念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

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だんすぱぁてぃ

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ゲームでのダンスパーティーは私は一人ぼっち。
婚約者の蘇芳は、直ぐに離れて行き、
周りからも誰も声を掛けて来ない。


プライドが邪魔をして、泣きそうになっているのを、
歯を食いしばって堪えている画像が一瞬だけ映る。
その時の愛良の顔は本当に辛そうだった。
少しだけ同情したのを覚えている。

楽しい筈のダンスパーティーに一人って、そりゃあ、辛いだろう。
しかも婚約者が知らない女の子と仲良さげに話していたら、
嫉妬大爆発するわな。
まぁ、それで虐めて良いなんて事はないけど。

私はゲームの愛良ではない。
ぼっちにされても、美味しいご飯が食べれるのなら、放っておいてくれても構わない。



そんな心積もりで赴いたダンスパーティーだけど。





現在、私のお腹は大変空いている。
何ならぐーぐー腹の虫も鳴っている。
なのに、食事にありつく事が出来ない。



何故か、それは・・・・・





「愛良、また考え事してるの?
ボーっとしているけど、何か心配事?」

「愛良ちゃん、蘇芳のダンスが終わったら、次は俺と踊ってくれない?」

「は?何言ってるの?駄目に決まってるだろ。
愛良は僕としか踊らないよ?」

「それは蘇芳が決める事じゃないじゃん。
ね~?愛良ちゃん、踊るよね?ね?」



ぼっち?
いいや、違う。

両脇にイケメン二人。
私とダンスを踊る、踊らないで揉めている。
蘇芳と冷泉が私の両脇に居るもんだから、
ちょっと食事をと、抜ける雰囲気ではない。

困ったな、本当に困った。

脳に糖分が行ってないから、ボーッとする。

「西園寺。」

前から鷺宮が歩いてきた。
やべ!
前も封じ込められた。

これはいよいよ、逃げれないパターン。

「良かったら、後で一曲踊って貰えないか?」

鷺宮まで!なんで!?

「宗近!俺が先に申し込んでるんだから、割り込みはやめてよ!!」

割り込みて。

「・・・東矢は踊る相手が他に居るだろう。
俺は親しい女生徒が西園寺しか居ないんだ。」

さ、さぎみやあああああ!何て悲しい事を言うんだ。
このセリフには流石の蘇芳も、強く言えないみたいで。

「・・このダンスパーティー、一応一回はダンスを踊らないと内申に響くからね・・・。
宗近は構わないよ、東矢と違って不埒な事を考えていないだろうから。」

「俺と違ってって、どういう意味だよ!」

「言った通りの意味だよ?」

「愛良ちゃ~ん、蘇芳ったら、酷いよね?
愛良ちゃんはどうなの?踊ってくれる?ね?ね?」

上目遣いやめれ!イケメンのそれは破壊力あるんだから。

「愛良、踊らなくていいから。僕と宗近だけでいいからね?」

蘇芳が恐ろしく冷たい笑顔で言い放つ。

「西園寺、済まないな。俺が親しい女生徒が居ないばかりに。」

だから、悲しくなるから!

三人が私の返答を待つ。
私は、

「お・・・。」

「「「お?」」」

三人が私の言葉を返す。







「お腹空いたあ・・・。」


「「「・・・・・・・・・。」」」

踊るより何より、お腹空いたんだよ!
ご飯食べたい!
何か食べさせてくれ。
切実な願いを口にして、気付く。

三人が無言な事に。

ああ、しまった。
やらかした。
あまりにお腹が空き過ぎて、
愛良が口にしないであろう台詞を言ってしまった。

ダラダラと冷や汗が流れる。

「ふっ・・・。くくっ。」

んあ?
蘇芳が口元を押さえて、肩を震わせてる。

「ぷっ、あははははは!!
何それ!?お腹空いたってどういう事!?
愛良ちゃん、面白すぎ!
はははは!!」

冷泉が腹を抱えて爆笑する。

「ふっ。・・・さ、西園寺、済まない。」

いつもクールな鷺宮も顔を横に反らして笑いを堪えている。

周りを見渡したら、今までの騒ぎに皆が聞き耳を立てていたらしく、
皆もニヤニヤしていた。


終わった・・・。

私の高校生活が始まって間もない内に終わった。

変な奴だという認識で確定しただろう。

クスクス嗤われている状況に、
恥ずかしいやら、いたたまれないやらで、
自分の目に涙が溜まっているのが分かった。


「帰っていいですか・・・。」

もう、家で不貞寝しよう。
そう思って、扉に向かおうとする。

「ちょ、ちょっと、愛良!
どうしたの!?いきなり帰るだなんて!」

焦り気味の蘇芳が私の前に立ちはだかる。

「!!!」

私の顔を見るや、蘇芳の顔がボッと赤くなる。
顔を赤くしたいのはこっちの方だぃ!

