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眼福なり
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『ありふれた日常でトキメキを。』
通称『日トキ』
通称と言ったが、誰も言ってない。
私が勝手に省略しただけだ。
その日トキは、舞台は日本の由緒正しいお坊ちゃまとお嬢様達が通う、由緒正しい学園での恋愛模様を描いた乙女ゲームである。
この時点でありふれていない。
ヒロインはごくごく普通の一般家庭で育った女の子。
ひょんな事からお金持ちの家に養子に入る事になる。
・・・うん、ありふれていない。
そこで、名立たる名家のご子息様達とめくるめく恋の駆け引きをしながら、
どんどん子息様達を籠絡していくのだ。
攻略対象は老舗のデパートの御曹司。有名高級ホテルオーナーの息子。
大手ゲームーメーカーの息子等々、全員がテライケメン。
本当にイケメンなのだ。
そして、メインの攻略対象である大財閥の跡取り息子の婚約者としてヒロインの前に立ちはだかるのが、
この黒髪ストレート美少女である私、西園寺愛良なのだ。
愛良の家柄も財閥の娘で、攻略対象程の規模では無いがとても由緒正しいお嬢様だ。
だが、悪役令嬢に相応しくすんごく性格がお悪い。
プライドが高くて婚約者に近付くヒロインを、
自分の手を汚さずに、人を使って嫌がらせをする。
だが、婚約者がその悪行を見抜き、
恒例のダンスパーティの場で公開処刑ならぬ、
公開断罪を行う。
愛良は婚約破棄後、学園を退園処分となり、西園寺家からも勘当されて、何処かの街へ放り出される。
そして、今まで蝶よ花よと甘やかされて育った為に環境に適応出来ずに病気になって、誰にも看取られる事なく孤独に死ぬ。
因果応報の一言。
幾ら婚約者にヒロインが近づいて来たからといって、極寒の体育館倉庫に閉じ込めるとか、
一歩間違えたら殺人だ。
恐ろしい。
私にはとてもじゃないが、そんな事出来ない。
で、何故そんな悪役令嬢に私がなりたかったのかというと・・・・。
コンコンコン。
控えめ目なノックの音。
「愛良お嬢様、起きていらっしゃいますか?」
声変わり手前のメゾソプラノボイス。
これは、まさか。
ガチャリ。
扉の開く音。
ウッ!!!!眩しい!!!!!!
思わず目を瞑る。
入って来たのは、癖毛の黒髪の少年。
目はクリクリと大きく、小ぶりの鼻に愛良よりぷりぷりの唇。
将来は確実にイケメンなるであろう容姿に私は思わず合掌した。
目の保養、目の保養。
この少年は何を隠そう隠し攻略対象者、私付きの執事、片岡玲だ。
その玲が固まったまま動かない。
ん?どうしたんだろう。
これか、合掌とかしたから動いては駄目だと思ったのか。
うーん、流石執事、仕事に徹底しているな。
私は合掌を止めて、
「玲?どうしたの?」
と首を傾げる。
すると、一仕事を終えたであろう玲が何故か大きく目を見開いて呟く。
「ま、まさか愛良お嬢様が起きているなんて、思わなかったもので・・・。」
いけない。会社員の頃の癖で朝早く起きるのが普通になっていた。
「何だか目が覚めてしまって、驚かせてしまってごめんなさい。」
玲は更に目を大きく開く。
「愛良お嬢様が、謝罪の言葉を口にするなんて・・・・・・。
どうされましたか?熱でも出ているのですか!?」
私の額に手を当て熱を測り出す。
天使の様な少年に触れられるとか、前世では無い経験。
ありがたや、ありがたや。
「熱は・・・無いようですが・・・。」
「大丈夫!この通り元気よ!」
その場でスクワットをして見せる。
「愛良お嬢様!?」
あ・・・。
お嬢様らしからぬ行為な事は明白だ・・・。
何事も無かったかのように居住いを正し、コホンと咳払いをする。
「つまり、体調は良好という事よ。」
「・・・・・・・・。」
疑いの眼差し。
うう・・・。視線が怖い。
まともに目線を合わせず、遠くを見つめる。
諦めたのか、玲はふうと息を吐く。
「まぁ、良いでしょう。
今日は愛良お嬢様の御誕生日ですので、気持ちが高ぶっているという事にしておきます。」
私、今日誕生日なの!?
何歳?何歳なの!?
