異世界転生なんか望んでない!!どうしたらもとの世界に帰れますか?

Ma

文字の大きさ
2 / 10

変わった人たちと成人の儀式

しおりを挟む
私の名前は、ローズこの国の男爵の一人娘として生まれた。
優しい両親のもとで何一つ不自由なく幸せに暮らしていました。
8才のころ不思議に思うことがありました。
ある人は陽気に、この世界は素晴らしいと言いながら踊っていたり、またある人は、どうしてこんな世界に来なきゃ行けないんだと言い泣いていたりまた暴れ衛兵に捕まってどっかに連れていかれたりされていました。
私が不思議そうな顔をしていると、お母様はそんな様子に気がついてその人たちを冷ややかな視線を向け私に行った。

「ローズこんなものを見るんじゃありません。」

と私に言った。
優しかったお母様がこんな顔をするところを見たことがなかったので、少しこわかった記憶があった。
その日の夜両親の話を盗み聞きしてしまった。

「今日も町で衛兵に連れていかれた人を見たわ。」
「またか...、」

そう言って、読んでいた本を閉じた。

「ローズがその人たちのことを不思議そうに見てたわ。どうしましょう、数年後には成人の儀式で教会に行かなきゃ行けないわ。もし、思い出してあの人たちみたいになったら、果たして私は、あの子を愛し続けることができるかしら?」

そう言うと、お母様は顔を手で覆って泣いていた。
それを見てお父様が座っていた椅子から立ち上がり、お母様に近づき肩に手を置いた。
お母様は顔を覆っていた手をはずしお父様を見上げた。

「大丈夫さローラ、俺たちの娘を信じよう。」

そう言うと、お母様を抱きしめ口づけをしたのを見てそっと部屋に戻った。
その夜は、不安で眠れなかった。

月日が流れ10年後成人の日が訪れた。

「お父様お母様私を育ててくださってありがとうございます。無事に成人の日を迎えることができました。」

お母様は、私を抱き締めた。

「あなたなら大丈夫と信じています。無事にあなたのまま戻ってくることを信じています。」

そう言うと私を放した。

「それってどういう...、」

聞くまもなく教会の人に馬車に乗らされた。
お母様が言ってたことを考えているうちに、教会についた。
馬車のドアが開き馬車を降りた。
その日との後について行くと、床に模様が書いてあり、中心にベッドが置いてある。

「今からあそこに横になってもらい目を閉じてもらいます。」
「分かりました。」

そう言い、ベッドに座り横になろうとしたときに、係の人が盃を目の前に差し出した。

「儀式の前に、こちらの飲み物を飲んでいただきます。」

そう言われたので、盃の中身を飲み干した。
甘くドロリとした感触が喉を滑り落ちた。
すると、急に眠気が襲ってきた。
ベッドに倒れ、目を閉じた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...