記憶をなくした少女

Ma

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シーン1、死者を導く姫

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(ザクザク)

誰かが森の中を歩く音で私は、目を覚ました。

(また、私を退治しに来たのかしら?)

ここ連日、私を退治にしに来た人が多すぎたせいで魂がすり減ってしまっていた。
私が、何をしたと言うのかしら私は、ただ静かに森の中で暮らしたいだけなのに‼️
私は、何とか体を起こし音のする方に飛んでいった。
すると、そこには小さい男の子が泣きながら歩いていた。

「暗いよ、恐いよー。お父さん、お母さんどこにいるの?」

その声を聞いたとたん、気が付くとその子の前に姿を表していた。

「どうしたの?」

そう聞くと、その子は目から手をはずして私を見た。
私を見ると一瞬目を丸くしていたけど、その後私に笑いかけてきた。
私は、それを見て首をかしげた。
私は、明らかに透けているくせに少し浮いていたからだ。

「君は私が怖くないの?」

そう聞くと、その子は、首をふった。

「怖くないよ、死んだお母さんやお父さんが僕の前に現れたらこんな感じだと思うから。」

その言葉で妙に納得してしまった。
この子は、私と一緒で寂しいんだ。
だから、この子がほっとけなかったんだ。

「でも、いとこは優しいし、おじさんとおばさんはやさしいし良くしてもらってるけどそれでも、会いたくって……、ここに来れば死んだ人に逢わせてくれるって聞いてそれで、来たんだけど……、」
「迷子になったと?」

そう言うと、顔を少し赤くして頷いた。
私は、思わずクスクス笑ってしまった。
その子が何か言う前に手で制止して、私の仕事に取り掛かることにした。

「正確には、未練のある死者の願いを叶える事の出来る死者が住んでいるって言うのが正解なんだけど、まあ、結果的に両親に合わせてあげることは出来るよ。」
「本当に❗」
「ついてきて」

そう言うと、私の後ろを男の子が着いてきた。
少し歩くと少し開けた場所に、湖がある場所に出た。

「ここで、待ってて」

と言って私は、浮かびながら湖の中心に浮かんだ。

「水よ、生者と死者の架け橋となれ‼️」

そう言うと、リーンと綺麗な鈴の音が聞こえたと思ったら、湖が鏡のように反射してきた。

「湖を覗いてみて」

そう言うと、その子は、頷いて恐る恐る覗いた。
すると、目を見開いて、手を伸ばして震える声でお父さんとお母さんと呼んでいた。
彼らの両親も泣きながら子供の名前を呼んでいた。
私は、彼らの近くにゆっくり近づいた。

「この、奇跡は一度だけ、貴方の両親の未練を立ちきらなければ、悪霊になってしまう。だから、貴方が両親を安心させて、お別れをしてあげて。」
「お父さん、お母さん、いつも見守っててくれてありがとう。僕は、もう大丈夫だよ。だから、さようなら」

そう言うと、彼らはほっとしたように、湖の底に消えていった。

「大丈夫よ!彼らは、ちゃんと、成仏したわ。」

そう、いった後自分の手か消えかかっているのが見えた。
これで、私も成仏できるのね。
だけど、この子を森の麓まで送るまで。

「さぁ、森の入り口まで送ってあげるわ。ついてきて。」

そう言うと、その子も後をついてきた。
しばらく歩くと、入り口が見えてきた。

「ここをまっすぐ歩くと帰れるわよ。」

そう伝えると、私の方を見た。

「ありがとう‼️また、会える?」

私は、その言葉を聞いて驚いた。
ここで死者の送り手をしてから言われた事は、なかったから、ここに、来る人たちは私を怖れて消そうとした人の方が多かったから最後の時にそんなことを言われると思わなかった。
私は、思わず、涙ぐんでしまった。

「どうしたの⁉️」
「ありがとう。そう言われたことがなかったから、嬉しくって……、最後に、貴方みたいな人に出逢えって良かった……。」
「最後?」
「私も、成仏するときが来たみたい」

私は、その時、その子に、消えかかってる手を見せた。

「その手‼️」
「ここで死者達を送り続けて100年長かったわ。これで私も生まれ変わる準備が出来るわ。」
「嫌だ‼️」

そう言うと、触れないはずなのに私を抱き締めた。

「お姉さんのことこんなに、愛してるのに‼️」

私は、生前自分の婚約者に殺された。
理由は、可愛げがないからだそうだ、実の両親も厄介払いをするようにその嫁がせた。
誰からも一度として愛してると言われたことがない。

「会って間もないし、助けてもらって錯覚してるだけよ、もう少し大きくなったら本当に好きな人が出来るからだから……。」
「迷惑なのは、わかるけどでも、この気持ちに嘘はない‼️お姉さんを見たとき悲しい目をしているのを見てお姉さんも僕とおんなじなんだって、分かったんだ、確かに、会っても間もないのかもしれないけどだからって僕の気持ちを否定しないで‼️」

その言葉を聞いて、私は、一筋涙を流した。

「じゃあ、一つ賭けをしましょうか?」
「賭け?」
「そう、この手首を見て。」

そう言うと、私は、その子に手首を見せた。

「私は、すぐに、この時代に生まれ変わるわただ、前世の記憶をなくしてね、それでもいいなら、この手首の蝶の痣を便りに私を探しだしてみて、そうしたら貴方の物になっても言いわ。」
「約束だよ?」

そう言うと私を抱き締めている手を離した。

「僕は、レオン‼️お姉さんは⁉️」
「私は、フライ‼️待ってるから‼️」

そう言って私は、成仏した。




…………それから、20年後俺は、フライと別れた、あの森の入り口にいる。
花束を置いて、手を合わせている。

「パパどこ~?」

そう言いながら、小さな女の子が走ってきた。
俺は、その子を抱き上げた。

「アン、俺の可愛いお姫様、今ママのところに戻るから」

そう言うと、後ろからクスクス笑う声が聞こえてきた。

「私は、ここにいるわ。」

大きいお腹を揺らしながら女の人が歩いてきた。
俺は、彼女を抱き締めた。

「少し風が出てきたなぁ。体に悪いから早く戻ろうか?」
「そうね。」

彼女がそっと、俺の腕に触れたとき袖が少しずれて彼女の手首に蝶の痣が見えた。
そして、俺は、最後に森に別れを告げて、家路についた。
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