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裏切り
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紗季は幸せそうな顔をしながら気絶している。
紗季が目を醒ました時に変質者扱いされそうで怖い。
「そんな事ないと思うけどな~」と大輔は言っている。
「そんな事より聞きたい事がある。
何で俺は紗季の使う原子力を使った魔力を打ち消せるんだ?
普通の魔術師が使う四大元素を使った魔術では紗季の使った魔術は打ち消せないはずじゃないか?」
「お前の血にも原子力を組み込んだ術式が刻まれているからじゃないか?」
「俺は『二つ以上の魔術がお前の血に刻まれている』とは言ったが『二つの魔術』と言った覚えはないぞ?」と大輔。
「どういう事だよ?
二つの術式が刻まれているんじゃないのかよ?」と大宣。
「お前の血に刻まれている術式は二つじゃない。
お前の血には三つの術式が刻まれている」と大輔。
「頭が混乱してきた。
父さん、わかりやすく説明してくれ」と大宣。
「一つは予知魔術だ。
瑞江の血に刻まれた瑞江から受け継いだ魔術だ。
もう一つは俺の研究していた四大元素を使わず原子力を使う術式・・・紗季ちゃんも一部、持っている魔術だ。
そして、瑞江が『魔術と科学の融合』の中で研究していた術式『タイムトラベル』だ。
瑞江の得意魔術は『予知』だった。
瑞江は予知と科学を組み合わせて『タイムトラベル』の術式を作ったのだ。
瑞江と俺の研究は共同研究ではあったが、基本的に別々の研究をしていた。
瑞江は俺とは違う研究をし、違う研究成果を出していたのだ」と大輔。
「瑞江は失踪前に一つの予知をしたんだ。
タイムトラベル魔術を巡って、戦争が起こり人類が滅亡するという」と大輔。
「瑞江と俺は話し合って『魔術と科学の融合』の研究成果を破棄した。
でもこの研究成果を欲する者は化学研究室の内外に沢山存在したんだ。
身近なところでは早坂夫妻や和美だな。
早坂夫妻は瑞江の研究成果を手にいれようとしていたな。
洗脳されていた間の記憶もあるんだが瑞江は最初、早坂の旦那に拉致されたんだ。
早坂の旦那が何を考えて瑞江を拉致しようとしたかはわからない。
その後何者かによって早坂の旦那は殺されたからな。
瑞江は早坂の旦那が殺されると同時に行方不明になったんだ。
和美は俺から研究成果を搾り取って紗季ちゃんの血に刻むと、俺と瑞江が別の研究をしていた事を知りその研究成果も得ようとしたんだ。
その研究成果が人手に渡らないようにした瑞江はお前を洗脳出来ないようにしていたんだ。
和美は大宣から研究成果が得られないと知ると、俺との偽装結婚を継続した。
俺は瑞江に対する人質になると思ったんだろうな。
和美は早坂の旦那の死後も自分の野心を満たそうと研究成果を得ようとしたんだ」
和美と早坂の嫁とは繋がっていない。
それどころか昔からあの二人は仲が悪い。
最初早坂の旦那が殺された時、嫁は和美が犯人だと疑っていた。
確かに次第に和美の早坂の旦那に対する恋心は醒めていっており、早坂の旦那が殺された時には何の感情も動かない程度には醒めきっていた。
だが科学研究室の暗躍を知り、和美がまだ瑞江の力を得ていない 事を知り、和美が早坂の旦那を殺し瑞江を拐った訳ではないと確信する。
もし和美が旦那を殺し旦那の元から瑞江を連れ去ったのなら、もう紗季に術式は刻んだし大輔は用なしのはずだ。
大輔と和美が未だに偽装結婚を演じているという事が瑞江を呼び寄せようとしている、瑞江がどこにいるかわかっていない、という事だ。
「あくまで俺の直感でしかないのだが・・・瑞江はこの時代にはいない。
