肩が重い

NOA

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肩が重い

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今私の肩の上には私よりも60以上も歳の離れたお年寄りを乗せている。どこに行くかの目的も知らない顔も見えない、けれども確かに感じる重み。今日私は友人に会いに行く。
顔も見えないテレビの中の音だけの友人。実際に会ったことはなくただ雑談をするだけのそんな友人。私に残った最後の友人だ。そんな彼に最近変化があったらしい。なんでも働くことを強いらているそうだ。彼は嫌々側ことを選択するようだが私は少し憐んでいた。彼も肩が重くなるようなそんな日々が来るのかと思うと。
この国で「働く」ということは私と同じような重みを許容するということだ。その重みを気にしないで生きている人が大半だかこの状況はとても危険だ。本当は1人で乗せる必要は無く何人かで乗せるものだからだ。今は私がつまづいたら代わりがいない。そしてこの先この重みはさらに増す。この国にいる限り。なら、私はその重みを捨てて別の国へ行こう
何もかもを捨てて。

出来なかった。いや捨てても何も変わらなかった。
理由は簡単だ。他の国でも同じ重みを味わったからだ。そして私は罪を冒し元の国へ帰ってきた。私はまたあの老人を肩に乗せていた。その老人を私は下ろし私はある選択をした。
わたしはかたにのせられた「人生」などあゆみたくなどない。あゆむのならあのなにもかたにのることのなかったひびにおもいをはせるだけだった
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みんなの感想(1件)

花雨
2021.08.12 花雨

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