念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

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応接室で鼻を冷やしていたら、扉が開いた。

ん?誰だろうと思って、目だけを扉に向けると、

「愛良、お嬢様?どう、されたのですか?」

紫苑が呆然とした顔で立っていた。
思わず起立して姿勢を正す。

「し、紫苑!!あ、えっと、これはその、あの・・・。」

何故、此処に紫苑が?
混乱している私に構わず、紫苑は私に近づく。

「このお怪我は?一体どうされたのですか?」

「えひゃっ!!し、紫苑、なななな!」

私の鼻にそっと触れる。
おおおおおおおおお!!
紫苑が私の鼻に!!

あ、あかん。
あかんて。

鼻血出る。
違う意味で鼻血出る。

「ああ、可哀想に。お労しい。」

「だ、大丈夫れしゅ。少しぶつかってこけただけなにょ。」

噛んだ。壮絶に噛んだ。
羞恥で顔が朱に染まる。

「ああ、痛かったでしょうに。」

悲し気に眉を顰めて紫苑は私を気遣う。
ひいいい。
好みの顔の悲愴感漂うお顔。
素敵!!

「本当に大丈夫よ。今冷やしているから、明日になれば腫れは引くわ。」

「愛良お嬢様はお強いですね。」

美しい瞳を細めて私を見つめる。
ああああ、強くないです。
貴方に見られたら色々揺らぐものがあるんです。

「そ、そんな事・・・、「随分と嬉しそうな顔をしているね?」

そ、その声は・・・・。
私はまた扉の方へ目線を向ける。
予想通り、黒い微笑みを浮かべた蘇芳が腕を組みながら立っていた。

怖いけど、誤魔化す。

「蘇芳、石化は解けたの?」

「石化?何を言っているのか分からないけど。」

「さっき何の反応もしなかったから。」

「あ、あれは・・・・・!!」


蘇芳の顔が真っ赤なトマトの様に赤く染まる。
どうしたのかな?



「・・・・愛良があんな・・・を・・るから。」


ん、何て言ったの?

ぼそぼそと蘇芳が呟く。
全然聞こえない。

「蘇芳、もう一度お願いします。」

「!!も、もういいだろう!愛良のドレス、持ってきたのを早く見てよ!」

「わ、分かった。」

蘇芳の勢いに押されて私は玲が持つ箱を受け取って、蓋を開けた。


「うわぁ・・・。」

中のドレスは私でも分かるくらい高そうなドレスだった。
こんな肌触りの良いシルクの生地。
学園のオリエンテーションで着ていくドレスじゃないよね?

「どう?気に入ってくれたかな?」

得意満面の笑顔を見せる蘇芳。
気に入るも何も。

「蘇芳、これ学生が着て良いドレスでは無いような気がするけど。」

「気に、入らなかった?」

悲し気な顔で私を見る。

「い、いえ!凄く素敵なドレス!もう可愛い!
蘇芳のセンスは素晴らしいわ。」

嬉しそうな顔になる蘇芳。

「で、でも、私みたいな小娘がこんな上等なドレス、何だか勿体ない気がして。」

「何言ってるの?愛良に絶対に似合うドレスを作ったんだよ。
愛良に着て貰えないなら、それこそ無駄になるから勿体無い事になるよ?」

「そ、そう、なの?」

「そうだよ!!」

良いのかな、貰って。
何か高いドレスを強請った我儘な婚約者とかになってないかな?

「本当に貰ってもいいの?」

「勿論だよ。愛良の為のドレスだよ。貰ってくれないと困る。」

「う、うん。じゃあ、有難く貰うね。
蘇芳、本当にありがとう。」

私がお礼を言うと幸せそうな笑顔を見せる。

「愛良、明日は僕が迎えに行くから、家で待っていてね。」

「うん。」







少しだけ談笑して蘇芳は帰って行った。




自分の部屋で貰ったドレスを掛ける。
明日、このドレスを着てダンスパーティーに行く。

ゲームにもあったイベントだ。


愛良のエスコートを嫌々ながら務める蘇芳。
式を行った講堂でパーティーが行われる。
講堂に着くと直ぐに蘇芳は愛良から離れる。

ファーストダンスを行う事無く。
愛良は屈辱感を感じて、周囲に当たり散らす。

明日、どうなるんだろう。
蘇芳はエスコートだけで、どこかに行ってしまうのだろうか。


まぁ、でも放っておかれても当たり散らす事はない。
確か、ゲームの映像に食事も用意されていた。

きっと良い所の学園だから美味しい筈。


美味しいご飯に舌鼓を打って時間を過ごそう。



私は呑気に考えて、就寝した。

明日になったら考えよう。そうしよう。



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