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結婚してしばらく経ったがまだ離縁の雰囲気はなく、仕事も結婚したからと何が変わることもなく、それなりに変化のあった生活の方も住む家が変わり身の回りの事をしてくれる人がいてくれるから、たまの茶会なんか余裕なくらいに時間ができた。
夜の営みという習慣も適度な……時々過度な運動だけど、人間の三大欲求と言うくらいだから、それを解消するということは健康的な生活だと言えるだろう。
まあ要するに、平和。
リセット旅に出る日は今のところ遠そうだ。
すっかりそんな生活サイクルも当たり前になっているから、ふと思いついた。
ある休日前夜。
雰囲気も何もなく、アズル様に聞いてみた。
「僕が上になってみてもいいですか?」
「別にいいが、どうした?」
「試しにやってみたいだけですが、いろいろ聞くんですがどんなものかと」
アズル様の眉間にシワが寄る。
「誰に聞くんだ」
やや低くなった声は二人きりでは割と聞くから、なんてこともない。
「機嫌が悪くなりました?」
「お前にそんな事を吹き込むのは誰だ」
僕が淡白なせいか、純真無垢だとでも思っているのだろうか。ただ実体験がないだけだ。
見聞きしたことだけなら、豊富な方だろう。
「仕事のうちですよ、取り調べに立ち会うこともありますし、様々な書類にも目を通しますから、そこに閨のことがあるのは珍しくありません」
宰相様の仕事って政治に関することがもちろんだけど、不正だの王室の管理だの街の治安だの、なんやかんや気を配ることが多いから、そこに色恋が関わってくるのは意外と多い。
「そうか、そうだった。花街での不正の摘発はお疲れだったな」
それは簡単に言えば、とある貴族がそのあたりで裏金作りをしていたのを取り締まったというだけの話だ。
もっと上手くやってくれたなら泳がせていれたものを、欲をかきすぎるから処罰されることになってしまう典型だ。
「一番最近ではそれもありましたが、お世継ぎや妃様たちへの気遣いなどいろいろありますから、あとはいろいろな薬物についてだったり、病気についての知識も身につけてますから、症状や副作用、摂取方法、感染経路、自ずと性的な知識は必要になります」
「なるほどな」
実は他にも貴族の奥様方が時に赤裸々であり、話題に登るのだということは伏せておいた。
そして人によっては夜の生活に深刻な悩みを抱えていることも。
どこをどう信頼されて、そしてそいうことにアドバイスをしているとされているのか、僕が相談をされることがある事ももちろん言わない。
アズル様とのことを言いふらしているわけではなく、書籍で知った知識や花街のお歴々に聞いた話や、不正現場を取り押さえた時に見たり実況見分で再現されたあれこれをもとに、ほんの少し話を聞くだけ。
実体験のないアドバイスなど参考にしないほうがいいから、僕からは求められた事柄をそれもまた少し提案するだけだ。
別に実体験が乏しいから今夜のことを思い立ったわけではない。
これはただの好奇心。
押し倒すには体格が違いすぎるから、ベッドに横になってもらう。
服も手際よく脱がせる方法もさっぱり分からないから、全部脱いでもらって、自分も脱いだ。
寝転がるアズル様の上に跨り、立たせなきゃ入らないよなと、まだ細やかな反応示していないそこに膝立ちのまま手を伸ばす。
「ちょっと待った」
「はい」
手を止め、膝立ちのままなのでアズル様を見下ろした。
「お前自分はどうするつもりだ?」
「多少自分でしてきましたよ」
普段も急な時以外は自分で最低限のこと自分でしているけど、今日はそれよりもやっておいた。
「つまりそのまま入れるつもりってことだな」
「ダメですか?」
「ダメというか、辛いだろ。たぶん入れられない」
「じゃあ、そこもしましょう」
アズル様はいつも至極丁寧に抱いてくれるので、同じ程するのは難しいが気になるなら今からすればいいだけだ。
だから、自分の後ろに手を伸ばすべく振り向こうとするとアズル様が起き上がり肩を手を置かれた。
「ちょっと待った」
そんなに不安がられるものだろうか。
喜ぶとは思っていなかったが、下手なりに試行錯誤する様を見守るくらいの余裕は有りそうなのに。
「……なんですか」
「別に俺が何もしちゃいけないってことじゃないよな?」
「ないですけど、あまり歓迎はしませんね」
「何故だ」