瑞江は早坂の旦那と一緒に殺されたんでも、何者かに拉致されたのでもない。
目の前で早坂の旦那が殺されるのを見た瑞江はタイムトラベルで別の時代に逃げたはずだ。
何故そんな事がわかるのか?・・・と言う事だが、瑞江には逃げるだけのスキルはあるのに逆に逃げない理由がないからだ。
ただ、タイムトラベルの魔術を使った瑞江か無事か元の時代に戻れるかは誰にもわからない。
基本的に「魔術を研究出来る」という事と「魔術を使える」という事は別の話だ。
それは魔術師でない俺が魔術の研究をしていた事でも明らかだ。
でもタイムトラベルは元々瑞江が使えた魔術「予知」に科学の力を足した物なんだ。
つまりタイムトラベルの大部分は瑞江の使える術式で構成されていたんだ。
瑞江は中途半端に「タイムトラベル」の魔術を使えた、いや、使えてしまった。
そのタイムトラベルが逃避目的か、その時代で為すべき事があるのかはもう確かめようがない、本人がどこにもいないからな。
次にどうするか決まるまでは俺と紗季ちゃんは今まで通り、洗脳が解けていないフリをしてここで過ごす。
家の中で魔術戦を行ったからこの惨状ではあるけど、この惨状の中で普通に生活していたら逆に『洗脳はまだ解けていない』と思うし『大宣は一度来たけど攻撃されて逃げ帰った』と思うだろう。
お前は瑞江と瑞江の論文の足取りを追え」大輔は大宣に言った。
大宣は思った。
「オヤジは何を半人前魔術師見習いに高い要求をしているのか」と。
大宣は大輔の呟いた事が気になっていた。
「この話は化学研究室の内部での内輪揉めであればよくある話で終わったんだ。
間違いなく早坂の旦那は銃殺・・・つまり、外部の人間に殺されている。
魔術師に抗魔術仕様でない生半可な銃は通用しない。
外部の大規模な組織が関与している。
しかも科学研究室の周辺で魔術を使われた痕跡が見つかっている。
間違いなく、化学研究室の情報を漏らしたユダが化学研究室内部にいる」
紗季が目を醒ました時に変質者扱いされそうで怖い。
「そんな事ないと思うけどな~」と大輔は言っている。
「そんな事より聞きたい事がある。
何で俺は紗季の使う原子力を使った魔力を打ち消せるんだ?
普通の魔術師が使う四大元素を使った魔術では紗季の使った魔術は打ち消せないはずじゃないか?」
「お前の血にも原子力を組み込んだ術式が刻まれているからじゃないか?」
「俺は『二つ以上の魔術がお前の血に刻まれている』とは言ったが『二つの魔術』と言った覚えはないぞ?」と大輔。
「どういう事だよ?
二つの術式が刻まれているんじゃないのかよ?」と大宣。
「お前の血に刻まれている術式は二つじゃない。
お前の血には三つの術式が刻まれている」と大輔。
「頭が混乱してきた。
父さん、わかりやすく説明してくれ」と大宣。
「一つは予知魔術だ。
瑞江の血に刻まれた瑞江から受け継いだ魔術だ。
もう一つは俺の研究していた四大元素を使わず原子力を使う術式・・・紗季ちゃんも一部、持っている魔術だ。
そして、瑞江が『魔術と科学の融合』の中で研究していた術式『タイムトラベル』だ。
瑞江の得意魔術は『予知』だった。
瑞江は予知と科学を組み合わせて『タイムトラベル』の術式を作ったのだ。
瑞江と俺の研究は共同研究ではあったが、基本的に別々の研究をしていた。
瑞江は俺とは違う研究をし、違う研究成果を出していたのだ」と大輔。
「瑞江は失踪前に一つの予知をしたんだ。
タイムトラベル魔術を巡って、戦争が起こり人類が滅亡するという」と大輔。
「瑞江と俺は話し合って『魔術と科学の融合』の研究成果を破棄した。
でもこの研究成果を欲する者は化学研究室の内外に沢山存在したんだ。
身近なところでは早坂夫妻や和美だな。
早坂夫妻は瑞江の研究成果を手にいれようとしていたな。
洗脳されていた間の記憶もあるんだが瑞江は最初、早坂の旦那に拉致されたんだ。
早坂の旦那が何を考えて瑞江を拉致しようとしたかはわからない。
その後何者かによって早坂の旦那は殺されたからな。
瑞江は早坂の旦那が殺されると同時に行方不明になったんだ。
和美は俺から研究成果を搾り取って紗季ちゃんの血に刻むと、俺と瑞江が別の研究をしていた事を知りその研究成果も得ようとしたんだ。
その研究成果が人手に渡らないようにした瑞江はお前を洗脳出来ないようにしていたんだ。
和美は大宣から研究成果が得られないと知ると、俺との偽装結婚を継続した。
俺は瑞江に対する人質になると思ったんだろうな。
和美は早坂の旦那の死後も自分の野心を満たそうと研究成果を得ようとしたんだ」
和美と早坂の嫁とは繋がっていない。
それどころか昔からあの二人は仲が悪い。
最初早坂の旦那が殺された時、嫁は和美が犯人だと疑っていた。
確かに次第に和美の早坂の旦那に対する恋心は醒めていっており、早坂の旦那が殺された時には何の感情も動かない程度には醒めきっていた。
だが科学研究室の暗躍を知り、和美がまだ瑞江の力を得ていない 事を知り、和美が早坂の旦那を殺し瑞江を拐った訳ではないと確信する。
もし和美が旦那を殺し旦那の元から瑞江を連れ去ったのなら、もう紗季に術式は刻んだし大輔は用なしのはずだ。
大輔と和美が未だに偽装結婚を演じているという事が瑞江を呼び寄せようとしている、瑞江がどこにいるかわかっていない、という事だ。
「あくまで俺の直感でしかないのだが・・・瑞江はこの時代にはいない。
瑞江は早坂の旦那と一緒に殺されたんでも、何者かに拉致されたのでもない。
目の前で早坂の旦那が殺されるのを見た瑞江はタイムトラベルで別の時代に逃げたはずだ。
何故そんな事がわかるのか?・・・と言う事だが、瑞江には逃げるだけのスキルはあるのに逆に逃げない理由がないからだ。
ただ、タイムトラベルの魔術を使った瑞江か無事か元の時代に戻れるかは誰にもわからない。
基本的に「魔術を研究出来る」という事と「魔術を使える」という事は別の話だ。
それは魔術師でない俺が魔術の研究をしていた事でも明らかだ。
でもタイムトラベルは元々瑞江が使えた魔術「予知」に科学の力を足した物なんだ。
つまりタイムトラベルの大部分は瑞江の使える術式で構成されていたんだ。
瑞江は中途半端に「タイムトラベル」の魔術を使えた、いや、使えてしまった。
そのタイムトラベルが逃避目的か、その時代で為すべき事があるのかはもう確かめようがない、本人がどこにもいないからな。
次にどうするか決まるまでは俺と紗季ちゃんは今まで通り、洗脳が解けていないフリをしてここで過ごす。
家の中で魔術戦を行ったからこの惨状ではあるけど、この惨状の中で普通に生活していたら逆に『洗脳はまだ解けていない』と思うし『大宣は一度来たけど攻撃されて逃げ帰った』と思うだろう。
お前は瑞江と瑞江の論文の足取りを追え」大輔は大宣に言った。
大宣は思った。
「オヤジは何を半人前魔術師見習いに高い要求をしているのか」と。
大宣は大輔の呟いた事が気になっていた。
「この話は化学研究室の内部での内輪揉めであればよくある話で終わったんだ。
間違いなく早坂の旦那は銃殺・・・つまり、外部の人間に殺されている。
魔術師に抗魔術仕様でない生半可な銃は通用しない。
外部の大規模な組織が関与している。
しかも科学研究室の周辺で魔術を使われた痕跡が見つかっている。
間違いなく、化学研究室の情報を漏らしたユダが化学研究室内部にいる」
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