「愛良ちゃん?いきなり帰るって、どうしたの?」

「西園寺、気分でも悪くなったのか?」

冷泉と鷺宮も私に近寄る。


私の腕を掴む手。
蘇芳だ。

「愛良、一旦外に出よう。」

私の腕を優しく引いて外へ連れだした蘇芳。
ああ、ご飯食べたかったなぁ。

タッパーとか持ってくれば良かったと、
後ろ髪を引かれる思いもあったが、
あの雰囲気ではさすがにそんな事も出来ないだろう。

家に帰ったら、家の料理人の人にお願いしてご飯を作ってもらおう。

講堂の外へ出て、少し歩き校舎の中へ入る私達。


あれ?家に帰してくれるんじゃないの?
不思議に思っていると、
蘇芳がこちらに振り返る。

私の腕を離し、ハンカチを取り出す。

そのハンカチを私の目元に当てる。


「蘇芳?」

「涙が愛良の瞳から零れそうだったから。」

ああ、そう言えば涙が溜まっていた様な気がする。

「ありがとう。」

「皆に愛良の泣き顔なんて見せたくなかったから、連れ出しちゃった。」

そう言って蘇芳はお道化てみせた。

ボボボボッ。
私の顔は一気に茹で上がった。

「どうしたの、愛良?」

「・・・私、変な事を言って、皆に笑われてしまって・・・。恥ずかしくて・・・、
皆、私の事変な女だと思ってる様な気がして、あの場に居るのが怖くなったの。」

「そんな事無いよ。皆、愛良を馬鹿にして笑ったんじゃないよ。
寧ろ逆だよ。愛良の事・・・・・・。」

蘇芳が俯いてしまった。
どうしたのかな。
首を傾げていると、蘇芳も顔が赤くなっていた。

「愛良の事、皆は好きなんだよ。
可愛いって思っているから、笑ってたんだよ。」

「可愛い?私が?」

「そうだよ。東矢だって、宗近だって、周りの皆も。
愛良の事そう、思っているんだよ。」

ええ・・・?
それは無いだろう。
だって、そう思っているなら、何故私に友達が居なかったのか。

中等部の時は誰も私に声を掛けてくれなかった。

蘇芳や冷泉、鷺宮の様な攻略対象は別として。
他の男子は兎も角、女子も全然。

悪役令嬢だから、やっぱり嫌われているのかと思った。

「蘇芳、慰めてくれるのはありがたいけど、皆はそう思っていないと思うな・・・。」

蘇芳は優しいから、私の為に言ってくれているのだろう。
俄かに信じがたい話だもの。

でも蘇芳は首を横に振る。

「慰めじゃなくて、本当の事だよ。
愛良と皆、仲良くしたいって思っているんだよ?」

「でもそんな事誰にも言われた事が無いのに。」

「愛良、周りから何て呼ばれてるか知ってる?」

え?
どういう事?
私なんかあだ名付けられてるの?

「・・・・・・悪役、令嬢・・・?」

蘇芳がキョトンとした顔になる。

「悪役・・・?何で、愛良が悪役になるの?
違うよ。姫だよ。」

「姫?」

「皆、『姫』とか『愛良姫』とか色々だけど、
お姫様の様に可愛いって、凄く人気あるんだよ、愛良は。」

「え、ええええ!?そんな話知らないよ!
姫とか呼ばれた事も無いよ!!」

初耳もいい所だ。
私の慌て様に蘇芳がクスクス笑い出す。

「ふふふ。そんなの本人の前で言う訳ないじゃないか。」

それもそうだけど・・・。
ゲームと全然違う。

「一度、皆に話しかけて御覧よ。
皆、絶対喜ぶから。」

「そ、そうなんだ。じゃあ、話しかけてみようかな?」

嫌われていなかったんだ!
皆と仲良くなれたら、学園生活が凄く楽しくなる。



「・・・本当は、仲良くなって欲しくないけどね・・・。」


嬉しい事実にウキウキしていた私には、
蘇芳の漏らした独り言が耳に入っていなかった。















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