念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

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デザートタイム

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気まずいままお弁当を食べ終わる。
3人で丁度良かったみたい。

私はいそいそともう一つの包みを開ける。

萌香はワクワク顔で待っている。
そんなに期待をされたら、いざ食べた後の落差が酷いから、ほどほどにして貰いたい。

「え、と。マドレーヌなんだけど。プレーンとアーモンドとチョコチップの三種類。」

「わあああ!!凄く良い匂い!!美味しそう!!ね!食べて良い?食べて良い?」

待ちきれない様に萌香は急く。
私はどうぞと手を指し示す。
萌香はアーモンドに手を伸ばす。
それより早く蘇芳はプレーンを手に取ってたけどね。

二人がほぼ同時にマドレーヌを食べる。
それを見た後、私もチョコチップを取り、口に運んだ。
お、成功。
甘さ控えめにして良かったかも。
お昼ご飯の後に甘すぎるのは駄目かなと、砂糖の量を減らして正解だったな。

「愛良!これ凄く美味しい!!!今まで食べたマドレーヌで一番好き!」

「うん。甘さも丁度良いよ。表面はカリッとしてるのに中はしっとりしててとても美味しい。」

うわあ。
べた褒めだ。
ちょっと二人共言い過ぎ感あるけど、素直に嬉しい。

「えへ。ありがとう。」

「「・・・・・・・!!!」」

あれ、また二人共、胸を押さえて蹲ってる。
マドレーヌが気管に詰まったのかな?

水筒にお茶を入れて、二人の前に置く。

「二人共大丈夫?」

萌香は息が荒い。
蘇芳も心なしか顔が赤い。

「だ、大丈夫。(美少女のはにかみの破壊力!!)」

「僕も大丈夫。(なんて、無防備に笑うんだよ!)」

大丈夫なら問題無いか。
私は残りのマドレーヌに齧り付き、桜を見上げる。
綺麗だなぁ。


「あの、皇君。」

「何?」

「私、皇君の苦労ちょっと分かったかも。」

「・・・・・・。」

「こんなに可愛くて無防備な子、直ぐ誰かに取られちゃうわね。
私も友達として、他の子に負けない様にしなくちゃ。」

「僕としては、君も近づいて欲しくないんだけどね。」

「あら、そんな事したら、愛良が悲しむけど、良いの?」

「・・・・君、良い性格してるよ、本当に。」



私の後ろで話し合う二人。
うん、うん。
何だかんだで仲良くなってる。
良かった。

良かった?
良かったのか?

あれ?
私、身の破滅?
いやいや!萌香と友達だから、ゲーム通りにはならない筈。
筈・・・・よね?

ちょっと不安になったけど、萌香に危害を加えなければ大丈夫。
ひらひら舞う桜の花びらを眺めながら、これから起こる様々な事件にこの時の私は気付きもしなかった。
ただ呑気にマドレーヌを食べていた。





教室に戻る途中、鷺宮と出くわした。
少し汗を掻いて、シャツのボタン一つを外していた。
硬派なイメージなのに、何故そんなに色気があるのか。
冷泉の役割じゃないの?

「どうしたの?」

目のやり場に困りながら尋ねる。
タオルで顔を拭いながら鷺宮は淡々と答える。

「軽く走っていた。少し体が鈍っていたからな。」

そんな事無いような気がするけど・・・。
鷺宮は鼻をスンと嗅いで私を見る。

「西園寺から良い匂いがする。」

「え?」

少し顔をこちらに寄せる鷺宮にドキリと心臓が跳ね上がる。
そんな色気のある状態で近づかないでえええ!

私は慌てて、包みからマドレーヌを取り出す。

「こ、これじゃないかな!?お昼にと思って作って来たから。」

マドレーヌをジッと見つめる鷺宮。
物欲しそうな目でマドレーヌを見つめている。

「た、食べる?」

「・・・いいのか?」

鷺宮は私ではなく、何故か蘇芳に確認する。
蘇芳は肩を竦めて肯定する。

「ありがとう。」

少し顔が緩んだ鷺宮。
そんなにマドレーヌが好きなのか。
レアな鷺宮の笑顔を見て、私は何個かを見繕って鷺宮に手渡す。

「萌香と蘇芳も食べたから、味に間違いは無いと思うけど。」

渡されたマドレーヌを持ち、またクスリと鷺宮は笑う。

「西園寺が作る物が美味しいのは、前のクッキーで経験済みだ。
何よりこんなに良い匂いをしている。美味しくない筈が無いだろう。」

びゃあああ!!
何この褒め言葉!?
鷺宮ってこんなキャラクターだっけ?
私(西園寺愛良)に対して、こんな甘い笑顔向けてくれるなんて。
何だかもう、どうしようもなくなって、マドレーヌを持つ手がもじもじしちゃう。

「う、あの、そう言ってくれるのは嬉しいですが・・・、これから作るお菓子が失敗出来なくなるので、プレッシャーです。」

「何、何?愛良ちゃん、何か作って来たの?ああ~!宗近貰ってるじゃん!ズルい、ズルい!
愛良ちゃん、俺も頂戴?ね?」

真のお色気キャラクターが来た。
鷺宮の手元のマドレーヌを目ざとく見つけ、私が作ったと言っていないのに、私作だと断定して小首を傾げて私にお願いしてくるあざとさ。

「・・・どうぞ。」

元からあげない選択肢は無かったので、その無駄にお色気を私に放つのは止めて欲しい。
鷺宮と同じ様に冷泉にも手渡す。

「ありがとう!!嬉しい~!」

ふにゃりと柔らかい笑顔で私の頭を撫でる。
これがチャラ男の手腕なのか。
こんな事をしたら、誰だってときめいちゃうよね?
断じて私がチョロい訳では無いよね?

「何勝手に愛良に触ってるの?」

私の頭を撫でていた冷泉の手を蘇芳が抓る。
その抓り具合ときたら、皮膚が千切れるんじゃないかと思う位。
内心、ひいいいと背筋が凍ってしまった。

「いたたたた!!蘇芳!マジで痛いって!!」

涙目で身を捩り、大声の冷泉を助ける人は居なかった。
何故か鷺宮と萌香は冷めた目で冷泉を見ているだけだった。
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