「アズル様は手加減を知らないので、結局いつもみたいになるのが目に見えるからです」
「お前、俺が日頃手加減してないと思ってるのか?」
「いいえ」
「ん? 手加減してるのを理解してるのか?」
「してますよ、なので始めてもいいですが?」
アズル様はなかなか頷かない。
手加減されていることは分かっているが、僕の方が全然慣れないから感じるばかりで流されてしまう。
そうなると自分で動くのなんか面倒くさくなりそうじゃないか。
アズル様は甘やかしいだから、僕がそうなったら結局何でもやってしまいそうだ。
だからできるだけ正常な状態でことを進めたい。
なにの手を伸ばそうとするとまた止められる。
「ちょっと待て」
「この状況であまり会話するものでもないと思うんですが」
「……まあ、そうか」
肩から手が退いた。
もうさっさとやってしまおう。
改めて下を向いてアズル様のまだまだ元気がないそこに、手っ取り早く反応してもらおうと顔を近づける。
「ちょっと待て!」
「……はぁ」
今までしたことはないけど、手だけでやるよりは多少良くはなると思うんだけど。
「それはしなくていい」
「そんなに下手そうですか?」
「違う、でも今じゃない」
顔をあげさせられ、また膝立ちに戻る。
アズル様も起き上がっているままだけどほんの少しだけ見下ろせるその顔がやたら真面目に見つめてくる。
「お前がタメ口になったらしてもらう」
「話し方を変えろと」
「違う、そこまでお前が気を許してからでないとしてほしくない」
「どうしてですか?」
アズル様はサイドテーブルの瓶からいつもの香油を出して、僕の後ろの手を伸ばす。
「あッ! ん……」
どうやらさっきとは違って、ただ話をするだけではないようだ。
抵抗するのも違う気がするし、なんとか正常心を頑張ってみるしかない。
初めてから何もかも上手くいくわけはないのだから、今回はとりあえず自分から上で動くことを目標にしょう。
「俺の気分の問題だから、お前が何か気を使う必要はない」
「……ぁ、はぁ……気分、ですか?」
アズル様の肩に手を置いて膝立ちの姿勢を保つ。
表情を見ていたから、まだもたれ掛かりたくはない。
「俺は奉仕されたい訳じゃない、お前から義務感や業務感を感じたくない」
「なんと、っなくしか、わかりません」
どうしても呼吸が乱れる。
アズル様が言うようなつもりは全くないが、気にしていることなら尊重するしかない。
話し方を変えないのは、素で話すと粗暴でぶっきらぼうだから誤解を招きかねないし、この屋敷にはどうしたってそぐわない。
アズル様は困ったように微笑んでいる。
「俺達は夫婦になったんだ。これから先も長いんだから楽しみは取っておく」
「一生このままッ……かもしれません」
指が体内のある部分を掠めるとどうしても体が跳ねる。
アズル様の肩を掴む手もつい力が入ってしまうけど、どうやらそれも楽しいらしい。
ちらりと自分の肩を見たアズル様がニヤリと笑う。
「そうなったら俺の努力不足だな、そうならんように努めるさ」
急に楽しげになった顔はそのまま近づいてきた。
当たり前に唇が触れ、舌を深く絡め合う。
キスは少し上手くなってきているのではないだろうか。
レベルアップは確実にしてる気がして面白い。
今日のチャレンジも全然上手くはできていないが進歩への確実なステップになるはずだ。
キスをしながら、僕が跨る足の間でアズル様が自身を扱いているのを感じる。
体内に収められている指もそのまま動き続けているから、器用だなとどんどん鈍くなる思考の中で思う。
「もう、ぁん! ……入れても、いぃですか?」
ちょっともう姿勢を保っていられない。
今でこれから自分で動けるギリギリだから、聞いてみれば頷きが返ってきた。
やっと触ることを許されたアズル様の怒張は熱くてガチガチだった。
あまり触る機会もなかったから、こんなのかと謎の感慨深さを抱く。同時にこれを収めるのは困難が伴うかもしれないと予感する。
けれど躊躇っても仕方ないので、ゆっくりを腰を下ろしていく。
「ぅんん……はぁあ、あ……」
アズル様の表情を確認する余裕もなく、目を閉じて自分の体を制御するので精いっぱいだ。
きっとアズル様は辛そうにしてるか物足りなさそうにしてるとは予想できる。
こんなのろのろした動きでは生殺しも良いところだろう。
これを楽しめる奴がいるなんで、修練が素晴らしいと今度から称えてやろう。
「辛くないか?」
