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第二章:独裁の予兆!?中央政治局常務委員《フラワーナイン》の選抜
第6話:華やかなお茶会!?集まる華の国の支配者達
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――中央政治局常務委員会。
この国の最高権力者、中央政治局常務委員が集い、党の、そして国の重要問題決める場だ。
党の最高意思決定機関であり、実質、華の国を支配・統治している最高指導機関だ。
毎週開催されているというのが庶民の間では通説となっている。
というのも、中央政治局常務委員会の開催は、非公開だからだ。
庶民にとっては、党の重要方針が決められる場ということしか明らかにされていない。
「私みたいな党員でもない人間が出たら、それこそシー様の評価にも悪い影響が……」
「そう心配するな。流石に中央政治局常務委員会でルーに話してもらうことはない。文字通り、ルーは茶を淹れるのだ」
「お、お茶をですか。幹部の皆様に。それでは、茶葉を買いに行かなくては」
「いや、いつものでいい。いつも使っているものにしろ」
「し、しかし、いつも使っているのは普通に店で売っているもので、幹部の皆様に出すには」
「ルー、そのいつものをルーは幹部である私に毎日出しているのだが」
「あ、いや、それはシー様が。申し訳ありません。そのようなつもりで言ったのではないのですが」
「ハハハハ、いや、いい。わかってる。まあ、いつもよりは高いの買っておけ。ただ、ルーが淹れた茶を出すのが重要なのだ。ティータイムはちょうど明日だ。粗相のないよう準備しなさい」
(俺が出す茶が重要なんて、シー様は何を考えているのだ)
中央政治局常務委員会には、限られたもの、つまり中央政治局常務委員しか出れない。
そんな国家の最高機密会議に茶の給仕とはいえ、党員でもない男がでるのだ。
俺は頭を抱えるしかなかった……。
――中央政治局常務委員会当日。
(手が、ふ、震える……)
俺は緊張で震える手をなんとか抑えながら、全力で、カップに茶を注ぐ事に集中した。
この部屋にいる九人の美女のうち、八人から痛いくらい視線感じる。
その全ての視線がこう言っている。
前日と同じだ。
『何故、お前がいるのか』、と。
その視線に耐えながら、俺は九人全員にお茶を給仕した。
最後に淹れたのは、総書記であるフーであった。給仕する順番はシーからの指示で、序列とは逆の順番にした。
「昨日のケガは治りましたか?」
茶を淹れたあと、頭を下げる俺にフーが優しく声をかけてくれた。
ただ、また重要な会議に俺がいることに戸惑いを感じているようであったが。
「は、はい。昨日は大変申し訳ありませんでした。またケガを治して下さりありがとうございます。なんと感謝していいのか」
「そうですか。それは良かったです。あら、あなたが淹れたお茶、なかなか美味しいですよ」
「あ、ありがとうございます。それでは失礼いたします」
そう言って俺は座っているシーの後ろに控えた。
本当は一刻も早くこの部屋から出たかった。
しかし、シーがそれを許さなかった。
幹部の方がおかわりしたくなった時、自分で注がせるのかというのが理由であった。
後ろに控えたが、それでも視線は俺の方へ向けられている。いや、俺の前に座っているシーにであるが。
その肝心のシーは、こちらからは後ろ姿しか見えないが、恐らく澄ました顔をしているのであろう。俺の淹れたお茶を啜っている。
「同志の皆様。ここにいるルーには私の身の回りの世話を命じているのですが、なかなか上手く茶を淹れるので、本日は皆様にもぜひルーの淹れた茶を楽しんでほしいと思い用意しました。まだ、飲んでいない方はぜひ」
皆が注目してるのを察したのか、シーは他の中央政治局常務委員に説明をした。
いつも通り、その話し方は抑揚のない無機質であった。
そして、シーの話は、中央政治局常務委員開始を知らせるものとなった。
この国の最高権力者、中央政治局常務委員が集い、党の、そして国の重要問題決める場だ。
党の最高意思決定機関であり、実質、華の国を支配・統治している最高指導機関だ。
毎週開催されているというのが庶民の間では通説となっている。
というのも、中央政治局常務委員会の開催は、非公開だからだ。
庶民にとっては、党の重要方針が決められる場ということしか明らかにされていない。
「私みたいな党員でもない人間が出たら、それこそシー様の評価にも悪い影響が……」
「そう心配するな。流石に中央政治局常務委員会でルーに話してもらうことはない。文字通り、ルーは茶を淹れるのだ」
「お、お茶をですか。幹部の皆様に。それでは、茶葉を買いに行かなくては」
「いや、いつものでいい。いつも使っているものにしろ」
「し、しかし、いつも使っているのは普通に店で売っているもので、幹部の皆様に出すには」
「ルー、そのいつものをルーは幹部である私に毎日出しているのだが」
「あ、いや、それはシー様が。申し訳ありません。そのようなつもりで言ったのではないのですが」
「ハハハハ、いや、いい。わかってる。まあ、いつもよりは高いの買っておけ。ただ、ルーが淹れた茶を出すのが重要なのだ。ティータイムはちょうど明日だ。粗相のないよう準備しなさい」
(俺が出す茶が重要なんて、シー様は何を考えているのだ)
中央政治局常務委員会には、限られたもの、つまり中央政治局常務委員しか出れない。
そんな国家の最高機密会議に茶の給仕とはいえ、党員でもない男がでるのだ。
俺は頭を抱えるしかなかった……。
――中央政治局常務委員会当日。
(手が、ふ、震える……)
俺は緊張で震える手をなんとか抑えながら、全力で、カップに茶を注ぐ事に集中した。
この部屋にいる九人の美女のうち、八人から痛いくらい視線感じる。
その全ての視線がこう言っている。
前日と同じだ。
『何故、お前がいるのか』、と。
その視線に耐えながら、俺は九人全員にお茶を給仕した。
最後に淹れたのは、総書記であるフーであった。給仕する順番はシーからの指示で、序列とは逆の順番にした。
「昨日のケガは治りましたか?」
茶を淹れたあと、頭を下げる俺にフーが優しく声をかけてくれた。
ただ、また重要な会議に俺がいることに戸惑いを感じているようであったが。
「は、はい。昨日は大変申し訳ありませんでした。またケガを治して下さりありがとうございます。なんと感謝していいのか」
「そうですか。それは良かったです。あら、あなたが淹れたお茶、なかなか美味しいですよ」
「あ、ありがとうございます。それでは失礼いたします」
そう言って俺は座っているシーの後ろに控えた。
本当は一刻も早くこの部屋から出たかった。
しかし、シーがそれを許さなかった。
幹部の方がおかわりしたくなった時、自分で注がせるのかというのが理由であった。
後ろに控えたが、それでも視線は俺の方へ向けられている。いや、俺の前に座っているシーにであるが。
その肝心のシーは、こちらからは後ろ姿しか見えないが、恐らく澄ました顔をしているのであろう。俺の淹れたお茶を啜っている。
「同志の皆様。ここにいるルーには私の身の回りの世話を命じているのですが、なかなか上手く茶を淹れるので、本日は皆様にもぜひルーの淹れた茶を楽しんでほしいと思い用意しました。まだ、飲んでいない方はぜひ」
皆が注目してるのを察したのか、シーは他の中央政治局常務委員に説明をした。
いつも通り、その話し方は抑揚のない無機質であった。
そして、シーの話は、中央政治局常務委員開始を知らせるものとなった。
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