記憶をなくした少女

Ma

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シーン2復讐を果たす女(前編)

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私は、暗くじめじめした場所を歩いていた。
いつから歩いているのか分からない、自分が誰でどこに行くのかさえ分からない。
ただ、分かっていることもある、私が、誰かに、殺されたと言うこと……。

でも、誰に殺されたのかは覚えていない。
どうやら、この場所を歩いていると生前の記憶をなくしていくようだ。
歩くのをやめたいがどういうわけか、足が止まらない。
足が目的地を知っているかのように歩く方向に迷いはない。
これでは、記憶をなくしてしまう、そんなのは、嫌だ‼️
その時、目の前に一筋の光が差してきた。
なんだと思い上を向くと、白い服をまとった一人の男が降りてきた。

「そなたの強い思いにより、我は、現れた……、そなたの望みは何だ?」

そう聞かれたとたん私は、上を向いて大きな声で笑い出した。
すると、その男は、怪訝な顔をした。

「何が、おかしい?」
「貴方が誰か知らないけど……、私もバカじゃないのよ‼️何か望みがあるんでしょう⁉️」

そう言うと、その男は翼を広げた。
その色は、夜のように黒い色だった。

「いかにも、望みを叶えるためにそなたの魂を頂く。」
「私は、私を見殺しにした、あいつに復讐することが出来るなら、それが例え、自分の魂だったとしても⁉️」

そう言うと、その男は微笑んだ。

「なら、契約成立だ‼️」

そう言うと、どこからか杖をだし私の胸を付いた。
すると、心臓を貫かれていないのに、貫かれたような衝撃が走った。
私は、思わず胸を押さえ、その場にうずくまった。
しばらくすると、胸の痛みが治まったので、手を外すと、ハート形の痣が出来ているのに気がついた。

「それは、我との契約の証、そなたの願いが叶ったときそなたの魂をもらい受ける……。」

その声が聞こえた瞬間目の前が暗くなった。

………………。

「……しろ…………」

誰かが私を呼んでいる?
誰?
そう思った時誰かが、私の手を強く掴んだ。

(お前が、何のために戻ってきたのかを思い出せ‼️)

その瞬間、思い出した……。
そう、私は彼に殺されたんだ‼️

「死んだのか?」
「そうみたいね、やっと死んだのね、邪魔な女……清々したわ‼️」

誰か他にいるの?
目を開けたいのに開かないし、体を動かしたいのに動けない、せっかく戻ったと言うのに、何もできないままなの⁉️
すると、あの堕天使の声が聞こえた。

(しょうがない、力を貸してやる)

そう言うのを聞いた後、体から魂が抜けるのを感じた。

(さぁ、復讐を始めようか。)

その声が聞こえた瞬間、体が動くことに気がついた。
その瞬間私は悟った。

(これで、彼らも同じ苦しみをあたえることが出来る、フフフ……。)

そう言うと、彼女は彼の胸に、手を差し入れた。
すると、男は、急に胸を押さえ口から血を吐いた。
それを見た女は、甲高い声をあげた。
彼女からしたら、私の姿が見えないのだから、彼が、急に、苦しみだして、血を吐いたんだから……。
私は彼の心臓を握る手に力を込めた。

(さようなら……私を裏切った男……。)

そう言うと、男の心臓がぐしゃっと潰れる音がしたとたん、男がくずおれた。
私は、潰した心臓ごと手を引き抜いた。
私は、それを見て思ってしまった。

(何て美味しそうなのかしら、)

そう思った瞬間私は、徐に彼の心臓を口に運んで食べてしまった……。
その時私は察してしまった。

あ~あ、そうか私は人間ではなくなってしまたのだと……。
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