「……だいじょうぶ、ですし、アズルさま、こそ」
「俺は最高だ」
フォローなのか真実なのか全く分からないが、ちらっと顔を見れば、確かに眉間に皺は寄っているが口元は上がっていて目もいつもの甘さを持っていた。
口でするのは駄目でこれは良いというのは境界線が分からない。
僕の好奇心なら良いのだろうか。わからん。
そんな余計なことを考えたからか、いや、経験値のなさだとは重々承知している。
どうしても一定以上腰を下ろせなくなった。
いつも入れられているのだから入らないはずないのに、なぜだか体がすくんでしまう。
それに本能が勝手に自分で快感を追ってしまって、自分の良いところだけ擦るように動いてしまう。
「ッ、ぁ……うまくできなくて、ごめん……」
「そんな風に、そんな、顔で謝るな」
一体どんなだよ、と言う余裕はもうない。
下から突き上げる動きが始まってしまう。
「ん! ……あ、あっぁっ!」
「止めてやれないからな!」
止めてくれと頼みはしないが、どこかツボなのか未だアズル様を掴みかねている。
僕は明日休みだし、アズル様は僕相手にどうしたって明日には全く影響しないので、存分に快楽に身をゆだねるだけだ。
言葉の激しさとは裏腹に腰を掴んで慎重に進めてくれる。
そうなったら、もう、いつも通りだ。
揺さぶられるだけでまともに何かできるわけもない。
必死に肩に掴まり、そのうち抱きしめるようにもたれ掛かり、仕舞いには押し倒されて上でさえなくなった。
気持ちいいからもうなんでもいい。
この後はいつも通り緩急織り交ぜて、とことん高められてされど今回は意識を失うほどではなく、終わってくれた。
気怠いからそのまま寝てしまいたい僕に、アズル様はいつもしてくれるように体を拭き清めてくれたり、飲み物をくれたり、パジャマを着せてくれたり。自分でやろうと思えばできなくはないけど、正直面倒なのでやってくれるなら楽なので任せている。
ちゃんと何度かした初めのうちに放っておいても問題ないとは言ってあるけど、フニャフニャな僕は可愛いとかワケのわからない事を言ってその後も続いているから、苦ではないと言うことだろう。
僕には良いことしかないから有難いだけだ。
ただその手厚さが普通でないことくらいは流石に分かってはいるから、大丈夫だ。アズル様がちょっと異常なのだろう、害がないうちは問題ない。
清々しく眠りにつくことができた。
夜の営みという習慣も適度な……時々過度な運動だけど、人間の三大欲求と言うくらいだから、それを解消するということは健康的な生活だと言えるだろう。
まあ要するに、平和。
リセット旅に出る日は今のところ遠そうだ。
すっかりそんな生活サイクルも当たり前になっているから、ふと思いついた。
ある休日前夜。
雰囲気も何もなく、アズル様に聞いてみた。
「僕が上になってみてもいいですか?」
「別にいいが、どうした?」
「試しにやってみたいだけですが、いろいろ聞くんですがどんなものかと」
アズル様の眉間にシワが寄る。
「誰に聞くんだ」
やや低くなった声は二人きりでは割と聞くから、なんてこともない。
「機嫌が悪くなりました?」
「お前にそんな事を吹き込むのは誰だ」
僕が淡白なせいか、純真無垢だとでも思っているのだろうか。ただ実体験がないだけだ。
見聞きしたことだけなら、豊富な方だろう。
「仕事のうちですよ、取り調べに立ち会うこともありますし、様々な書類にも目を通しますから、そこに閨のことがあるのは珍しくありません」
宰相様の仕事って政治に関することがもちろんだけど、不正だの王室の管理だの街の治安だの、なんやかんや気を配ることが多いから、そこに色恋が関わってくるのは意外と多い。
「そうか、そうだった。花街での不正の摘発はお疲れだったな」
それは簡単に言えば、とある貴族がそのあたりで裏金作りをしていたのを取り締まったというだけの話だ。
もっと上手くやってくれたなら泳がせていれたものを、欲をかきすぎるから処罰されることになってしまう典型だ。
「一番最近ではそれもありましたが、お世継ぎや妃様たちへの気遣いなどいろいろありますから、あとはいろいろな薬物についてだったり、病気についての知識も身につけてますから、症状や副作用、摂取方法、感染経路、自ずと性的な知識は必要になります」
「なるほどな」
実は他にも貴族の奥様方が時に赤裸々であり、話題に登るのだということは伏せておいた。
そして人によっては夜の生活に深刻な悩みを抱えていることも。
