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謎の島に送られた少女

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何か音が聞こえてきたため目を開けると木の天井が目に入ってきた。
ゆっくり、身体を起こしあたりを見渡すも誰もおず、こんじまりした部屋にベッドが一つその脇に小さなテーブルに椅子が対面式に置かれテーブルの上には花瓶に刺さったデイジの花が飾ってあった。
私がそれを何気なく眺めているとドアが開く音が聞こえてきたので、そちらを見ると痩せた女性が丁度水の入った桶を抱えて入ってくるのが見えた。
その女性と目が合うと彼女は一瞬驚いた顔をしてから微笑んだ。

「あら、目を覚ましたのね。まず安心したわ…、ここに来る人たちはめをさますか、ショックのあまり目を覚まさないかの二つに分かれるから…......、」

そう言うと、テーブルに持っていた桶を置いて入っていたタオルを絞って私の顔をふいてきた。

「すいません、ここはどこですか?」

そう聴くと彼女は少し困った顔をして聞いてきた。

「何も覚えていないの?」

そう聞かれ私は、小さくうなずいた。

「自分の名前は言える?」

そう聞かれたとき男の人の声が聞こえた。

「あ......り...す」
「ありす?良い名前ね、でも、どこかで聞いたような、懐かしいような......、」

そういうとなにかかんがえこんでしまった。

「あの......」

私が再度声をかけると、彼女ははっとした顔になった。

「ごめんなさいね、何か考え込んでしまっていたみたい。ここは、どことの質問ね、ここは、覚醒者達が連れてこられる島ロストアイランド」
「ロストアイランド?」
「そうここは、協会が異端と決めた者達が連れてこられるところ」

そう聞かされるも記憶がないせいかわからず、首をかしげるばっかりだ。
その様子を見ていた彼女は微笑んだ。

「そうだわ、ありすお腹すかない?」

そう聞かれたとたんお腹の音が盛大になった。

「あ......」

私は、顔を赤くして俯いてしまった。

(はずかしい......)

彼女はクスッと笑っていた。

「ごめんなさいね、お腹がなるのも無理ないわ、だって、あなたがここに来てから1ヶ月も目を覚まさなかったんですもの。」
「1ヶ月もですか.!?」

私が驚いて聞くと、彼女は小さくうなずいた。

「私もおどろいたわ、ここに来た人は早くって翌日遅くって1週間だったからもう駄目だと思ったからだから、目が覚めて本当に良かったわ。」

そう言って彼女はすごい喜んでくれた。
それを、見ていると心が暖かくなってくるのと少しずつ嬉しい気持ちが込み上げてきて目から涙が一筋滑り落ちた。
それをみたかのじょがしんぱいそうなかおをむけてきた。

「どうしたの?どこか痛いところでもあった?」

私は、慌てて首をふった。

「いいえ、大丈夫です、えーと......」

彼女の名前を言おうとして彼女の名前を聞いていないことを思い出した。
彼女もその事に気がついたのか、自己紹介をしてくれた。

「わたくしは、この宿で覚醒者様方のお世話を任されています。No.1オーナーです。」
「No.......?」

私が、またしても首をかしげると、彼女は微笑んだ。
何故か分からないけど彼女の笑顔を見るとこころがやすらいでいくのをかんじた。

「そろそろ、お食事の時間になりましたので、詳しい話はお食事をしながらといたしましょう......、ここには、あなた様と同じ境遇のかたも何人も一緒に生活しています。その方達と一緒に食事を取りますか?それともこちらにお食事をお持ちいたしますか?」
「いいえ、皆さんと一緒に食事したいです。何か一人で食事すると余計なことを考えてしまいそうで......、」
「かしこまりました」

そう言うと立ち上がりこちらにお辞儀をし手を差し出してくれた。
私が不思議そうにその手を見ていると、彼女がいった。

[1ヶ月もベッドで横になられていたのですから筋力も落ちていると思いますので......、」
「ありがとうございます。」

私は、その手を取ってベッドから立ち上がろうとするとよろめいてオーナーにたれ掛かった。

「すいません、思った以上に筋力が落ちていたみたいで足に力がはいらないみたいです。すぐに、退きますね。」

そう言うと、オーナーは私の肩を支えもう片手は膝下に通してお姫様抱っこをしていました。
私が驚くと、

「こう見えても力があるのでご安心ください。それでは、食堂に向かいましょうか。」

そう言うと、ドアに向かい歩きだした。






この時の事を今でも覚えている。
この二人の出会いがこれから起こることの序章でもあるのだから......、
そうでしょう、###。
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