「ね、ねえ!玲!」
「何でしょう?」
「私、今日で何歳になったの?」
玲がはぁ?という顔をする。
そういう顔になるのも分かる。
だって自分の年齢を忘れるとか、結構ヤバいと思う。
「愛良お嬢様は今日で10歳になられました。」
玲は直ぐに顔を無に戻し、答えてくれた。
ありがとう、素晴らしい執事だ。
「10歳ね・・・、よしっ、まだイケるわ。」
「お嬢様?」
私の呟きを怪訝な目で見る玲。
私はそして、宣言する。
「玲!私は10歳になった今日から、良い子になる事を誓うわ!!」
「・・・・はい?」
玲は可愛らしい天使の様な顔を歪めた。
通称『日トキ』
通称と言ったが、誰も言ってない。
私が勝手に省略しただけだ。
その日トキは、舞台は日本の由緒正しいお坊ちゃまとお嬢様達が通う、由緒正しい学園での恋愛模様を描いた乙女ゲームである。
この時点でありふれていない。
ヒロインはごくごく普通の一般家庭で育った女の子。
ひょんな事からお金持ちの家に養子に入る事になる。
・・・うん、ありふれていない。
そこで、名立たる名家のご子息様達とめくるめく恋の駆け引きをしながら、
どんどん子息様達を籠絡していくのだ。
攻略対象は老舗のデパートの御曹司。有名高級ホテルオーナーの息子。
大手ゲームーメーカーの息子等々、全員がテライケメン。
本当にイケメンなのだ。
そして、メインの攻略対象である大財閥の跡取り息子の婚約者としてヒロインの前に立ちはだかるのが、
この黒髪ストレート美少女である私、西園寺愛良なのだ。
愛良の家柄も財閥の娘で、攻略対象程の規模では無いがとても由緒正しいお嬢様だ。
だが、悪役令嬢に相応しくすんごく性格がお悪い。
プライドが高くて婚約者に近付くヒロインを、
自分の手を汚さずに、人を使って嫌がらせをする。
だが、婚約者がその悪行を見抜き、
恒例のダンスパーティの場で公開処刑ならぬ、
公開断罪を行う。
愛良は婚約破棄後、学園を退園処分となり、西園寺家からも勘当されて、何処かの街へ放り出される。
そして、今まで蝶よ花よと甘やかされて育った為に環境に適応出来ずに病気になって、誰にも看取られる事なく孤独に死ぬ。
因果応報の一言。
幾ら婚約者にヒロインが近づいて来たからといって、極寒の体育館倉庫に閉じ込めるとか、
一歩間違えたら殺人だ。
恐ろしい。
私にはとてもじゃないが、そんな事出来ない。
で、何故そんな悪役令嬢に私がなりたかったのかというと・・・・。
コンコンコン。
控えめ目なノックの音。
「愛良お嬢様、起きていらっしゃいますか?」
声変わり手前のメゾソプラノボイス。
これは、まさか。
ガチャリ。
扉の開く音。
ウッ!!!!眩しい!!!!!!
思わず目を瞑る。
入って来たのは、癖毛の黒髪の少年。
目はクリクリと大きく、小ぶりの鼻に愛良よりぷりぷりの唇。
将来は確実にイケメンなるであろう容姿に私は思わず合掌した。
目の保養、目の保養。
この少年は何を隠そう隠し攻略対象者、私付きの執事、片岡玲だ。
その玲が固まったまま動かない。
ん?どうしたんだろう。
これか、合掌とかしたから動いては駄目だと思ったのか。
うーん、流石執事、仕事に徹底しているな。
私は合掌を止めて、
「玲?どうしたの?」
と首を傾げる。
すると、一仕事を終えたであろう玲が何故か大きく目を見開いて呟く。
「ま、まさか愛良お嬢様が起きているなんて、思わなかったもので・・・。」
いけない。会社員の頃の癖で朝早く起きるのが普通になっていた。
「何だか目が覚めてしまって、驚かせてしまってごめんなさい。」
玲は更に目を大きく開く。
「愛良お嬢様が、謝罪の言葉を口にするなんて・・・・・・。
どうされましたか?熱でも出ているのですか!?」
私の額に手を当て熱を測り出す。
天使の様な少年に触れられるとか、前世では無い経験。
ありがたや、ありがたや。
「熱は・・・無いようですが・・・。」
「大丈夫!この通り元気よ!」
その場でスクワットをして見せる。
「愛良お嬢様!?」
あ・・・。
お嬢様らしからぬ行為な事は明白だ・・・。
何事も無かったかのように居住いを正し、コホンと咳払いをする。
「つまり、体調は良好という事よ。」
「・・・・・・・・。」
疑いの眼差し。
うう・・・。視線が怖い。
まともに目線を合わせず、遠くを見つめる。
諦めたのか、玲はふうと息を吐く。
「まぁ、良いでしょう。
今日は愛良お嬢様の御誕生日ですので、気持ちが高ぶっているという事にしておきます。」
私、今日誕生日なの!?
何歳?何歳なの!?
「ね、ねえ!玲!」
「何でしょう?」
「私、今日で何歳になったの?」
玲がはぁ?という顔をする。
そういう顔になるのも分かる。
だって自分の年齢を忘れるとか、結構ヤバいと思う。
「愛良お嬢様は今日で10歳になられました。」
玲は直ぐに顔を無に戻し、答えてくれた。
ありがとう、素晴らしい執事だ。
「10歳ね・・・、よしっ、まだイケるわ。」
「お嬢様?」
私の呟きを怪訝な目で見る玲。
私はそして、宣言する。
「玲!私は10歳になった今日から、良い子になる事を誓うわ!!」
「・・・・はい?」
玲は可愛らしい天使の様な顔を歪めた。
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