どこをどう信頼されて、そしてそいうことにアドバイスをしているとされているのか、僕が相談をされることがある事ももちろん言わない。
アズル様とのことを言いふらしているわけではなく、書籍で知った知識や花街のお歴々に聞いた話や、不正現場を取り押さえた時に見たり実況見分で再現されたあれこれをもとに、ほんの少し話を聞くだけ。
実体験のないアドバイスなど参考にしないほうがいいから、僕からは求められた事柄をそれもまた少し提案するだけだ。
別に実体験が乏しいから今夜のことを思い立ったわけではない。
これはただの好奇心。
押し倒すには体格が違いすぎるから、ベッドに横になってもらう。
服も手際よく脱がせる方法もさっぱり分からないから、全部脱いでもらって、自分も脱いだ。
寝転がるアズル様の上に跨り、立たせなきゃ入らないよなと、まだ細やかな反応示していないそこに膝立ちのまま手を伸ばす。
「ちょっと待った」
「はい」
手を止め、膝立ちのままなのでアズル様を見下ろした。
「お前自分はどうするつもりだ?」
「多少自分でしてきましたよ」
普段も急な時以外は自分で最低限のこと自分でしているけど、今日はそれよりもやっておいた。
「つまりそのまま入れるつもりってことだな」
「ダメですか?」
「ダメというか、辛いだろ。たぶん入れられない」
「じゃあ、そこもしましょう」
アズル様はいつも至極丁寧に抱いてくれるので、同じ程するのは難しいが気になるなら今からすればいいだけだ。
だから、自分の後ろに手を伸ばすべく振り向こうとするとアズル様が起き上がり肩を手を置かれた。
「ちょっと待った」
そんなに不安がられるものだろうか。
喜ぶとは思っていなかったが、下手なりに試行錯誤する様を見守るくらいの余裕は有りそうなのに。
「……なんですか」
「別に俺が何もしちゃいけないってことじゃないよな?」
「ないですけど、あまり歓迎はしませんね」
「何故だ」
「アズル様は手加減を知らないので、結局いつもみたいになるのが目に見えるからです」
「お前、俺が日頃手加減してないと思ってるのか?」
「いいえ」
「ん? 手加減してるのを理解してるのか?」
「してますよ、なので始めてもいいですが?」
アズル様はなかなか頷かない。
手加減されていることは分かっているが、僕の方が全然慣れないから感じるばかりで流されてしまう。
そうなると自分で動くのなんか面倒くさくなりそうじゃないか。
アズル様は甘やかしいだから、僕がそうなったら結局何でもやってしまいそうだ。
だからできるだけ正常な状態でことを進めたい。
なにの手を伸ばそうとするとまた止められる。
「ちょっと待て」
「この状況であまり会話するものでもないと思うんですが」
「……まあ、そうか」
肩から手が退いた。
もうさっさとやってしまおう。
改めて下を向いてアズル様のまだまだ元気がないそこに、手っ取り早く反応してもらおうと顔を近づける。
「ちょっと待て!」
「……はぁ」
今までしたことはないけど、手だけでやるよりは多少良くはなると思うんだけど。
「それはしなくていい」
「そんなに下手そうですか?」
「違う、でも今じゃない」
顔をあげさせられ、また膝立ちに戻る。
アズル様も起き上がっているままだけどほんの少しだけ見下ろせるその顔がやたら真面目に見つめてくる。
「お前がタメ口になったらしてもらう」
「話し方を変えろと」
「違う、そこまでお前が気を許してからでないとしてほしくない」
「どうしてですか?」
アズル様はサイドテーブルの瓶からいつもの香油を出して、僕の後ろの手を伸ばす。
「あッ! ん……」
どうやらさっきとは違って、ただ話をするだけではないようだ。
抵抗するのも違う気がするし、なんとか正常心を頑張ってみるしかない。
初めてから何もかも上手くいくわけはないのだから、今回はとりあえず自分から上で動くことを目標にしょう。
「俺の気分の問題だから、お前が何か気を使う必要はない」
「……ぁ、はぁ……気分、ですか?」
アズル様の肩に手を置いて膝立ちの姿勢を保つ。
表情を見ていたから、まだもたれ掛かりたくはない。
「俺は奉仕されたい訳じゃない、お前から義務感や業務感を感じたくない」
「なんと、っなくしか、わかりません」
どうしても呼吸が乱れる。
アズル様が言うようなつもりは全くないが、気にしていることなら尊重するしかない。
