20 / 20
必然
しおりを挟む
詳しく話を聞くと現実世界で殺される可能性と仮想現実世界で殺される可能性は半々らしい。
仮想現実世界内では死なないし、人殺しは出来ない事になっている。
だが仮想現実世界のデータをいじるハッカーはいくらでもいるらしい。
仮想現実世界での殺人は「相手を脳死させること」である。
そして最も多いのがイザナミで負けた相手を脳死させることだ。
元々いた世界でもコンピューターをいじるハッカーを取り締まる方法はいたちごっこだった。
一つの方法を対策しても新しいハッキング方法が発見される。
もう一つ、ハッカーの中にはコンピューターウィルスをバラ撒く者も多い。
その目的は何なのか?どんな被害があるウィルスなのか?全てはまだ謎だとの事だ。
そのハッカー集団の駆逐が大河の隊、つまりイチローの配備された隊の現在与えられた任務だ。
つまりイチローは当面は国同士のこぜり合いではなく、国内での揉め事を手掛ける事になった。
これが幸いなのか、敵が国内だったら暗殺されやすいので危ないのか・・・それを判断するにはイチローには判断材料が足りない。
そんな時、イチローに男特有の低い声で呼び掛ける者がいた。
「君が噂のコールドスリープしていた男か?」
イチローが振り返るとそこにはイケメンの中年男性が立っていた。
そりゃイケメンに決まっている。
「もしかしてこの世界で一番ブサイクなのは自分なのではないか?」イチローは思った。
国によって美醜の感性は違う。どこかでイチローは美男子かもしれない。
だがそんな事はイチローにとって何の慰めにもならない。
自分の知らないところで「イケメン」と言われても何もうれしくないし、目の前の美女たちに「ブサイク」と言われるほうが何倍もショックだ。
あまり必要とされていなくて男は少ないとは言え、男だって優秀な遺伝子から生れたのだ。
いや、次代に遺伝子を残すために産み落とされた男こそ、優秀な遺伝子を受け継いでいる事が多い。
脳死者から冷凍精液を取り出す事は容易なので、イザナミで負け戦死する事が人類繁殖に与える影響は極めて低いので、男に軍人が多い事はかえって都合が良い事だと思われていた。
「こんなイケメンにもこの時代の女は見向きもしないのかよ。
じゃあ俺なんてハナクソみたいなモンだな」イチローは卑屈になりながら呟いた。
「君は大河少尉を負かしたらしいね。
どうだろう?私とイザナミで手合わせ願えないかな?
君はシデンを扱うらしいね。
私の愛機はアーレス、最強と呼び声の高い機体だ。
君は他の機体を選んでも良い。
『機体のせいで負けた』なんて言い訳されたらかなわないからね」男はイチローに言った、どうやら名乗る気はないらしい。
「ものは言いようだな。
俺が好きに選べる機体なんてノーマルの無改造の機体だろ?
それに対してアンタが乗る機体はカリカリにチューニングした機体だろ?
公平が聞いて呆れるぜ。
まあいいや、最強の機体をアンタが使ったとしたってアンタが最強って訳でもねーだろ?
俺はシデンの性能を80%は引き出してる。
アンタはアーレスの性能を20%も引き出してねーだろ?
シデンがアーレスの半分の強さだとしても、俺はアンタの倍は強いぜ?
アンタが俺に負ける理由は理解出来たか?」イチローは挑戦してきた男に言い放った。
何で俺は全方向に喧嘩を売るんだろ?
しかも現実世界なら銃を腰に差している軍人を怒らせたら、カッとした軍人に銃殺される事もあり得る。
まあ仮想現実世界では殺しはない事になってるから表立って今殺される事はないけど。
・・・な事言っても中2病患者は意味なく周囲に喧嘩を売るのは代表的な病状みたいなもんだし、しょうがないと言えばしょうがないが。
俺はようやく会った男と何で仲良く出来ないんだろう?
女の前で格好つけちゃうのは中2病患者じゃなくても男だったらあるあるだろうと思うが、中2病患者だったら、もはや必然だ。
イチローはこの場にリサがいなくて良かったと思った。
リサがいなくてすらイチローは「誰か俺を止めてくれ」と引っ込みがつかなくなるくらいの格好をつけた挑発をしてしまった。
リサがいたらイチローは際限なく格好つけていただろう。
「自信満々じゃないか!ではお手並み拝見といこうか」男は挑発され少し怒っているようだ。
相手の実力を知らないんだ。普通に考えればハッタリってわかりそうなモンだろ!?
職業軍人がハッタリを見抜けなくてどうするんだよ!他国の挑発に乗るのか!?
それが罠だったらどうすんだよ!?
