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接吻
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「ついに来たぜ!俺の超必殺技『男女平等パンチ』が炸裂する瞬間がよ!」大宣が震えながら呟いた。
大宣の震えは武者震いではない。
ただビビって震えているだけだ。
「そんな事を震えながら言っててどうする?
お前が女の子を殴れない優しい子に育ったのは父親としてはうれしいが・・・
お前は魔術師としてやっていく気なんだろう?
場合によっては女の子を殺さなきゃいけないんだろう?
いや、父親としては我が子に人殺しなんてして欲しくない。
だけどお前、そんな事で魔術師としてやっていけるのか?
魔術師の八割が女だと聞いたが・・・」大輔が心配そうに言う。
「うるさいなあ!わかってるよ!『うわあ!俺って魔術師向いてねえなー』って何回思ったと思ってるんだよ!
俺は早坂教授の魔術を跳ね返しただけだけど早坂教授が自爆して死んだ時にいくら葵ちゃんに『しょうがない』って言われても、『女の人を殺してしまった、葵ちゃんのお母さんを殺してしまった』って考えると未だに眠れないんだから!」半泣きで大宣が言う。
「お前、彼女を助ける時ですらそんな調子なら紗季ちゃんを攻撃なんて出来ないんじゃないのか?
まあ幸い今回は攻撃の必要はないが」大輔があきれながら言う。
「なんだよ!攻撃しなくて良いなら最初から言えよ!」と大宣。
「要は紗季ちゃんの攻撃を打ち消して攻撃をさせなければ良いんだ。
紗季ちゃんを取り押さえる・・・抱きつけば良いんだ。
・・・そして失神させる。
失神させる方法は何も攻撃を与えるだけではないだろ?
大量の糞をして失神する事を『便失神』というそうだ」長々と大輔は説明する。
大輔が科学者をやめて時が経ってるとは言え、学者の話は長い、大宣は焦れるように先を促した。
「殴らないのはわかった。
じゃあ具体的に何をやれば失神させられるんだ?」
「キスだ」
「へ?」
「紗季ちゃんにキスをしろ」
「何でだよ!
仮にそれで失神するとして、俺後で警察につき出されるだろうが!」
「本当に警察に突き出されると思ってるのか?
キスでもそれ以上の事でも許容されるか否かは恋愛感情の有無だと思うのだが。
まあ自覚していないのが、お前の良いところでもあるからな。
男でも女でも自分がモテている事を自覚しているヤツは最低だからな。
・・・いや、こちらの話だ。
とにかく紗季ちゃんにキスをしろ。
大丈夫だ、キスをして嫌われる事はない。
仮に嫌われたとしても殺すよりは百倍マシだろ?」大輔は『紗季を殺すのか、紗季にキスするのか』選択を迫るように言った。
「知らねーからな!」
大宣は攻撃しようとしていた紗季を抱き寄せた。
抱き寄せられ、魔力を中和された紗季は魔術を展開する事が出来ない。
抱き寄せられた紗季はもう少し暴れるかと思っていたが、大宣の腕の中で大人しくしている。
「意識は操れるけど、無意識ってのは操れないからな。
『大宣に抱き寄せられたらこんな風に大人しくしていよう』と紗季ちゃんは常日頃から決めていたんだろうな」大輔は呟いた。
紗季は暴れるどころか目を閉じ背伸びをして何かを待っている。
チャンスだ。
キスをするなら今しかない。
それどころかここでキスをしないと紗季は何故か激しく暴れるような気がする。
「ごめん、葵ちゃん!」
大宣は紗季を抱き寄せながらキスをした。
「もう・・・私・・・死んでも・・・良い・・・」何かを呟くと紗季は失神し意識を手放した。
大宣の震えは武者震いではない。
ただビビって震えているだけだ。
「そんな事を震えながら言っててどうする?
お前が女の子を殴れない優しい子に育ったのは父親としてはうれしいが・・・
お前は魔術師としてやっていく気なんだろう?
場合によっては女の子を殺さなきゃいけないんだろう?
いや、父親としては我が子に人殺しなんてして欲しくない。
だけどお前、そんな事で魔術師としてやっていけるのか?
魔術師の八割が女だと聞いたが・・・」大輔が心配そうに言う。
「うるさいなあ!わかってるよ!『うわあ!俺って魔術師向いてねえなー』って何回思ったと思ってるんだよ!
俺は早坂教授の魔術を跳ね返しただけだけど早坂教授が自爆して死んだ時にいくら葵ちゃんに『しょうがない』って言われても、『女の人を殺してしまった、葵ちゃんのお母さんを殺してしまった』って考えると未だに眠れないんだから!」半泣きで大宣が言う。
「お前、彼女を助ける時ですらそんな調子なら紗季ちゃんを攻撃なんて出来ないんじゃないのか?
まあ幸い今回は攻撃の必要はないが」大輔があきれながら言う。
「なんだよ!攻撃しなくて良いなら最初から言えよ!」と大宣。
「要は紗季ちゃんの攻撃を打ち消して攻撃をさせなければ良いんだ。
紗季ちゃんを取り押さえる・・・抱きつけば良いんだ。
・・・そして失神させる。
失神させる方法は何も攻撃を与えるだけではないだろ?
大量の糞をして失神する事を『便失神』というそうだ」長々と大輔は説明する。
大輔が科学者をやめて時が経ってるとは言え、学者の話は長い、大宣は焦れるように先を促した。
「殴らないのはわかった。
じゃあ具体的に何をやれば失神させられるんだ?」
「キスだ」
「へ?」
「紗季ちゃんにキスをしろ」
「何でだよ!
仮にそれで失神するとして、俺後で警察につき出されるだろうが!」
「本当に警察に突き出されると思ってるのか?
キスでもそれ以上の事でも許容されるか否かは恋愛感情の有無だと思うのだが。
まあ自覚していないのが、お前の良いところでもあるからな。
男でも女でも自分がモテている事を自覚しているヤツは最低だからな。
・・・いや、こちらの話だ。
とにかく紗季ちゃんにキスをしろ。
大丈夫だ、キスをして嫌われる事はない。
仮に嫌われたとしても殺すよりは百倍マシだろ?」大輔は『紗季を殺すのか、紗季にキスするのか』選択を迫るように言った。
「知らねーからな!」
大宣は攻撃しようとしていた紗季を抱き寄せた。
抱き寄せられ、魔力を中和された紗季は魔術を展開する事が出来ない。
抱き寄せられた紗季はもう少し暴れるかと思っていたが、大宣の腕の中で大人しくしている。
「意識は操れるけど、無意識ってのは操れないからな。
『大宣に抱き寄せられたらこんな風に大人しくしていよう』と紗季ちゃんは常日頃から決めていたんだろうな」大輔は呟いた。
紗季は暴れるどころか目を閉じ背伸びをして何かを待っている。
チャンスだ。
キスをするなら今しかない。
それどころかここでキスをしないと紗季は何故か激しく暴れるような気がする。
「ごめん、葵ちゃん!」
大宣は紗季を抱き寄せながらキスをした。
「もう・・・私・・・死んでも・・・良い・・・」何かを呟くと紗季は失神し意識を手放した。
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