話し方を変えないのは、素で話すと粗暴でぶっきらぼうだから誤解を招きかねないし、この屋敷にはどうしたってそぐわない。
アズル様は困ったように微笑んでいる。
「俺達は夫婦になったんだ。これから先も長いんだから楽しみは取っておく」
「一生このままッ……かもしれません」
指が体内のある部分を掠めるとどうしても体が跳ねる。
アズル様の肩を掴む手もつい力が入ってしまうけど、どうやらそれも楽しいらしい。
ちらりと自分の肩を見たアズル様がニヤリと笑う。
「そうなったら俺の努力不足だな、そうならんように努めるさ」
急に楽しげになった顔はそのまま近づいてきた。
当たり前に唇が触れ、舌を深く絡め合う。
キスは少し上手くなってきているのではないだろうか。
レベルアップは確実にしてる気がして面白い。
今日のチャレンジも全然上手くはできていないが進歩への確実なステップになるはずだ。
キスをしながら、僕が跨る足の間でアズル様が自身を扱いているのを感じる。
体内に収められている指もそのまま動き続けているから、器用だなとどんどん鈍くなる思考の中で思う。
「もう、ぁん! ……入れても、いぃですか?」
ちょっともう姿勢を保っていられない。
今でこれから自分で動けるギリギリだから、聞いてみれば頷きが返ってきた。
やっと触ることを許されたアズル様の怒張は熱くてガチガチだった。
あまり触る機会もなかったから、こんなのかと謎の感慨深さを抱く。同時にこれを収めるのは困難が伴うかもしれないと予感する。
けれど躊躇っても仕方ないので、ゆっくりを腰を下ろしていく。
「ぅんん……はぁあ、あ……」
アズル様の表情を確認する余裕もなく、目を閉じて自分の体を制御するので精いっぱいだ。
きっとアズル様は辛そうにしてるか物足りなさそうにしてるとは予想できる。
こんなのろのろした動きでは生殺しも良いところだろう。
これを楽しめる奴がいるなんで、修練が素晴らしいと今度から称えてやろう。
「辛くないか?」
「……だいじょうぶ、ですし、アズルさま、こそ」
「俺は最高だ」
フォローなのか真実なのか全く分からないが、ちらっと顔を見れば、確かに眉間に皺は寄っているが口元は上がっていて目もいつもの甘さを持っていた。
口でするのは駄目でこれは良いというのは境界線が分からない。
僕の好奇心なら良いのだろうか。わからん。
そんな余計なことを考えたからか、いや、経験値のなさだとは重々承知している。
どうしても一定以上腰を下ろせなくなった。
いつも入れられているのだから入らないはずないのに、なぜだか体がすくんでしまう。
それに本能が勝手に自分で快感を追ってしまって、自分の良いところだけ擦るように動いてしまう。
「ッ、ぁ……うまくできなくて、ごめん……」
「そんな風に、そんな、顔で謝るな」
一体どんなだよ、と言う余裕はもうない。
下から突き上げる動きが始まってしまう。
「ん! ……あ、あっぁっ!」
「止めてやれないからな!」
止めてくれと頼みはしないが、どこかツボなのか未だアズル様を掴みかねている。
僕は明日休みだし、アズル様は僕相手にどうしたって明日には全く影響しないので、存分に快楽に身をゆだねるだけだ。
言葉の激しさとは裏腹に腰を掴んで慎重に進めてくれる。
そうなったら、もう、いつも通りだ。
揺さぶられるだけでまともに何かできるわけもない。
必死に肩に掴まり、そのうち抱きしめるようにもたれ掛かり、仕舞いには押し倒されて上でさえなくなった。
気持ちいいからもうなんでもいい。
この後はいつも通り緩急織り交ぜて、とことん高められてされど今回は意識を失うほどではなく、終わってくれた。
気怠いからそのまま寝てしまいたい僕に、アズル様はいつもしてくれるように体を拭き清めてくれたり、飲み物をくれたり、パジャマを着せてくれたり。自分でやろうと思えばできなくはないけど、正直面倒なのでやってくれるなら楽なので任せている。
ちゃんと何度かした初めのうちに放っておいても問題ないとは言ってあるけど、フニャフニャな僕は可愛いとかワケのわからない事を言ってその後も続いているから、苦ではないと言うことだろう。
僕には良いことしかないから有難いだけだ。
ただその手厚さが普通でないことくらいは流石に分かってはいるから、大丈夫だ。アズル様がちょっと異常なのだろう、害がないうちは問題ない。
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