはわかってる、それでも。

もえこ

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二人の連絡

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最初の食事をきっかけに、克之と私は少なくとも二日に一回は、ラインで連絡を取り合うようになった。

ある夜、いつものように他愛もない話をしていると、不意に克之に「岡田さん、前に言っていた危険なお願いって、結局…なんだったんですか?」と問われる。
克之は続ける。
「俺はあの時、気になっていたんですよ、岡田さんは一体、何を考えているんだろうと…」

私は答える。
「あ…あれは単に、佐山さんが言われたように、すぐに解散するのはなんとなく寂しいので、二次会にお茶でも…という意味でした、これが答えで、実はあの時わざと、ふざけて意味深にお伝えしてしまいました。すみませんでした…。」

「もしかして…少し困惑されました?」と続ける。

「はい、実は…意図がわからず、多少戸惑いました。岡田さん…冗談でも、そんな発言したら旦那さんは、怒っちゃうんじゃないかな…?」と克之。

普通なら、随分前の会話である。

記憶からすぐに消えてもおかしくないような私のふざけた発言を、時が経過して拾ってきて意図を問われ…しかも夫の気持ちまで、持ち出されてしまった…

前から気になっていた、ということ…だろうか。

確かに考えてみると、良くない発言だったかもしれないと振り返る。

相手が誠実で紳士なタイプの克之だったから良かったものの、軽い遊び人のような相手に同様の発言をしたならば、この発言は、多少なりともおかしな方向に持っていかれたのかも、しれない…。

私は無言になった。

思わず、返信を長引かせてしまう。

浅はかな発言で、
ダメな既婚女性の代表…になったような気がした。

「確かに、言われてみたら、良くない発言でしたよね…これからは気をつけます。」とやっと返信した。

克之からは「そうだね…。少し心配しましたが、もう、大丈夫みたいですね、では、おやすみなさい」と返信がありその日のラインは終了した。

ただ、私の中に、ほんの少しの疑問が浮かんだ。

仮に、大丈夫でないと私が克之にうったえたなら…どう…なったんだろうと。
私はその考えをなんとか打ち消しながら、その日、眠りについた。
              
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