・・・とは思うが、今は戦うしかなさそうだ。
仮想現実世界内では死なないし、人殺しは出来ない事になっている。
だが仮想現実世界のデータをいじるハッカーはいくらでもいるらしい。
仮想現実世界での殺人は「相手を脳死させること」である。
そして最も多いのがイザナミで負けた相手を脳死させることだ。
元々いた世界でもコンピューターをいじるハッカーを取り締まる方法はいたちごっこだった。
一つの方法を対策しても新しいハッキング方法が発見される。
もう一つ、ハッカーの中にはコンピューターウィルスをバラ撒く者も多い。
その目的は何なのか?どんな被害があるウィルスなのか?全てはまだ謎だとの事だ。
そのハッカー集団の駆逐が大河の隊、つまりイチローの配備された隊の現在与えられた任務だ。
つまりイチローは当面は国同士のこぜり合いではなく、国内での揉め事を手掛ける事になった。
これが幸いなのか、敵が国内だったら暗殺されやすいので危ないのか・・・それを判断するにはイチローには判断材料が足りない。
そんな時、イチローに男特有の低い声で呼び掛ける者がいた。
「君が噂のコールドスリープしていた男か?」
イチローが振り返るとそこにはイケメンの中年男性が立っていた。
そりゃイケメンに決まっている。
「もしかしてこの世界で一番ブサイクなのは自分なのではないか?」イチローは思った。
国によって美醜の感性は違う。どこかでイチローは美男子かもしれない。
だがそんな事はイチローにとって何の慰めにもならない。
自分の知らないところで「イケメン」と言われても何もうれしくないし、目の前の美女たちに「ブサイク」と言われるほうが何倍もショックだ。
あまり必要とされていなくて男は少ないとは言え、男だって優秀な遺伝子から生れたのだ。
いや、次代に遺伝子を残すために産み落とされた男こそ、優秀な遺伝子を受け継いでいる事が多い。
脳死者から冷凍精液を取り出す事は容易なので、イザナミで負け戦死する事が人類繁殖に与える影響は極めて低いので、男に軍人が多い事はかえって都合が良い事だと思われていた。
「こんなイケメンにもこの時代の女は見向きもしないのかよ。
じゃあ俺なんてハナクソみたいなモンだな」イチローは卑屈になりながら呟いた。
「君は大河少尉を負かしたらしいね。
どうだろう?私とイザナミで手合わせ願えないかな?
君はシデンを扱うらしいね。
私の愛機はアーレス、最強と呼び声の高い機体だ。
君は他の機体を選んでも良い。
『機体のせいで負けた』なんて言い訳されたらかなわないからね」男はイチローに言った、どうやら名乗る気はないらしい。
「ものは言いようだな。
俺が好きに選べる機体なんてノーマルの無改造の機体だろ?
それに対してアンタが乗る機体はカリカリにチューニングした機体だろ?
公平が聞いて呆れるぜ。
まあいいや、最強の機体をアンタが使ったとしたってアンタが最強って訳でもねーだろ?
俺はシデンの性能を80%は引き出してる。
アンタはアーレスの性能を20%も引き出してねーだろ?
シデンがアーレスの半分の強さだとしても、俺はアンタの倍は強いぜ?
アンタが俺に負ける理由は理解出来たか?」イチローは挑戦してきた男に言い放った。
何で俺は全方向に喧嘩を売るんだろ?
しかも現実世界なら銃を腰に差している軍人を怒らせたら、カッとした軍人に銃殺される事もあり得る。
まあ仮想現実世界では殺しはない事になってるから表立って今殺される事はないけど。
・・・な事言っても中2病患者は意味なく周囲に喧嘩を売るのは代表的な病状みたいなもんだし、しょうがないと言えばしょうがないが。
俺はようやく会った男と何で仲良く出来ないんだろう?
女の前で格好つけちゃうのは中2病患者じゃなくても男だったらあるあるだろうと思うが、中2病患者だったら、もはや必然だ。
イチローはこの場にリサがいなくて良かったと思った。
リサがいなくてすらイチローは「誰か俺を止めてくれ」と引っ込みがつかなくなるくらいの格好をつけた挑発をしてしまった。
リサがいたらイチローは際限なく格好つけていただろう。
「自信満々じゃないか!ではお手並み拝見といこうか」男は挑発され少し怒っているようだ。
相手の実力を知らないんだ。普通に考えればハッタリってわかりそうなモンだろ!?
職業軍人がハッタリを見抜けなくてどうするんだよ!他国の挑発に乗るのか!?
それが罠だったらどうすんだよ!?
・・・とは思うが、今は戦うしかなさそうだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる