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彼女は不思議な人
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何故、コーデリア様が笑い出したのか分からず、腰を上げたまま、やり場のない手をどうすれば良いのか考えあぐねていると、ふいに私の腰を引かれ、殿下の傍へ腰を下ろす形になりました。
殿下を覗き見ると、とても苦々しい表情をなさっています。
視線の先はコーデリア様で今も笑っている彼女にお怒りになっているのか、また緊迫した雰囲気に戻ってしまったと肩を落としてしまいました。
一頻り笑った後、滲み出た涙を指で拭いになったコーデリア様は表情を一変、鋭い瞳で殿下を睨み付けます。
「ユーク、貴方リアを責めている場合じゃなくてよ?
ちゃんとアイリ様に全て話しなさいな。」
そう仰ったコーデリア様に言葉を詰まらせる殿下。
俯き、拳を握りしている様子がお辛そうで、私は殿下の手に触れます。
少しだけ肩を震わせた殿下は依然黙り込んだまま。
向かいから、息ぴったりに大きく息を吐いたお二人。
「往生際の悪い事。」
コーデリア様の辛辣な言葉にも反応せず、やがて仕方ないというご様子でリアン様が口を開きました。
「アイリ様、昨日僕が言った事、覚えていらっしゃいますか?」
私は昨日の事を思い返しました。
昨日は混乱を極めていたので、朧気でした。
私は正直に伝えます。
「リア様、ごめんなさい。昨日は気が動転していて・・・。」
「まぁ、仕方ないですね。今までまともに接していなかった婚約者が迫ってきた訳ですから。」
私を責めるではなく、リアン様は優しく続けます。
「始まりはユークが貴女に一目惚れをした事からですね。
本当は王太子殿下と婚約する筈だった貴女を、ユークがどうしてもと駄々をこねて自分と婚約を結んだ。」
駄々というのに少し語弊があるのではと思いましたが、話の腰を折ってはいけないと私は頷きます。
「で、いざ婚約したは良いが、緊張でアプローチすらまともに出来ずに、貴女の前では終始無言。
そうでしたよね?」
リアン様は殿下に問い掛けるも、押し黙ったまま、只頭を小さく縦に振ったのは肯定という事でしょう。
またはぁ、と息を吐いたリアン様はお話を続けます。
「茶会も夜会も、貴女を他の子息に見せたくないから招く事もしなかった。
貴族同士の繋がりを持つ為の社交場にも拘らず、ね。
アイリ様も不安だった筈です。婚約者なのに自分を誘いもしない婚約者に。」
確かに不安を感じていました。
殿下と夜会に出たのは数回でした。
それも殿下とのダンスが終わると、早々に失礼した記憶が蘇りました。
殿下は私が婚約者である事を知られたくないのかと悩んだ事も少なくありませんでした。
「学園に通い始めた時も、アイリ様に男が近づかない様に自分の権力を乱用して監視するわ、牽制するわ、無茶苦茶でしたよ。
ご令嬢でさえも払っていた時は正気を疑いましたけどね。
まぁ、悪意を持ったご令嬢もいらっしゃったから、その点は良いとして。
普通に友好的な方々まで遠ざけていましたから、どれだけ狭量なのかと。」
「アイリ様の目が例え女性であっても向くのが許せないって、独占欲にも程があるわよね?
そんな事をしたら、将来アイリ様がお困りになるのは目に見えているのに、自分の事ばかりでホント、どうしようもないわ。」
リアン様に同調するかの様に、コーデリア様はお話になります。
そしてリアン様は頷き、お話を更に続けます。
「僕とコーディは、何馬鹿な事をしているんだって諌めたんだけど、拗れたユークは言うに事欠いて、『それならお前達がアイリーンの傍に居ればいいだろう?』って言う始末。
コーディはちょっと家の事情で直ぐに学園に通えないから、僕だけ先に学園に通う手続きをしようとしたら、今度は『お前だけだとアイリーンにあらぬ噂が立ちかねないから、コーデリアの振りをしろ。』だって。
もうこれには呆れたよ。気にする所間違ってるよね?
更には僕にアイリ様の事を聞き出して教えろって言ってきて、それを言えば言えばでお前ばっかりアイリーンと仲良くなってずるいと、八つ当たりの嫉妬を向けてくるし、もう本当にどうしようもないんだよ。」
私は、何と言えば良いか、まさか殿下がその様な事をなさるなんて信じられませんが、殿下を窺うと殿下のお顔は林檎の様に真っ赤で、全て本当の事だったのかと驚いてしまいました。
「情けない男よ、ユークは。今も自分の事を自ら言うでもなく、結局リアに言わせているし。
昔から女々しいのよね。」
そう仰るコーデリア様を見ます。
コーデリア様は殿下を見る鋭い瞳から、転じて穏やかな瞳で私をご覧になります。
「ああ、私達は子供の頃からの付き合いなの。幼馴染というやつね。
ユークが貴女を婚約者にしたって自慢するから、どんな子なんだろうって公爵家を覗きに行った事もあるのよ?
だから、貴女の事も知っていたの。」
「そ、そうだったのですね。」
またも驚きを隠せません。
「貴女を見て、私も一瞬で好きになったわ。だからその時はユークと貴女が婚約者になった事を心から喜んだの。
本当よ、だって貴女がユークと結婚したら、必然的に私とも縁を結ぶ事になるのだから。」
それは、どういう・・・・?
コーデリア様は満面の笑みを浮かべました。
「私はステラの婚約者だから。」
殿下を覗き見ると、とても苦々しい表情をなさっています。
視線の先はコーデリア様で今も笑っている彼女にお怒りになっているのか、また緊迫した雰囲気に戻ってしまったと肩を落としてしまいました。
一頻り笑った後、滲み出た涙を指で拭いになったコーデリア様は表情を一変、鋭い瞳で殿下を睨み付けます。
「ユーク、貴方リアを責めている場合じゃなくてよ?
ちゃんとアイリ様に全て話しなさいな。」
そう仰ったコーデリア様に言葉を詰まらせる殿下。
俯き、拳を握りしている様子がお辛そうで、私は殿下の手に触れます。
少しだけ肩を震わせた殿下は依然黙り込んだまま。
向かいから、息ぴったりに大きく息を吐いたお二人。
「往生際の悪い事。」
コーデリア様の辛辣な言葉にも反応せず、やがて仕方ないというご様子でリアン様が口を開きました。
「アイリ様、昨日僕が言った事、覚えていらっしゃいますか?」
私は昨日の事を思い返しました。
昨日は混乱を極めていたので、朧気でした。
私は正直に伝えます。
「リア様、ごめんなさい。昨日は気が動転していて・・・。」
「まぁ、仕方ないですね。今までまともに接していなかった婚約者が迫ってきた訳ですから。」
私を責めるではなく、リアン様は優しく続けます。
「始まりはユークが貴女に一目惚れをした事からですね。
本当は王太子殿下と婚約する筈だった貴女を、ユークがどうしてもと駄々をこねて自分と婚約を結んだ。」
駄々というのに少し語弊があるのではと思いましたが、話の腰を折ってはいけないと私は頷きます。
「で、いざ婚約したは良いが、緊張でアプローチすらまともに出来ずに、貴女の前では終始無言。
そうでしたよね?」
リアン様は殿下に問い掛けるも、押し黙ったまま、只頭を小さく縦に振ったのは肯定という事でしょう。
またはぁ、と息を吐いたリアン様はお話を続けます。
「茶会も夜会も、貴女を他の子息に見せたくないから招く事もしなかった。
貴族同士の繋がりを持つ為の社交場にも拘らず、ね。
アイリ様も不安だった筈です。婚約者なのに自分を誘いもしない婚約者に。」
確かに不安を感じていました。
殿下と夜会に出たのは数回でした。
それも殿下とのダンスが終わると、早々に失礼した記憶が蘇りました。
殿下は私が婚約者である事を知られたくないのかと悩んだ事も少なくありませんでした。
「学園に通い始めた時も、アイリ様に男が近づかない様に自分の権力を乱用して監視するわ、牽制するわ、無茶苦茶でしたよ。
ご令嬢でさえも払っていた時は正気を疑いましたけどね。
まぁ、悪意を持ったご令嬢もいらっしゃったから、その点は良いとして。
普通に友好的な方々まで遠ざけていましたから、どれだけ狭量なのかと。」
「アイリ様の目が例え女性であっても向くのが許せないって、独占欲にも程があるわよね?
そんな事をしたら、将来アイリ様がお困りになるのは目に見えているのに、自分の事ばかりでホント、どうしようもないわ。」
リアン様に同調するかの様に、コーデリア様はお話になります。
そしてリアン様は頷き、お話を更に続けます。
「僕とコーディは、何馬鹿な事をしているんだって諌めたんだけど、拗れたユークは言うに事欠いて、『それならお前達がアイリーンの傍に居ればいいだろう?』って言う始末。
コーディはちょっと家の事情で直ぐに学園に通えないから、僕だけ先に学園に通う手続きをしようとしたら、今度は『お前だけだとアイリーンにあらぬ噂が立ちかねないから、コーデリアの振りをしろ。』だって。
もうこれには呆れたよ。気にする所間違ってるよね?
更には僕にアイリ様の事を聞き出して教えろって言ってきて、それを言えば言えばでお前ばっかりアイリーンと仲良くなってずるいと、八つ当たりの嫉妬を向けてくるし、もう本当にどうしようもないんだよ。」
私は、何と言えば良いか、まさか殿下がその様な事をなさるなんて信じられませんが、殿下を窺うと殿下のお顔は林檎の様に真っ赤で、全て本当の事だったのかと驚いてしまいました。
「情けない男よ、ユークは。今も自分の事を自ら言うでもなく、結局リアに言わせているし。
昔から女々しいのよね。」
そう仰るコーデリア様を見ます。
コーデリア様は殿下を見る鋭い瞳から、転じて穏やかな瞳で私をご覧になります。
「ああ、私達は子供の頃からの付き合いなの。幼馴染というやつね。
ユークが貴女を婚約者にしたって自慢するから、どんな子なんだろうって公爵家を覗きに行った事もあるのよ?
だから、貴女の事も知っていたの。」
「そ、そうだったのですね。」
またも驚きを隠せません。
「貴女を見て、私も一瞬で好きになったわ。だからその時はユークと貴女が婚約者になった事を心から喜んだの。
本当よ、だって貴女がユークと結婚したら、必然的に私とも縁を結ぶ事になるのだから。」
それは、どういう・・・・?
コーデリア様は満面の笑みを浮かべました。
「私はステラの婚約者だから。」
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